『Goal 50』

今年10周年を迎える『Goal50』。Goalの全37エディションに所属する記者が、世界最高の50名を決めるべく投票した。

50. トーマス・レマル

2015年夏にカーンから移籍し、モナコでの素晴らしい1年目のシーズンを過ごした。この1年、世界で最もエキサイティングなウィンガーとしての地位を確立したことに疑いの余地はない。

モナコがリーグ・アン優勝を果たした昨シーズンは9ゴールを記録した。彼の活躍に目をつけたアーセナルは今夏の移籍市場最終日に1億ユーロ(約132億円)のオファーを出した。そのオファーをモナコは退けたことが、レマルをどれだけ高く評価しているかを示している。

49. バス・ドスト

2016年夏に1100万ユーロ(約14億5000万円)の移籍金でヴォルフスブルクからスポルティングCPに移籍。昨シーズンはポルトガルリーグにおいて、31試合に出場して34ゴールを記録し、得点王に輝いた。

その活躍ぶりもあり、冬のエヴァートン移籍もうわさされている。『Goal 50』へは、初のノミネートとなった。

48. ナビ・ケイタ

世界のサッカー界に急速に頭角を現した一人。『Goal 50』に初めてノミネートを果たした。昨シーズンはRBライプツィヒの“心臓”として8ゴール7アシストを記録。ブンデスリーガで2位に入るセンセーショナルなシーズンを送ったチームをけん引した。

獲得を熱望したリヴァプールは、7000万ユーロ(約92億7000万円)もの高額な違約金の支払いを決断。22歳のギニア代表は、来シーズンからアンフィールドでプレーすることが決まっている。

47. ジエゴ・コスタ

2017年夏にチェルシーからアトレティコ・マドリーに復帰。アントニオ・コンテ監督の構想から外れたことばかりがクローズアップされがちだが、プレミアリーグ制覇に大きく貢献した事実は見落とされるべきではない。

チェルシーでリーグ20得点を挙げたストライカーが、『Goal 50』で3度目のランクインを果たした。

46. ダビド・デ・ヘア

3度目のランクイン。過去5年間で最も高いレベルのパフォーマンスを披露している。何かと過小評価される傾向にあるが、その素晴らしさは正当に評価されてしかるべきだろう。

ユナイテッドの守護神として昨シーズンはプレミアリーグで35回ゴールマウスに入った中、わずか29失点しか喫していない。約三分の一にあたる14試合ではクリーンシートを達成した。

45. マリオ・マンジュキッチ

ユヴェントスが2016-17シーズン前半戦に苦しんでいたことを忘れてはならない。今年1月にフォーメーションを4-2-3-1に変更して以降、マリオ・マンジュキッチは左ウイングのポジションをつかみ、そこからユーヴェの勢いは加速していった。

攻撃面はもちろんのこと、守備面でも多大なる貢献をし、クラブの国内2冠をもたらした。チャンピオンズリーグでも、準決勝、決勝という重要な一戦でゴールを決めている。

44. セサル・アスピリクエタ

起用されたポジションがセンターだろうと、サイドだろうと、常にチェルシーで最も信頼できる選手という地位を確立した。プレミアリーグを制する上で欠かすことのできない存在となり、そのパフォーマンスは傑出していた。

今シーズンにしても、新加入でスペイン代表でもチームメートであるアルバロ・モラタと素晴らしい相互理解を披露。攻撃面での貢献が、より一層光っている。起用されたポジションがセンターだろうと、サイドだろうと、常にチェルシーで最も信頼できる選手という地位を確立した。プレミアリーグを制する上で欠かすことのできない存在となり、そのパフォーマンスは傑出していた。

今シーズンにしても、新加入でスペイン代表でもチームメートであるアルバロ・モラタと素晴らしい相互理解を披露。攻撃面での貢献が、より一層光っている。

43. フィリペ・コウチーニョ

2013年にインテルからリヴァプールに加わって以降、その才能を存分に示してきた。特にこの一年でさらに上のレベルに到達したように感じられる。今夏の移籍市場でバルセロナが獲得を試みたのも頷ける。

昨シーズンはキャリア最高の13ゴールを記録。チャンピオンズリーグ出場権の獲得に貢献し、プレミアリーグをプレーしたブラジル代表選手の中で最多得点を挙げたプレーヤーにもなった。

42. ベンジャミン・メンディ

マルセイユからモナコへ1300万ユーロ(約17億2000万円)で移籍したわずか1年後に、5750万ユーロ(約76億2000万円)でマンチェスター・シティへ加入。この数字の変化が、急速に成長を遂げて世界最高の左サイドバックの一人となった証明と言えるだろう。

9月に入って不運なことに右膝の前十字靭帯を断裂という大ケガを負ってしまったが、11アシストを挙げた昨シーズンのパフォーマンスを振り返れば、“最高の50人”の一人にふさわしい選手であることに議論の余地はない。

41. ファビーニョ

かつては偉大な才能を持つ右サイドバックとして将来を嘱望されていた。しかし、今では主戦場を中盤の底に変え、その能力を遺憾なく発揮している。昨シーズンはリーグ・アン制覇に加え、チャンピオンズリーグで準決勝進出を果たしたモナコの中枢として活躍した。

長身でダイナミック、かつ冷静沈着なプレーが持ち味の24歳の周辺は常に騒がしい。長くマンチェスター・ユナイテッドとの接触がうわさされてきたが、今では1月の獲得を目指してパリ・サンジェルマンとユヴェントスが動いているという話も上がっている。

40. ゴンサロ・イグアイン

ユヴェントスが宿敵ナポリに対して9000万ユーロ(約119億円)の移籍金を支払ったとき、多くの論争が巻き起こった。怒りの入り混じった声を挙げた者も少なくなかった。

しかし、イグアインはその値札通りの価値があることを示してみせた。

国内2冠を達成し、チャンピオンズリーグでは決勝進出に貢献。準決勝のモナコ戦で決めた2ゴールを含め、シーズン32ゴールを叩き出した。

39.アレックス・サンドロ

『Goal 50』に初選出。レアル・マドリーのマルセロに次ぐ、世界で二番目に優れた左サイドバックに成長したと評価できる活躍ぶりだった。

特筆すべき縦への推進力で、ユヴェントスが遂げた躍進の原動力の一つとなった。今夏、チェルシーから受けた7000万ユーロ(約92億7000万円)のオファーをクラブが拒否したことも、納得の判断といったところだ。

38.マルコ・アセンシオ

ガレス・ベイルが本来のパフォーマンスをなかなか発揮できなかった中、レアル・マドリーのファンが不満をためていないのは彼の存在があるからだ。

まだ21歳。近年出てきたスペイン人選手の中で最も将来が期待されるプレーヤーだ。昨シーズンは白い巨人に10ゴールをもたらし、今季もスーペルコパ・デ・エスパーニャのバルセロナ戦ですでに二度もネットを揺らしている。

37.デレ・アリ

昨季は前シーズンに続いてPFA年間最優秀若手選手賞を受賞。プレミアリーグで前年を上回る18ゴールを決めたのだから、当然の受賞だった。

むしろ驚くべきなのは、若手選手賞以外の部門で彼の名前が挙がらなかったことだ。世界最高峰のリーグで最も危険な攻撃的なプレーヤーとしてトッテナムをけん引していたことを考慮すれば、さらなる栄誉が与えられても何らおかしくはなかったのだから。

36.マヌエル・ノイアー

負傷者リストに名を連ねた昨季は多くのフラストレーションと戦わなければならなかった。しかし、フィールドに戻ってくると、現代フットボールにおける最も優れた“スイーパーキーパー”であることを再び示してみせた。

『Goal 50』では5年連続の選出となった。アタッカー陣に注目が集まりがちな現代フットボールにおいて、その存在は眼を見張るものがある。

35.クリスティアン・エリクセン

現時点で最も過小評価されているフットボーラーの一人といってもいいかもしれない。

トッテナムがプレミアリーグを2位で終えた昨シーズン、中盤の司令塔として15アシスト8ゴールを記録。デンマーク代表としては、ロシア・ワールドカップ欧州予選6試合連続ゴールを記録し、プレーオフに導いた。

34.ロメル・ルカク

大器の片鱗を見せていた男の活躍は、片鱗だけにとどまらなかった。

エヴァートンでのラストイヤーに25得点を叩き出し、マンチェスター・ユナイテッドへ移籍。プレミアリーグでは最初の7試合で7得点を記録するなど、7500万ユーロ(約99億4000万円)の価値があることをすぐさま示している。

33.ダニ・カルバハル

スター選手が揃っているレアル・マドリーの中では決して目立つ存在ではない。しかし、ヨーロッパ王者の中で、なぜ彼がスタメンとして起用されているのか、という事実を注視するべきだろう。

大前提として守備が傑出している。自陣での活躍にとどまらず、チャンピオンズリーグでは計12回もアシストを記録している。決して目立たないプレーヤーとレアル・マドリーが2022年まで契約を延長したことは、当然の成り行きだ。

32.サディオ・マネ

2016年の夏、サウサンプトンに対して4100万ユーロ(約54億3000万円)を支払うという決断に疑問を抱いたリヴァプールファンは決して少なくなかった。しかし、ユルゲン・クロップにとって欠かせない選手となった今、皆がセネガル代表選手のクオリティに信頼を置いている。

光の速さでピッチを駆け回るウィンガーは、アンフィールド一年目でマージーサイド・ダービーにおける決勝点を含む13ゴールを奪取。久々となったレッズのチャンピオンズリーグへの帰還に貢献した。

31. ポール・ポグバ

当時、史上最高額となる1億500万ユーロ(約139億円)の値札がつけられた。当初、その額に見合うだけのパフォーマンスを披露することは容易ではなかったが、徐々に頭角を現すと、オールド・トラッフォードで確かな成功を収めるに至っている。

昨シーズンは9ゴール6アシストを記録。アヤックスとのヨーロッパリーグ決勝戦でも得点を決め、チームをリーグカップと合わせた“カップ・ダブル”の達成に導いた。

30.ラダメル・ファルカオ

マンチェスター・ユナイテッドとチェルシーへの悲惨なローン移籍を経て、昨年モナコに復帰。選手として最上級のフォームを取り戻し、キャリア最高の活躍をみせた。

リーグ・アンでは29試合に出場して21ゴールを記録。強敵パリ・サンジェルマンを抑えて優勝を手にした背景には、コロンビア人ストライカーの復活があった。

『Goal 50』へは、2013年以来、4度目の登場に。

29.ベルナルド・シウバ

フィジカルよりもテクニックに頼る時代への素晴らしき回帰だ。

リーグ・アンを制したモナコで攻撃のタクトをふるい、9アシストを記録。シルクのような滑らかさのスキルで世界中のフットボールファンの目を奪った。今夏、マンチェスター・シティのペップ・グアルディオラが5000万ユーロ(約66億2000万円)をかけて獲得したことも、決してサプライズではなかった。

28.ダビド・ルイス

チェルシーに復帰を果たした際、クラブが他にいた本命の獲得を失敗したことに伴う“パニック・バイ”をしたのではないかという憶測が広がった。

しかし、アントニオ・コンテのもとで守備陣における重要な役割を任せられると、最上級のパフォーマンスで期待に応えてみせた。コンテ監督自身が、タイトル獲得の原動力の一つとして、ルイスの存在を挙げている。

27.アレクシス・サンチェス

長らくマンチェスター・シティから興味を示されていること。それでいてなお、アーセナルが放出を許すことがないこと。この2つの事実だけみても、サンチェスが積み上げてきた評価の高さがうかがえる。

昨シーズン、チームはリーグ5位と低迷した。しかし、個人としては24ゴール11アシストという凄まじい成績を残し、存在の大きさを知らしめた。その力を発揮する場はリーグだけにとどまらず、FAカップ決勝のチェルシー戦では見事にマン・オブ・ザ・マッチに選ばれる活躍でトロフィー獲得に貢献した。

26.カセミロ

レアル・マドリーの中盤といえば、ルカ・モドリッチやトニ・クロースのような技術を持つ選手にすべての喝采が浴びせられるのかもしれない。しかし、彼らが活躍できるのはカセミロが試合を支配するためのベースとなるプラットフォームを提供しているからだ。

ブランコスの4バックにとって素晴らしいフィルターとなることに加え、試合の終盤に重要なゴールを決めることでしばしば周囲を裏切ってきた。とりわけ、チャンピオンズリーグ決勝のユヴェントス戦で挙げたゴールは、マドリーが連覇を達成する上で重要な価値を持つ得点となった。

25.ドリース・メルテンス

ナポリのマウリツィオ・サッリ監督によって“9番”にコンバートされると、才能が覚醒した。指揮官はメルテンスにワールドクラスのストライカーになる資質が備わっていることを、周囲がすぐに気づかなかったにガッカリしていたようだ。

アルカディウシュ・ミリクが負傷離脱した昨年10月にコンバートされ、セリエA29試合で26ゴールを記録。シーズン全体を通じて35試合に出場し、28ゴールを記録した。

24.ウスマン・デンベレ

1500万ユーロ(約20億円)でドルトムントに加入した1年後、1億500万ユーロ(約139億円)でバルセロナへ移籍し、一躍スターダムの道を駆け上った。

金額に関してはやや常軌を逸しているように感じられるかもしれないが、この20歳のウィンガーが築いたジグナル・イドゥナ・パルクにおけるデビューシーズンがセンセーショナルだったことは誰も否定できない。ブンデスリーガの年間最優秀新人賞を獲得し、DFBポカール決勝ではマン・オブ・ザ・マッチに選出された。

23.アントワーヌ・グリエズマン

『Goal 50』では3年連続の登場。アトレティコ・マドリーの驚異的な攻撃をほぼ単独でけん引するという重荷を担うが、足取りが重くなる気配はない。

昨シーズンは全体会を通じて26ゴールを記録。今オフにはマンチェスター・ユナイテッドへの移籍が騒がれた。(最終的にはクラブが課された補強禁止処分の影響によって残留。)フランス代表のキーパーソンでもあり、ロシア・ワールドカップ欧州予選では4度、ネットを射抜いた。

22.エディンソン・カバーニ

ズラタン・イブラヒモビッチがイングランドへ去ったことで、ついにパリ・サンジェルマンのセンターポジションを手にした。過去のキャリアと比較しても、最も実りの多いシーズンを過ごした。

昨シーズンは全大会を通じて50試合に出場して49得点をマーク。ウルグアイ代表では中心選手として激戦の南米予選を勝ち抜くことに注力し、母国をワールドカップ本大会へ導いた。

21. ズラタン・イブラヒモビッチ

時の流れに逆らう力が、彼には備わっている。

今年10月で36歳になったが、ユナイテッドで過ごしたファンタスティックな一年のおかげでまたしても『Goal 50』にノミネート。9度目の登場というのは、クリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシに次ぐ記録だ。

膝前十字じん帯の断裂によって下半期をほとんど棒に振ってしまったが、EFLカップ決勝の2ゴールを含むシーズン28得点という記録を見れば、ノミネートに異論の声は挙がらないだろう。ジョゼ・モウリーニョ監督が早々に再契約を望んだことも、チームへの貢献度と彼自身の価値の高さを示している。

20.ルイス・スアレス

過去7年間の『Goal 50』でこれまでに6度ランクイン、昨年は2位に輝いた。昨年よりも順位こそ下がったものの、昨シーズンもバルセロナとウルグアイ代表のエースとして多くの得点を挙げた。

バルセロナでは公式戦37ゴールを記録。2018 FIFAワールドカップ ロシア 南米予選では、本大会出場のかかった重要なボリビア戦で2ゴールを挙げ、母国を本大会へ導いた。

19.ロベルト・レヴァンドフスキ

昨シーズン、バイエルン・ミュンヘンは必ずしもトップフォームだったわけではない。しかし、レヴァンドフスキ個人には全く影響がなかった。

ブンデスリーガでは33試合に出場して30得点をマーク。2018 FIFAワールドカップ ロシア 欧州予選では、クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)を上回る16得点を上げ、最多得点を記録した。

18.ピエール=エメリク・オーバメヤン

ボルシア・ドルトムントのエースは昨シーズン、ブンデスリーガで32試合に出場して31ゴールを記録。ロベルト・レヴァンドフスキを抜き、得点ランクトップの座に君臨した。DFBポカール決勝でも輝きを放ち、フランクフルト相手に決勝ゴールを決めてタイトルをもたらした。

今夏、巨額の移籍金とサラリーのアップがうわさされる中、クラブへの残留を決断。

17.ハリー・ケイン

トッテナムのエースストライカー。プレミアリーグで3年連続20ゴール以上を記録する超人的なプレーヤーだ。

イングランド代表としても十分過ぎる仕事ぶりを披露している。30試合で29ゴール。世界最高峰の点取り屋であることに疑いの余地はない。以前は一過性の好パフォーマンスだと見られていたが、すでに過去の話。現在はレアル・マドリーへの移籍がうわさされるなど、欧州中、世界中から注目される選手になっている。

16.チアゴ・アルカンタラ

バイエルン・ミュンヘンの元指揮官、カルロ・アンチェロッティ監督はたくさんの間違いを犯したかもしれないが、チアゴ・アルカンタラのポジションを一つ上げた決断は見事だった。

トップ下で起用されると、キャリアで最高のシーズンを送った。敵陣でのパス数は1393本で、昨季ブンデスリーガでトップを記録。さらに、パス成功率も87.3%でリーグトップという輝かしい成績を残した。

15.レオナルド・ボヌッチ

ユヴェントス所属時代……特に昨シーズンは最高のパフォーマンスを示した。

卓越した守備能力に加え、深い位置からのゲームメークとピンポイントパスの供給を行い、最終ラインから攻撃に貢献。5得点という、目に見える結果も残した。コッパ・イタリア決勝のラツィオ戦では決勝点となる2点目を決め、UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝のバルセロナ戦では完封勝利の立役者となった。

14.ダニエウ・アウベス

昨シーズン、コッパ・イタリア決勝で先制点を挙げて国内2冠の中心的役割を担い、モナコと対戦したUEFAチャンピオンズリーグ準決勝では2戦合わせて1ゴール3アシストの活躍を見せた。バルセロナがユヴェントスに自由契約で彼を移籍させてしまったことは、クラブ史に残る最大のミスだった、と言えるだろう。

今シーズンから再び活躍の場を移し、パリ・サンジェルマンで新たなキャリアを築いている。

13.イスコ

頭の回転が早く、繊細な技術が持ち味。昨季後半に突出したパフォーマンスを披露した。UEFAチャンピオンズリーグ決勝では、ケガから復帰したガレス・ベイルが出場できる状況だったにもかかわらず、スタメンに抜擢されたほどだ。

リーガ・エスパニョーラではスポルティング・ヒホン戦のゴールを含む重要な得点を幾度も決め、CL準決勝のアトレティコ・マドリー戦でも決定的な得点を奪った。その活躍ぶりから、イタリア代表MFのマルコ・ヴェッラッティに「ワールドカップで、スペイン代表のキーマンになるだろう」と言わしめたほどだ。

12.エデン・アザール

2015-16シーズン、低調なパフォーマンスでクラブの成績と自身の名声を地に落としてしまった。

しかし昨シーズン、アントニオ・コンテ新監督のもとでキーマンに抜擢されると、再び輝きを取り戻した。卓越したドリブルとパスセンス、そして決定力を遺憾なく発揮し、リーグ戦では16ゴール5アシストを記録。プレミアリーグの奪還に大きく貢献した。

11.マルセロ

昨季、リーグ制覇とUEFAチャンピオンズリーグ優勝の二冠を果たしたレアル・マドリーに欠かせないプレーヤーだ。リーグでは10アシストをマーク。そのうちの4つはクリスティアーノ・ロナウドのゴールをアシストしたものであり、もはや以心伝心とも呼べる息の合ったパフォーマンスを披露している。バレンシア戦における決勝点を含め、優勝争いの中で大きな仕事を成し遂げた。

今や世界最高の左サイドバックという評価をほしいままにしている。サイドバックというポジションの重要性を知りたいのなら、マルセロのプレーを見ればいい。

10. トニ・クロース

「史上最もお買い得だった選手」であることを証明し続けている。バイエルン・ミュンヘン時代、ジョゼップ・グアルディオラ監督のもとで試合のリズムを作るミッドフィルダーとして類まれな才能に磨きをかけ、2500万ユーロ(約33億円)でレアル・マドリーへ向かった。

2014年のワールドカップ優勝に貢献し、昨シーズンは、ドイツ人選手として初めて、3度目のチャンピオンズリーグ制覇を達成。決勝では、またしてもルカ・モドリッチやカゼミーロと見事に連携し、ユヴェントスを寄せ付けなかった。ラ・リーガにおいても働きぶりは変わらず、12アシストを記録。セビージャ戦やセルタ戦といったシーズン終盤の重要な試合でゴールを決める勝負強さも見せた。

9. パウロ・ディバラ

アルゼンチン代表において「リオネル・メッシの後継者」と言われて久しい男が、ついに国際舞台で真の華々しいデビューを飾った。UEFAチャンピオンズリーグの準々決勝、ユヴェントスがバルセロナを3-0と粉砕した試合では、同胞のメッシより輝かしい活躍を示したのである。

セリエAとコッパ・イタリアの二冠、さらにCL準優勝という輝かしいシーズンを送ったユヴェントスの中枢は「宝石」の愛称にふさわしい活躍を、今後も続けていくことだろう。

8. エンゴロ・カンテ

イングランドに来て、まだわずか2年。しかし、いずれのシーズンでも優勝メダルを手にしたことが、彼の優秀さを物語っている。

移籍の際、レスターは3200万ポンド(約47億7000万円)を要求したが、チェルシーはその額を決して高いとは感じなかったはずだ。それどころか、ピッチ上で相手のチャンスの芽を摘み取ることで“タダ同然”だったことを証明してみせた。エデン・アザールら、前線のプレーヤーがその才能を存分に発揮できた背景には、後方でチームに安定感をもたらす彼の存在があった。

シーズン終了時、PFA、FWA、プレミアリーグの年間最優秀選手賞を受賞し、個人タイトルを総なめにしたことは、何らおかしな出来事ではない。

7. キリアン・ムバッペ

ティエリ・アンリを抜き、ASモナコにおける最年少出場選手、かつ最年少得点記録を持つ。このワンダーボーイが、特別な才能の持ち主であることは明らかだ。

恐れ知らずにしてジェット機のように速いティーンエイジャーは、リーグ・アンで15得点11アシストを挙げてモナコに17年ぶりの優勝をもたらした。さらに初出場のチャンピオンズリーグで、決勝トーナメントの6試合で6得点をマークした。

元フランス代表FWルイ・サハは、新たにパリ・サンジェルマン入りを果たしたスピードスターを、18歳のときのアンリよりも上手いと語る。リュドヴィク・ジュリは、同じ年齢のメッシよりも成熟していると主張する。だが、ユヴェントスDFアンドレア・バルザーリの言葉が最も端的に表現しているだろう。彼はこれらの比較が無意味だと言い放ち、「ムバッペのような選手は見たことがない!」と絶賛した。

6. ネイマール

2年連続で『Goal 50』の6位に選ばれ、連続7回目の選出となるブラジル代表クラック。バルセロナとの契約における買い取り条項の2億2200万ユーロ(約294億円)をパリ・サンジェルマン(PSG)が支払ったことで、世界で最も高額な選手となった。

この金額を滑稽だという意見も少なくないが、PSGがそこまでして獲得を実現させた理由は容易に理解できる。昨シーズンはバルセロナの一員としてPSG戦における大逆転劇のヒーローになった。史上最も鮮烈な逆転劇を演出したのは、間違いなく彼だった。

カンプ・ノウで最高の攻撃トリオ“MSN”の一角を担った男は、活躍の場をパリに移した今、新たな“最強のトライアングル”を形成している。キリアン・ムバッペ、エディンソン・カバーニとのコンビネーションは日に日に向上。今後、より重要な試合でその破壊力を存分に発揮していくことだろう。

5. セルヒオ・ラモス

フットボールの歴史上。彼ほど攻守において見事なプレーを見せるディフェンダーは皆無だ。

昨シーズンはキャリア最多となる公式戦10得点を記録。1958年のフアン・アロンソ以来となる、ラ・リーガ制覇とUEFAチャンピオンズリーグ優勝の2冠をレアル・マドリーにもたらした。

40戦無敗の最中にバルセロナで行われたクラシコでは貴重な引き分けをチームにもたらし、ラ・リーガのレアル・ベティス戦、チャンピオンズリーグのナポリ戦などの重要な試合でゴールを決めた。

『Goal 50』では過去最高位の5位にランクイン。計7回目のランキング入りは、ディフェンダーとしては過去最多である。31歳ながらまだまだキャリアの終わりが見えてこないのは、今なお成長を続け、自身の価値を証明し続けているからだろう。

4. リオネル・メッシ

バルセロナにとって、2016−17シーズンは厳しいシーズンとなった。勝ち取ったタイトルはコパ・デル・レイのみ。偉大なクラブにとって不本意な一年であったことは間違いない。

もっとも、だからといってリオネル・メッシの評価を不当に下げることはないはずだ。少なくとも個人の成績は今までと変わらない素晴らしいものだった。

2017年、バルセロナでもアルゼンチン代表でも、彼以上に得点を決めた選手はいない。さらに付け加えるなら、サンティアゴ・ベルナベウのレアル・マドリー戦で2ゴールを決めてバルサに衝撃的な勝利をもたらし、ワールドカップ南米予選ではエクアドル戦でハットトリックを達成。母国アルゼンチンに自力での本大会出場をもたらすという、偉大すぎるパフォーマンスをやってのけた。

ラ・リーガで34試合のみの出場ながら37得点(=1試合平均1得点以上!)を決めてゴールデンシューズを獲得したことも、見逃してはならない。

3. ルカ・モドリッチ

元ミランのレジェンド、アンドリー・シェフチェンコが「史上最高のミッドフィールダーの一人」と称した事実に、賛同せずにはいられない。

レアル・マドリーが獲得のために支払った3000万ユーロ(約39億7000万円)は、今となっては取るに足らない額だったと言える。現時点で最高のプレーメーカーであり、彼がいるかいないかによってチームが全く別のチームになってしまう。それほど、白い巨人にとって重要な選手になっているのだ。

UEFAチャンピオンズリーグ決勝を思い出してみよう。ハーフタイムに入った時点で、試合は1−1だった。しかし、このクロアチア代表のテクニシャンが後半に入ってからピッチ上を完全にコントロールした結果、タイムアップが鳴り響く頃には「4−1」に変わっていた。

彼は他のほとんどの選手とは異なる知的水準でプレーしている。通常の人間では持ち得ない魔力を持った魔法使いのように、フィールドを支配する。『Goal 50』の表彰台に立つにふさわしい選手なのだ。

2. ジャンルイジ・ブッフォン

2016年の時点で、そのキャリアは「伝説的」と表現できる記録と記憶に満ちていた。

しかし、2016-17シーズンはその中でもベストと表現できる一年であった。6年連続のスクデット獲得とコッパ・イタリアの制覇、そしてUEFAチャンピオンズリーグでは惜しくも決勝でレアル・マドリーに敗れたものの、堂々の準優勝を果たした。

特にチャンピオンズリーグでは決勝までにわずか3失点しか許さず、600分間も無失点を継続するという信じられない記録を打ち立てた。

悲願にはあと一歩届かなかったが、その活躍が色褪せることは決してない。

1. クリスティアーノ・ロナウド

現代フットボールの最高傑作。常にリオネル・メッシとタイトルを争ってきた美しきゴール製造機が、2年連続で『Goal 50』の頂点に輝いた。通算では5度目の快挙である。

レアル・マドリーが優勝を果たしたラ・リーガでは29試合に出場して25得点を記録。これだけでも素晴らしい成績だが、その才能を遺憾なく発揮した舞台は別にあった。今までもそうであったように、彼には大舞台が似合う。

UEFAチャンピオンズリーグの決勝トーナメントではバイエルン・ミュンヘンとアトレティコ・マドリーを相手に連続してハットトリックをマーク。ユヴェントスとの決勝戦でも2得点を決め、ビッグイヤー獲得の原動力となった。

進化を続けるCR7。その活躍から、まだまだ目が離せない。