2017-04-22-shimizu-Kaneko_Shota(C) Getty Images for DAZN

2万ゴールの清水MF金子翔太、“第二の故郷”被災地に「メモリアル弾を届けられたら」

明治安田生命J1リーグ第8節が4月21日に行われ、等々力陸上競技場では川崎フロンターレと清水エスパルスが対戦した。試合は2-2の引き分け。この試合で1点目を決めた清水MF金子翔太が、J1通算2万ゴール目を記録した選手として、Jリーグの歴史にその名を刻んだ。

清水の先制点は「狙い通りのカウンター」からの得点だった。14分、自陣右の鎌田翔雅が相手DFのパスをカットして右サイドの鄭大世につなぐと、その折り返しを走り込んだ金子が押し込んだ。得点場面については、「テセさん(鄭大世)からのいいクロスを押し込んだ」で、「チーム全員で取ったゴール」だったと振り返る。

J1通算2万ゴール目を狙っていたのかという問いには、「2トップの相方、テセさんが狙っているっていう感じだったんですけど、僕もしたたかには狙っていました」と回答。決まった瞬間の感想については「早い時間帯だったんですけど、他会場の結果も分からなかった」と言う。実際に記念ゴールを決めたことについて「まだ実感は湧いてない」と笑みを見せるも、「試合後のシャッターの多さ」に驚き、「改めて、すごいことなのだなと思った」と語った。

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金子は栃木県出身の21歳。2014年の清水加入までJFAアカデミー福島に所属し、2011年の東日本大震災も経験した。3月11日は中学の卒業式で、「式が終わって寮に帰ってみんなで卒業DVDを見ていた」最中に被災したという。「すごい揺れで、原発も近かった。目の前は地割れとか起きていましたし、近くの最寄りの駅なんかは流された。本当に辛い思いはしました」と回想する。今年1月にはプロ選手会の一員として“第二の故郷”福島を訪問。視察した福島第一原発についても「まだまだ現場はそんなに甘くなくて」と現状を目の当たりにし、「僕はサッカーでしかそういった朗報を届けられないんで、こういったメモリアルなゴールを届けられたら」と自身の2万ゴールが東北の人々の力になることを願った。

昨年は明治安田生命J2リーグ最終節で決勝ゴールを挙げ、チームのJ1昇格に貢献。今年は第4節にJ1初得点を記録し、3月30日に入籍するなど、公私ともに充実した印象を受ける。しかし、金子は「開幕から試合に出続けてますけど、チームとしてはまだまだですし、個人的にももっと点を取らないといけない。もっとチームに貢献しなきゃいけないと思っています。今日も内容的にはあまり良くなかったと思ってるので、もっといいパフォーマンスをできるように、これから積み重ねていきたいなと思っています」と、あくまでも謙虚な姿勢を崩さない。そして「二桁ゴールを決めるため、全試合に出場してチームの勝利に貢献する」ことが自分の目標だと続けた。

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