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【動画】ルール上は正しいが「みんなが違和感」。セレッソ大阪vs浦和レッズでの判定を巡り議論白熱

番組には、Jリーグの原博実副理事長、Jリーグウォッチャーの平畠啓史さん、JFA審判1級インストラクターの資格を持つ昇陽高校サッカー部総監督の奥谷彰男氏が登場。桑原学さんMCのもと、SNSで反応が多かったシーンをピックアップして議論を行った。

■満場一致でハンドはなし

今回取り上げられているのは、C大阪vs浦和の59分の場面。C大阪のスローインから関根貴大がクリアしたところを拾った松田陸がシュートを放つ。小泉にブロックされたボールは枠を外れ、ゴールラインを割った。

ここで主審はボックス外でのハンドを取り、C大阪ボールのFKと判定。しかし、小泉のプレーがボックス内だったとしてVARが介入し、オンフィールドレビューが行われたが、結果的にドロップボールで試合が再開した。

この場面を確認した平畠さんは、まずはハンドについて「不自然に(腕を)広げているようには見えませんし、かなり至近距離ですし、ハンドを取るのはちょっと厳しい」とコメント。ハンドの取り消しを支持した。

原副理事長も「ハンドでなくていい」と賛同。奥谷氏も、ハンドには当たらないとの見解を示している。

「まずボールに対して手を意図的に動かしたかどうか。それから不自然に広げているかどうかというところが観点になろうかと思いますが、いずれも違います。至近距離から打たれたボールがたまたま肘の辺りに当たった、身体に付けている手に当たったというふうに見えます」

VARはハンドを取るのであればPKになる、という意図で介入したが、妥当な判断によってハンドそのものが取り消されることとなった。

■試合はドロップボールで再開

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では、ドロップボールでの再開となったのはなぜなのだろうか。ボールは浦和の選手に当たり、枠を外れてゴールラインを割った後に笛が吹かれた。SNS上では、ハンドが取り消しになったのであればC大阪ボールのCKだったのではないかとの疑問も噴出している。

原副理事長も「現場は当然そう思うでしょうね」と同調したが、奥谷氏はドロップボールの判断についてこう説明した。

「まず笛が鳴るタイミングがなぜ遅れたかというと、主審は手に当たったという判断をしましたが、そのまま入る可能性であったり、あるいは味方競技者につながって、さらにチャンスが広がるというところを見たんだと思います。でも結果的には入らなかったので、初めに判断をしたハンドというファウルを吹きました。主審はあくまでもハンドがあってゲームを止めているという理解をしていると思います。ルール的には間違いではないです」

一方で「プレーヤー的には『ゴールラインを割ってからだから再開はCK』という思いもよく分かります」とも口にした奥谷氏だったが、ドロップボールでもルール上の間違いはないようだ。

とはいえ、ボックス内での事象が発端となっているため、ドロップボールになるのであれば本来はGKにドロップされるべきだ。実際はフィールドプレーヤーにドロップされたが、このことについては奥谷氏も「浦和のGKへのドロップボールというのが、正しい再開方法だったと思います」と指摘した。

今回の一連の判定について、ドロップボールのドロップ先以外にミスはなかったが、原副理事長がCKにならなかったことに「みんなが違和感を持っている」とこぼすと、平畠さんも「レフェリーの方以外、みんな納得していないみたいなよく分からない構造になってしまっているなと。もちろんルールでそうなるというのは分かりますが」と釈然とせず。

原副理事長は「VARが入った時のこういう(プレーを遡って)取り消しというところと、ミスマッチなのではないか」と指摘。VARが導入されていなかったころから変わらずに適用されているルールが今後、調整されていくことに期待を寄せた。

今回のジャッジリプレイでは、このほかにもJ2リーグ第8節FC琉球vs東京ヴェルディの67分にあったハンドについて議論されているほか、「ジャッジメント ワンポイント講座」としてJ1第10節川崎フロンターレvsサンフレッチェ広島の55分にオフサイドで川崎Fの得点が取り消された場面が紹介されている。

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