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コラム:CR9はレアルの歴史に名を刻めるか?

6日の夜、サンチャゴ・ベルナベウはまるでチャンピオンズリーグで10度目の優勝を成し遂げたかのような熱気に包まれていた。主役のクリスティアーノ・ロナウドが新シーズンのユニフォームでスタジアムに現れると、満員のサポーターから大声援が送られた。

背番号は9。マンチェスター・ユナイテッドでは、デイビッド・ベッカムやジョージ・ベスト、エリック・カントナも背負った栄光の背番号7を身にまとったが、レアル・マドリーでは(ブラジルの)ロナウドにウーゴ・サンチェス、もちろんアルフレッド・ディ・ステファノもつけた番号を担うことになった。

同じくユナイテッドからレアル入りしたベッカム同様、選手として一流なだけでなく、ピッチを離れても破格のロナウド。商業面では、文句なしのギャラクティコだ。雑誌の表紙を飾り、CMにも出演、グッズは売れる。背番号が9に変わったのを受け、自身のブランドも『CR7』から『CR9』に商標変更。スポーツ界の枠を超えても象徴的な存在だ。

一方でロナウドには批判的な意見もつきもの。かつてラモン・カルデロン前会長がベッカムをB級の役者だと揶揄(やゆ)したが、ロナウドはわずかな接触でもおおげさに倒れる姿からオスカー俳優と呼ばれている。また、自分を売り込みたいだけのエゴイストだと非難する人も。サポーターに自分の名前を呼んでもらうためだけに、テクニックを見せつけているというわけだ。

なかにはいわれなき批判もある。実際、若きポルトガル代表は単なるハンサムなプレーヤー以上の存在である。好きでも嫌いでも、CR9の才能は疑いようがない。

フロレンティーノ・ペレス会長の下、新生ギャラクティコの中心メンバーとして期待されているロナウド。24歳にしてすでにFIFAとFIFProの年間最優秀選手にバロンドール、ヨーロッパリーグ全体の得点王をはじめとして、個人タイトルをほぼ総ナメにしている。

しかしいくら個人タイトルを増やしても、チームが栄冠をつかめなければ意味がない。その点でもロナウドは抜きん出ている。ユナイテッドではプレミア3連覇に貢献し、FIFAクラブワールドカップやチャンピオンズリーグでも頂点に立った。個人レベルだけでなく、チームレベルでも大きな栄冠を手にしている。

果たしてレアル・マドリーでどれだけの成功を収められるのか? イングランドであれだけ印象的なプレーをしていたのだから、スペインでもさらに輝けるに違いない。フィジカルな戦いやダイレクトプレーが多いのが特徴的なプレミアに対し、リーガ・エスパニョーラはテクニック重視で、巧みで華麗なプレーの宝庫とされている。当たりの強いプレミアでの経験はリーガでプレーするロナウドにとってプラスになるだろうし、巧みなボールコントロールや豊かな創造性はスペインにぴったりだ。

それでも、レアル・マドリーの輝かしい歴史に名を刻むほどの活躍はできるのか? 24歳とキャリアのピークはこれからで、リーガのディフェンダーを苦しめるのは間違いないが、偉大なスターたちを数多く輩出してきたサンチャゴ・ベルナベウで、伝説になれるのか?

大胆にもレアル・マドリー史上ナンバーワンのプレーヤーになりたいと言ってのけたCR9。確かにユナイテッド時代、在籍6シーズンで取れるタイトルはすべて取った。ただ、仮に彼が新天地で同じような活躍をしたとしても、マドリー史上最高の選手と認めてもらえるかどうかは疑わしい。

新天地では、カカー、ベンゼマ、ラウール、カシージャス、セルヒオ・ラモス、イグアイン、アルビオルといったメンバーと一緒にプレーすることになるロナウド。さらなるビッグネームが加わる可能性もあり、いくらロナウドでもギャラクティコの一員という立場に過ぎなくなる。

もちろんこれまでもユナイテッドで世界屈指のプレイヤーと一緒にピッチに立ってはいたが、実際にワールド・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーを取った選手やこれからその栄冠を狙っている選手とチームメイトになるのは、ロナウドにとって新たな挑戦だ。

加えてレアルにはラウルやウーゴ・サンチェス、プスカシュにディ・ステファノと、時代を超えたビッグネームが存在している。彼らに取って代わるには、10度目に限らず、11度、12度目のチャンピオンズリーグ制覇に貢献するというより、自らの足でそのような栄冠をもたらす活躍が求められる。マドリー史上最高の選手になりたいなら、リーガを何度も制覇し、コパ・デル・レイ、チャンピオンズリーグと合わせて三冠を成し遂げることだ。

ちなみにラウルは昨シーズン、ディ・ステファノを抜いてクラブ史上最多得点者になり、チームの象徴としての地位をさらに強固なものとした。そんなキャプテンに肩を並べたいなら、ロナウドは彼から背番号7を奪う勢いで臨む必要がある。

手始めにレアルでの300ゴール達成から。なかなか難しいだろうが、ユナイテッドで1シーズン42ゴールを挙げたときのプレーができれば、到達できないことはない。

6日の入団発表では8万人を超えるサポーターがサンティアゴ・ベルナベウを埋め、1984年にディエゴ・マラドーナがバルセロナからナポリに移籍した際の7万5000人を上回った。入団早々、記録を塗り変えたロナウド。これからもその調子で行けるのか、注目である。

Cyrus C. Malek、Goal.com