2017-11-30-Japan

森保ジャパン、「始まりの23名」にU-20W杯組不在…東京五輪を見据える指揮官の狙いとは

11月30日、U-20日本代表(東京五輪代表)を率いる森保一監督が「始まりの23名」を発表した。恐らくマニアなファン以外には見慣れぬ名前も含まれているラインナップ。実際、記者会見場では戸惑う記者の声も聞こえてきた。ただ、これは当初から予定されていた選考である。

「(今回のメンバーに)今年行われたU-20ワールドカップに出場した選手は含まれていません。理由は、まだまだこの年代で可能性のある選手を見ていきたいということ。この年代の選手をより広くラージグループとしてとらえながら、最終的にコアな部分を作っていきたいという意図でこのメンバーにしました」(森保監督)

こうした狙いは森保監督の就任時にも語られていたことである。何しろ東京五輪が行われるのは2020年なので、約2年半も先の話である。この段階からメンバーを固定してしまっては弊害のほうが大きいのは想像に難くないし、より幅広い選手に「五輪代表のチャンスがある」という気付きを与えて、意欲を高め、競争意識を煽っていく狙いだ。U-20W杯のチームからの「継続」ではないということをこれまでの常連メンバーたちに示す効果もあるだろう。

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もう一つの狙いとしては今年代表チームでフル稼働し、なおかつ所属チームでも活動していた選手(たとえば、柏レイソルのDF中山雄太)については休養の必要もあるという考えもある。来年1月に中国で行われるAFC U-23選手権は大陸連盟の公式戦ということもあってチームの腕試しを行うには格好の舞台でもあり、こちらに備えるために「一回休み」とした面もあるようだ。

このため、「基本的に今回と次の1月の中国に行くメンバーは分けて考える」(森保監督)ということになりそうだ。日本サッカー協会関係者も「かぶるのは多くても数名だけ」と話しており、実質的には二つの大会で別々のチームをテストし、まずは森保監督がこの世代のラージグループの選手たちを把握するという機会になりそうだ。

もう一つ、今回のメンバー発表会見でポイントになったのは、森保監督が3バックシステムをベースに考えていることが明らかになったことである。指揮官は他のシステムを採用する可能性に言及しつつも、「これまで私の監督経験で3バックをやることが多かったので、基本的にそう考えています」とコメント。まずは3バックにトライしてみたい考えだ。これまでこの世代の代表は専ら4バックをベースに活動してきたので、必然的に選ばれる選手の顔ぶれも変わっていくことになるかもしれない。

今回のタイ遠征メンバーで言えば、庄司朋乃也(ツエーゲン金沢)、大南拓磨(ジュビロ磐田)、岡野洵(ジェフ千葉)という185cm級の高さがあって、なおかつスピードもあるというタイプのストッパーが選ばれた。いずれもU-20W杯に出場したチームでも候補メンバー入りしながら、最終的に構想から外れた選手たちだが、彼らにとっては3バックへの適性を示せれば一気に主力へジャンプアップできるチャンス到来となる。麻田将吾(京都サンガF.C.)も186cmの大型、なおかつ左利きという稀少なタイプ。3バックの左DFには左利きを置きたいので、こちらもチャンスだろう。

前線を1トップ2シャドーの組み合わせで考えるなら、これまた人選は変わってくるし、両ウイングバックもまた然り。新監督の新しいやり方の下で新しい選手がどれだけ出てくるのか。「2年半後」というと随分と先のように思えるが、実際はあっという間に過ぎるもの。まずはタイの地で「始まりの23名」に選ばれたフレッシュな選手たちがどんな可能性を見せてくれるか。東京五輪世代が本大会へ向けて進化していくための最初の一歩。そんな印象を残すプレーが観られることを期待したい。

文=川端暁彦

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※記事はIOC公式サイト『Olympic Channel
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