20200303_Fujita(C)J.LEAGUE

町田vs甲府で“明らかな”ハンドが取られず…主審、副審が抱える困難とは

気になったジャッジを徹底解説する「Jリーグジャッジ リプレイ」の2020シーズン第2回(特別編)が3日、DAZNで先行配信された。

今回は、Jリーグ原博実副理事長、Jリーグウォッチャーの平畠啓史さんに加えて、JFA審判1級インストラクターであり、1993年Jリーグ開幕戦のヴェルディ川崎vs横浜マリノスで主審を務めた小幡真一郎氏が登場。SNSでつぶやきが多かったシーンを解説した。

『Goal』では同コンテンツの中から、注目のジャッジをピックアップ。第2回は、2月23日に行われた明治安田生命J2リーグ開幕節のFC町田ゼルビアvsヴァンフォーレ甲府より、ハンドが見逃されたシーンを紹介する。

以下に続く

■ハンドは明らか。PK&警告で妥当

議論を呼んでいるのは、65分に訪れた町田のチャンスシーン。右サイドでパスを受けた町田MF平戸太貴がファーサイドにクロスを送り、FWマソビッチがヘディングで合わせる。すると、ボックス内の甲府DF藤田優人にブロックされたが、ブロックした部分が映像で確認すると明らかに腕であったにもかかわらず、ノーファウルの判定。町田にPKが与えられることはなかった。

この場面については、平畠さんが「当たったか当たっていないかではなくて、『当たってますよね。で、(競技規則に則れば)ハンドなのかどうなのか?』というところだと思います」と述べているとおり、腕に当たったことは前提条件として話が進行していく。

そのうえで、平畠さんは「もしあれが当たっていなかったらゴール方向にヘディングシュートがいっていたと思う。だから、ここはハンドでいい」と、PKを主張。原副理事長もその意見を支持しつつ、以下のような疑問を投げかけた。

「ハンドだろうね(笑)。あのコースであれば、たぶんGKは普通は防げるかなという感じはしますけど、手には間違いなく当たっているので。ただ空中でジャンプをした時に(DFもバランスを維持しようとして)当然手を使うじゃないですか。空中で(ボールが手に)当たった時に、当然上で当たったら駄目で下で当たったらいいとか、その辺りをよく知りたい」

なお、昨年から適応されている新競技規則では、ハンドに関して『意図的かどうか』という点ではなく、『手と腕の位置がどこにあるのか、不自然に体を大きく見せているか』という要素が大きく重要視される。原副理事長が、今回のケースであれば藤田がジャンプする一連の動作の中で手が広がったため、「不自然ではないのではないか」とも付け加えると、小幡氏はそれを踏まえてこう回答している。

「おっしゃっている通り、手に当たってるのは確かですよね、横に広げて。だからこれは手や腕で身体を不自然に大きくしているという風に見える」

「あとはおっしゃっていた、手を下ろした時にどうか。(スライディング時や支えてなど)地面についている手に関してはノーハンドになります。下りていく時に当たると、やっぱりそれは今はハンドの反則になります」

さらに、藤田のハンドが意図的だったかどうかという点については、番組内では満場一致で「意図的ではない」との判断が下されたが、加えて小幡氏は「シュートに対して手を出して止めたという意味では、GKはいますから赤にはならないですけど、警告になる」と、イエローカードが出される判定が妥当だったとも口にしている。

■なぜ笛が吹かれなかったのか?

20200303_Fujita(C)J.LEAGUE
とはいえ、実際の試合ではノーファウルの判定。小幡氏はその要因については主審の位置取りが困難を生んだのではないかと分析している。

「レフェリーも手には当たっているという認識だと思う。ただ、(角度的に)身体の外か中か、それが分からない。(手を)広げているのが分かっていないのではないかなと思います」

これについては、原副理事長が「でも、アシスタントレフェリーも重なってしまったんですかね?」と疑問を呈したが、小幡氏は副審にとっても難しい状況だったのではないかとフォローした。

「私の印象としては、副審というのは(シュート時に)次のGKのところも見る。シュートが入るかどうか、ボールのコースを読みます。そうすると、始点と終点は見ようとしている。でも、途中はしっかりと見られない可能性があるんです。そこまで自分が確信を持っていないかもしれない」

続けて、「あとは影と明るいところの…。よく言う、車を運転していてトンネルから出た時に、『眩しいな』と少し目がきっちりとは見えない時があるじゃないですか。それとよく似ているのではないかなという気もします」と経験則も語りつつ、もしJ1同様にJ2でもビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が導入されていた場合には、オンフィールドレビューになる事象だと説明した。

「これはまったく、(VARから主審への助言も)『見て決めてください』という風にしかならないです。ファクト(客観的な事実)にはならない」

今回のジャッジリプレイでは、このほかにJ1リーグ開幕節から2試合がチョイス。川崎フロンターレvsサガン鳥栖の66分にFW金森健志がスライディングタックルを仕掛けた場面や、柏レイソルvs北海道コンサドーレ札幌の50分、61分、95分に見られたフィジカルコンタクトに関して、その判断基準が議論されている。

▶Jリーグ観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

【関連記事】
DAZNを使うなら必ず知っておきたい9つのポイント
DAZN(ダゾーン)をテレビで見る方法7つを厳選!超簡単な視聴方法を紹介
DAZNの2020年用・最新取扱説明書→こちらへ  ┃ 料金体系→こちらへ  ※
DAZN番組表|直近のJリーグ放送・配信予定  ☆
DAZN番組表|直近の海外サッカー放送・配信予定  ☆
Jリーグの無料視聴方法|知っておくと得する4つのこと
「※」は提携サイト『 Sporting News 』の提供記事です
「☆」は提携サイト『 DAZN News 』の提供記事です

広告