名将ファビオ・カペッロ氏が16日、サンシーロで学生向けの講演を行った際、世界各国での自身の体験などを語った。イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』が伝えている。
過去にミランやレアル・マドリー、ローマやユヴェントスなどビッグクラブの指揮官を歴任したほか、イングランドやロシアで代表監督を務めた経験を持つカペッロ氏。そんな77歳のイタリア人指揮官がスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァで300人の学生を前に語った。元ミラン指揮官はまず、“カルチョのスカラ座”に言及した。
「このスタジアムのピッチは、イタリアで最も難しい。ここでは、観客がいろんなことを言っているのが聞こえてくる。押しつぶされるほどのプレッシャーがあるんだ。考えてみて欲しい。ミランの選手たちは、コロナ渦で目覚ましい成長を遂げた。なぜなら(無観客で)まるで練習の時のようにプレーできたからだ」
続いてカペッロ氏は、自身が指導したスペインやイングランド、ロシアや中国における体験を振り返り、コミュニケーションの重要性を訴えた。
「外国へ行けば、自分が仕事をしているその土地のことを理解しなければならない。コミュニケーションがすべてだ。スペインでは、ラジオと新聞(『アス』と『マルカ』)が権威を持っていて、観客に影響を与えている。我々はどの派閥にも偏ってはならない」
「イングランド代表の指揮を執っていた時は、会見に80人の記者がいて、プレッシャーがものすごかった。会見の1週間前から質問に答える準備をしていたよ。ロシアでは、通訳1人をつけていたが、中国では6人もつけていたんだ。私の仕事においては、コミュニケーションが非常に大事だった。イタリアでは、SNSがあらゆることへ影響力を持っているが、私はコミュニケーション手段として好きではない」