明治安田生命J1リーグは19日に第29節が行われ、ノエビアスタジアム神戸ではヴィッセル神戸とFC東京が対戦した。
前節3試合ぶりの敗戦を喫した暫定9位の神戸が、首位・鹿島アントラーズを勝ち点差3で追う3試合未勝利の2位・FC東京をホームに迎えた一戦。
神戸は、FWダビド・ビジャやMF藤谷壮、DFジョアン・オマリらを起用。代表帰りのトーマス・フェルマーレンと状態が危ぶまれていたMFアンドレス・イニエスタが欠場、一方で長期離脱していたルーカス・ポドルスキがベンチ入りを果たした。
対するFC東京は、MF高萩洋次郎を普段のインサイドハーフではなく4-4-2の前線下がり目の位置で起用したほか、MFアルトゥール・シルバを加入以来初めてJ1の舞台で先発起用。代表帰りのFW永井謙佑がベンチスタートとなっている。
試合が開始すると、普段より前の位置で起用されている高萩が早々の6分に結果を出す。ショートカウンターからボールを受けた東慶悟がボックス内中央で粘ってラストパスを供給すると、反応したのは高萩。右足で放たれたシュートが右ポストに当たってゴールに吸い込まれ、FC東京が先制に成功する。
さらに、10分にも長谷川健太監督の采配が的中。A・シルバがボックス手前のやや遠い位置でボールを持ち思い切りよく右足を振り抜く。すると、強烈なシュートがネットに突き刺さり早くもスコアは2-0に。A・シルバにとってはこれが記念すべきJ1初ゴールとなっている。
FC東京はその後も優勢に試合を進行。前線のディエゴ・オリヴェイラと高萩がともに優れたキープ力を生かすことで、積極的に飛び出していく2列目が神戸ゴールに脅威をもたらす。神戸は酒井高徳の仕掛けを中心として打開を図るが、守備でも集中力を見せるFC東京を崩すことができない。
神戸がボールを保持する時間を増やしつつも攻めあぐねる34分、またしてもFC東京に決定機が訪れる。前線でボールを受けたD・オリヴェイラが鋭いターンで相手のチェックをかわしてラストパスを供給すると、飛び出していた橋本拳人が滑り込むようにしてシュート。GK飯倉大樹との一対一を制し、さらに神戸を突き放す。
追い上げが求められる神戸は早いタイミングで選手交代を敢行。高萩に消される形となっていたセルジ・サンペールが、前半終了間際の42分に小川慶治朗との交代で退く。中盤底のポジションは山口蛍が務めることとなる。
後半に入ると神戸がギアを上げて度々FC東京陣内深い位置まで入り込めるようになるが、なかなかシュートまでは至らない。56分にはボックス手前左でボールを持ったビジャが遠いところから狙うが、足を滑らせて上手くミートできなかった。反対にFC東京は58分に抜け出したD・オリヴェイラが一対一を迎えたが、ここではGK飯倉に軍配。睨み合いのような時間が続く。
神戸は60分に2枚目のカードを切り、ビジャに代えてポドルスキを投入。負傷離脱が続いていた背番号10が約5カ月ぶりの復帰を果たした。すると66分、右CKの場面で田中順也のクロスにJ・オマリが頭で合わせ、神戸が1点を返す。FC東京は直後にD・オリヴェイラに代えて永井を起用する。
その後も追加点を目指す神戸だったが、FC東京は76分に三田啓貴に代えて岡崎慎を送り出して締めに入る。直後に神戸がチャンスを迎え、左サイドからのクロスに合わせた渡部博文のヘディングシュートを高萩がライン上で頭でクリアすれば、直後に放たれたポドルスキの強烈なミドルシュートもGK林彰洋がスーパーセーブで弾き出す。
試合はFC東京がリードを保ったまま終了。この結果、神戸は2試合合計9失点と守備に不安を感じさせる形で連敗を喫すこととなった。対するFC東京は4試合ぶりの白星を飾り、得失点差の関係で追い越すことはできなかったものの、首位・鹿島アントラーズと勝ち点56で並んでいる。
■試合結果
ヴィッセル神戸 1-3 FC東京
■得点者
神戸：ジョアン・オマリ（66分）
FC東京：高萩洋次郎（6分）、アルトゥール・シルバ（10分）、橋本拳人（34分）
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「※」は提携サイト『 Sporting News』の提供記事です
