「土俵」を持つ湘南の底力。曺貴裁監督が試み続ける、進化した湘南スタイルとは?

最終更新

独自のスタイルを貫く湘南ベルマーレと名古屋グランパス。そのスタイルはどちらも攻撃的ながら対極的だ。4日に行われた明治安田生命J1リーグ第10節の対戦では、1-1のドロー。どちらが自分たちの土俵に相手を引きずり込めるか、そんな互いの哲学が真っ向からぶつかり合う熱戦となった。

■湘南が活路を見いだす「解決力」

チーム一丸となって走る湘南に対し、ボールを動かしながら得点を狙う名古屋。昨季リーグ戦では2戦2分と互角の戦いを演じている。

今節も一進一退の展開で試合は進んだ。前半は湘南がスピーディーな展開から名古屋を翻ろうし、前半終了間際にPKを獲得。山﨑凌吾が落ち着いてネットを揺らし先制するも、後半は逆に名古屋に押し込まれFKからジョアン・シミッチに同点ゴールを許した。

内容的には妥当とも言える引き分け。だが、豊富な資金力を持つ名古屋に比べ、湘南は曺貴裁監督も認めるように「決してうまいチームでも、横綱相撲をするチームではない」。その底力は何なのか。指揮官曰く、湘南の本領はその時起きた現象を選手と一緒に解決する「解決力」にあるという。

湘南は、4月に入って以降、JリーグYBCルヴァンカップを含めた6試合でわずか1勝しか挙げられていなかった。

勝てない日々のなかで転機になったのは、J1第8節・川崎フロンターレ戦の敗戦だ。「あの時はボールをつなぐということが一番で、切り替えたり、奪ったりすることが消えてしまった。それは我々の土俵じゃない」と曺貴裁監督は振り返る。

揺らいでいたチームの土台がこの敗戦を契機に定まった。その後続いたルヴァン杯横浜F・マリノス戦は0-1で敗れるも、J1第9節・サガン鳥栖戦では2-0で快勝。迎えたこの名古屋戦は引き分けという結果ではあるものの、「やりたいことをやれた」前半を含め、選手たちには、一定の手ごたえを得た様子。

「今までだったらそこで点が取れず、後半相手の勢いに飲まれてしまい、結果0-1、0-2で負けてしまうようなシーンも少なくなかった」と、MF齊藤未月はこのドローをポジティブに受け止めている。

今季から湘南は、さらに高みを目指すため新たな試みに挑戦している。曺監督はその詳細を明かさないが、「不用意なロングパスが減り、クリアで逃げている場面も減った。逆に自分たちのボールの奪い方のバリエーションとか、攻撃のバリエーションは間違いなく広がっている」と手ごたえを見せる。MF齊藤未月も、「落として三人目の動きがすごく今年は多い」とチームの進化を感じ取っている。

■”実感“が選手を成長させる

悪い状況でも好転するまで耐え忍ぶ力。そして、昨季に比べて進化を見せるチームそのものが曺監督の言う「解決力」による賜物だろう。

物事を解決し改善させていくには、「課題の把握」「目標・施策の策定」、そして「実行と評価」このプロセスが欠かせない。「土俵」という言葉を繰り返す曺監督の言葉からは、強い目標設定への意思が感じられた。そして、「素晴らしいサッカー」とリスペクトを見せる名古屋との試合は、選手そしてチームの成長を確認する一種のリトマス試験紙のような存在なのかもしれない。

「今日の試合で感じたことを次につなげたい。晴れやかな気持ちでは、100%ではないですが、名古屋さんとやる時はいつもこういった気持ちになる。少しステージが上がったところで試合を振り返られるということに選手の成長を感じていますし、その成長をさらに結果につなげないといけない」

さらに、「差があるかないか分からないような試合を続けるのは一番ダメ」と、熱弁を振るった曺監督。ハッキリとした実感こそが選手を成長させる――。”湘南スタイル“を後押しする課題解決に向けたの明確なビジョンと熱意。あらためて湘南に名将あり。そう感じさせる一戦だった。

湘南は、8日のルヴァン杯V・ファーレン長崎戦を経て、12日の第11節では昇格組ながらリーグ3位につける大分トリニータをホームに迎える。ともに全員の総力でJ1を戦うチーム。知将同士の駆け引き、ピッチ上での選手たちの熱戦を期待したい。

文=大川佑

▶Jリーグ観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

【関連記事】
DAZNを使うなら必ず知っておきたい9つのポイント
DAZNが「テレビで見れない」は嘘!6つの視聴方法とは?
DAZNの2019年用・最新取扱説明書→こちらへ ┃料金体系→こちらへ ※
【簡単!】DAZNの解約・退会・再加入(一時停止)の方法を解説 ※
【最新】Jリーグの試合日程・放送予定一覧/2019シーズン
Jリーグの無料視聴方法|知っておくと得する4つのこと
「※」は提携サイト『 Sporting News』の記事です