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スペイン2部・カディス所属DFファリの壮絶人生「16歳で14歳だった妻と結婚」「携帯は持っていない」「WiFiはよそから盗む」

リーガ・エスパニョーラ2部カディスに所属するDFファリの人生が、スペインで話題となっている。

バレンシア出身だが、移動型民族ジプシーの家系であるファリは、先に行われた現役選手によるフットボールのテレビゲーム大会で優勝。その際にスペイン『カデナ・コペ』のインタビューに応じたが、彼が繰り出していく発言は多くの人々を驚かすものだった。

現在26歳のカディスDFがまず語ったのは、テレビゲームの大会について。優勝するまでには、予想外のアクシデントがあったという。

以下に続く

「ゲームの機械なしで優勝したんだ。機械は果物屋のものだった。WiFiもないから、近所の人のものを盗んだ。あとテレビも壊れていた。娘がボールをぶつけてダメになった。ゲームの機械が壊れてしまって、ここカディスで友達になった果物屋が大会を終わらせるために貸してくれた。決勝を戦え、なおかつ優勝できて良かったね」

まるで“盛ってる”ような話ではあるが、ファリの仰天発言は止まらない。2015年にヒムナスティックと初のプロ契約を結んだときのエピソードは、次のようなものだった。

「なスティックから電話があって、タラゴナに行かなければならなくなった。父のワゴン車で行ったんだけど、僕たちは5~10ユーロ以上のガソリンを車に入れたことがなかった。僕たちはスクラップ屋の経営がすべてで、車もその仕事で使うだけだったから」

「でもタラゴナまで行くことになったから、父にガソリンを満杯にしなくちゃいけないと言ったんだよ。そうしたらガソリンのタンクが壊れちゃって、タンクの針が動かなくなった。だから、ガソリンが片道5時間の往復分あるのかどうか、途中でなくなって途方にくれるのかどうかが分からなくなってしまったんだ」

「そうしてタラゴナに着いたら、ナスティックの会長とスポーツディレクターが、ワゴン車で到着する僕たちを目にした。まず身長2メートルで、髪が尻のところまであって、さらにふくらはぎにレアル・マドリーのタトゥーをしている僕の叔父を見た会長が、『一体なんなんだ、こいつらは?』と口にしたよ。その後にスポーツディレクターが『ファリです。ナスティックの新加入選手ですね』って説明をしてくれたんだ」

「その後の帰り道、僕は代理人から金をもらわなきゃいけなかった。やっぱり帰り道分の費用が、少なくとも有料道路の通行料が足りなくてね。そう、あれが僕にとって初のプロ契約だった。それまで、金を受け取ったことなんて一度もなかったね」

ファリは2016年にヒムナスティックからバルセロナBにレンタル移籍。そこでは、まるでベテランのような振る舞いを見せたという。

「ナスティックではあまりプレーできず、そうしたらクソみたいな状況のバルサが僕のところにやってきた。バルサでプレーできるなんて夢にも思わなかったから、喜んで応じたよ」

「僕がバルサBに加わったとき、チームはリーガ2部B(実質3部)の最下位に沈んでいた。なのにロッカールームでは音楽をかけて踊っていたんだ。だから僕は『しかし、最下位でどうして踊っていられるんだ?』と言って、ラジオカセットをぶっ壊した。みんなが僕のことを見ていたよ。当時の自分は22歳だったけど、まるで35歳のようだった。僕は彼らに『諸君、僕たちは最下位に位置している。もし走らないやつがいたら、自分がぶちのめしてやる……』って言ってやったんだ」

「それから僕たちは無失点で7連勝を果たし、グアルディオラ、ルイス・エンリケが率いたチームの記録を破った。降格圏から脱出して、プレーオフ圏内にも手が届きそうだったね。そして翌シーズン、バルサから契約延長のオファーを受け取り、僕たちは2部に昇格を果たしたってわけだ」

ファリは自分の人生が、人々の興味を惹きつけるものであると語る。

「自分の人生は映画や本になる。これまでのすベての苦しみが強いメンタルを養うことに役立ったし、フットボールのピッチで勝ち点3を奪いたいなら、僕を殺さなくてはいけない」

「僕は16歳で結婚し、17歳で父親となり……、本当に苦しい人生を送ってきた。僕たちジプシーの結婚は早くて、当時の妻は14歳だった。かなり苦労を強いられてきて、今の自分は26歳だけど、まるで35歳のように感じる」

ファリは昨夏の移籍市場でカディスに移籍。リーガ2部の首位を走る同チームでレギュラーとしてプレーし、順調にキャリアを積み重ねている。だがゲーム大会のエピソード然り、ファリはファリらしく、その歩みを進めているようだ。携帯電話は、まだ持っていないという。

「もしゴールを決めたら、カディスの会長が携帯を買ってくれるんだってさ。僕は携帯もSNSも持っていない……。君たちが僕のことをもっと知ったら、『こいつは一体どこからやって来たんだ?』って絶対に言うはずだ。僕のこれまでの人生を知った人からはいつも、クレイジーって口にされるんだよ」

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