Makoto Hasebe Frankfurt 20182024(C)Getty Images

現役引退発表の長谷部誠、決断の理由は?「僕ももう40歳」「出場しないとやはり体も重くなるもの」

フランクフルトに所属する元日本代表MF長谷部誠は17日、現地で開かれた記者会見で今季限りでの現役引退を発表。会見では決断に至った理由、引退後の生活、現役中の目標などについて語った。

浦和レッズでプロデビューを果たし、ヴォルフスブルク、ニュルンベルクでプレーした後に、2014年夏にフランクフルトへ加入し、同クラブで10年目を過ごす長谷部。会見の冒頭で今季限りでの現役引退を発表すると、「決断を下す難しさはありましたが、それを準備する時間をたくさん与えられましたので。すでに何年も前から必ずこの瞬間が訪れるというのは感じていました。もしかしたら5~6年前からかもしれません(笑)。今が辞める時だと感じていますし、タイミングも正しいと思います」と述べた上で、決断に至った理由についてこう続けた。

「理由はいくつかあります。当然、身体的に回復のために必要な時間が段々長くなっているとも感じていますし、メンタル面、頭の中には『そろそろ次のステップに進みたい』という思いもありました。僕ももう40歳です。今でもまだサッカーをプレーすることはとても楽しいです。ですが、サッカーは子供とプレーすることもできますからね(笑)。なので、身体やメンタルのことなどを考え、家族ともたくさん話をして、決断しました」

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現地記者に出場機会が減ったことも引退決断につながったかどうか尋ねられた長谷部は「それも理由の一つ」と返答。「今シーズンはあまりプレーしませんでした。出場しないとやはり体も重くなるものです。だからそれももちろん理由の一つです」と認めている。

昨年の契約延長の会見では冗談を交えながら、またエスコートキッズとして父とピッチに入場したがっている愛娘のためにも現役続行を決したと語っていた長谷部だが、今回の引退の決断はまだ娘には伝えていなかった模様。「娘にはまだ話していません。事前に話していたら、学校でほかの子供たちに喋っていたかもしれないので(笑)。すると、貴方たちの間で憶測が飛んでいたかもしれないです。だから後で家に帰ったら話します。でももう一度、娘と息子がエスコートキッズをやって、一緒に入場できればと思います」と続けた。

「家族と一緒にこれからもドイツで暮らすことは十分考えられます。ドイツは家族や僕にとっての第2の故郷です」

引退後の生活については、「そして、アイントラハトはもちろん僕のクラブです。親に会いに年に何回か日本へ行くこともあるでしょう。でもドイツはとても居心地が良いですし、コーチライセンス『B+』を取得しましたが、この指導者育成プログラムも非常に気に入っており、今後もドイツで講習会への参加を続けるつもりです」と話している。

まだ22年間にわたるプロ選手としてのキャリアを振り返る時ではないとも語る長谷部は「今は週末の試合、そしてブンデスリーガでの終盤戦に集中したい」と強調。「僕のキャリアについては、よかったらその後話しましょう」と笑顔を浮かべた。

現在6位につけるフランクフルトだが、長谷部としてはヨーロッパリーグ出場権を得られる6位以内をキープすることが目先の目標。「これからの4~5週間、何としても大きな目標を成し遂げたいと思っています。ライプツィヒ戦後にこのスタジアムでファンたちとともに祝いたいです」と現役ラストとして迎える5月18日のホームゲームが終わるまで、集中して戦い抜く構えを強調した。

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