20210612_Ueda(C)Getty images

研ぎ澄まされた感覚と考え抜かれた選択。鮮やか得点にU-24日本代表FW上田綺世「今まではループの選択肢はなかったが…」

鹿島アントラーズに所属するU-24日本代表FW上田綺世が、ジャマイカ代表戦後に得点シーンを振り返った。試合後のオンライン取材に応じている。

日本は12日、国際親善試合でジャマイカ代表と対戦して4-0で勝利した。東京五輪の登録メンバー決定前最後の一戦では、前半に久保建英が先制点を記録した後、オーバーエイジ(OA)が圧巻のミドルシュートを沈め、後半からは途中出場の上田が三笘薫のスルーパスに抜け出して鮮やかなループシュートで加点。さらに、同じく途中出場の相馬勇紀が堂安律の得点をアシストした。

守備陣も無失点と複数の選手がアピールしたが、上田は「一つのチームに属して、そのチームの一ポジションを担って試合に出るわけで、ポジション争いはありますが、その試合に対する形というのは選考がかかっていようが、クラブだろうが本質は変わらない」とコメント。シチュエーションによって自身のプレーが変わることはないと強調した。

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得点の場面については「あのシーンで一番ゴールに直結する場所に動いたら(三笘なら)そこに出せると思っていました」と、大学在学中のユニバーシアード日本代表時代からともにプレーしていた味方への信頼を口にする。そのうえで、シュートシーンでは一瞬の判断があったと説明した。

「顔を上げた時にGKが出てきたのが分かって、突っ込んでこない間合いなら逆を突けばいいし、突っ込んで来たらワンタッチ挟んで外に巻いてシュートを打てばいいと思っていましたが、中途半端な位置で止まってくれたのでループを選択しました」

そして、そのループシュートという選択肢は、自身の幅を広げるために意識して取り組んでいたことの成果の一部だったようだ。

「ループがなかったら、ゴロで打つ選択肢と相手GKをかわす選択肢の2つに絞られますが、一つ違うシュートの形を作るだけでFWとしての余裕はやっぱり違います。簡単なシュートは思った以上に少なくて、簡単に見えて難易度が高いというか。その(難易度が高い)一つをとるためにより多くの選択肢があった方が良いのは間違いなくて、それこそ(普段から)同じチームでやっている選手から盗もうと思ってやっています。ループという選択肢は今までは僕の中にはなかったですが、ちょっとずつ増えているのではないかと思います」

今後、6月下旬には東京五輪の登録メンバーが確定。OAの選手を除けばわずか15枠という狭き門だが、この世代の選手として常に結果を残し、選考前最終戦のジャマイカでも印象的な得点を決めた上田は、本大会でも期待できる存在になりそうだ。

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