クラブW杯チーム紹介(4):モンテレイ(北中米カリブ代表)

2年連続出場のメキシコの雄
2012年クラブ・ワールドカップ(W杯)が6日から16日まで日本で開幕される。出場クラブの紹介、第4回の今回は北中米カリブ代表として出場するメキシコのモンテレイ。昨年の大会にも出場し、柏レイソルと好勝負を演じたことは記憶に新しい。

歴史
設立は1945年の第二次大戦終了直後。メキシコの中でも特に野球が盛んな都市のひとつであるモンテレイを代表するクラブとして、その2年前から開始されたメキシコ・プロリーグに参加すべく誕生したクラブだった。しかし悲劇的なバス事故のため数人の選手が命を落とし、チームは1952年までリーグ参加を辞退することを余儀なくされる。ようやくトップリーグへの昇格を勝ち取ったのは1956年のことだ。

「ロス・ラヤードス」はその後も不安定な数十年間を過ごしたが、1980年代には力強い戦いぶりを見せ、86年に初のリーグタイトルを獲得。2003年にはダニエル・パサレラがチームを2度目のタイトルに導いた。近年はビクトル・マヌエル・ブセティッチ現監督のもと素晴らしい躍進を果たし、2009年と10年にリーグ優勝を成し遂げるとともに、11年と12年にはCONCACAFチャンピオンズリーグ優勝のタイトルも獲得した。
戦術&プレースタイル
ビクトル・マヌエル・ブセティッチ監督はモンテレイで統率の取れた攻撃的スタイルを作り上げてきた。経験豊富なMF陣が中盤のポゼッションを高める役割を担い、前線の2人のストライカーにチャンスを生み出す。

中盤には豊富なオプションが用意されているため、ブセティッチ監督は中央で多くのパスをつないで前へ向かう攻撃スタイルと、ウイングを使ってスターFWであるウンベルト・スアソとアルド・デ・ニグリスへクロスを送ることに重点を置くスタイルとを使い分けることができる。守備では堅実な4人のラインを敷くのが標準的だ。
スター選手:ウンベルト・スアソ

チリ代表FWのスアソは過去5年間の大半にわたってモンテレイの誇る宝石であり、攻撃の主役として活躍してきた。公式戦通算100ゴールを達成した彼は、クラブの67年間の歴史の中での歴代最多得点者となった。

31歳にしていまだ爆発力を維持するスアソのボディコントロールや、短い距離で加速する際のパワーとスピードは、あらゆる守備陣にとって悪夢のような存在となる。ペナルティーエリア内からの得点力にも外からの得点力にも優れている。クラブW杯でモンテレイと対戦する相手チームは、確実にスアソの突進を止められるようにしなければならない。

チームの象徴:アルド・デ・ニグリス

モンテレイのチーム内でもファンの間でも崇拝されている選手だ。兄のアントニオ・デ・ニグリスが欧州でプレーする最高のメキシコ人選手として活躍していた頃、弟のアルドも頭角を現してきた。ギリシャでプレーしていた兄が心臓発作のため命を落とすと、アルドは彼の遺志を継ぎ、自らのプレーを兄に捧げることを決意した。その数カ月後、アルドを中心とするチームは見事な快進撃を見せてリーグ優勝を飾った。

現在はチームの副キャプテンを務める。スアソをサポートするセカンドストライカーとしてプレーする見通しだが、メキシコ代表FWである彼自身もゴール前でのプレーは苦手ではない。国内リーグでは計50ゴール以上を記録している。

注目の若手:ヘスス・コロナ
レギュラー陣の負傷によってモンテレイのメンバーに名を連ねるようになった19歳のコロナは、その危機的な状況が過ぎ去った後でもスタメンに残る力があることをビクトル・マヌエル・ブセティッチ監督に対して証明してきた。

右ウイングだとされるコロナだが、モンテレイでは主にウイングバックとして起用され、ピッチを駆け上がるスピードとセンスの良さを見せてきた。バックラインに急遽コンバートされたとはいえ、これまで守備面の仕事でも欠点は見せていない。
こぼれ話

  • モンテレイが現在身に着ける青と白の縦縞の1stユニフォームはもともと、1960年代に同じようなユニフォームを着用していたメキシコリーグのチーム、タンピコ・マデロを参考としたものだった。
  • ビクトル・マヌエル・ブセティッチ監督は、1989年からこれまでの長いキャリアの中で、13試合の決勝戦を戦って12度勝利している。サントス・ラグーナが2012年のリーガMXファイナルでモンテレイを破って彼の連勝記録を途絶えさせた。
  • モンテレイはCONCACAFチャンピオンズリーグが現行の方式になってから初めて連覇を達成したチーム。以前のCONCACAFチャンピオンズカップの時代には、パチューカが2007年と08年に連覇を果たして2年連続でクラブW杯に出場している。

予想フォーメーション

リーガMXのシーズン終盤にかけて、モンテレイは怪我人の発生やチーム内の不和に苦しみ、ブセティッチ監督は有能ではあるが問題児のMFアンヘル・レイナをスタメンから外すことになった。レイナは結局クラブW杯の登録メンバーからも外れている。

したがってクラブW杯では、国内リーグ終盤戦のメンバーに手を加えたラインナップが起用されることになる可能性が高い。


Monterrey
オロスコ
ペレス, バサンタ, ミエル, チャベス
カルドソ, アジョビ, モラレス, デルガド

デ・ニグリス, スアソ

文/エリック・ゴメス