【予想】クリンスマン監督の解任によってアメリカ代表はどう変わる?/コラム

成績不振によって解任が発表されたアメリカ代表のクリンスマン監督。「お気に入り」の選手はきっと責任を感じているが、そうでない選手にとってはチャンス?

アメリカサッカー協会は21日、同国代表を5年にわたって指揮してきたユルゲン・クリンスマン監督の解任を発表した。今月行われた2018年ロシアワールドカップ北中米カリブ海地区最終予選でメキシコとコスタリカに連敗したことで解任が噂されていた。

選手の好みがはっきりとしているクリンスマン監督。以前から、「どの監督にも好みの選手とそうでない選手がいる」と話していて、アメリカ代表監督在任中も選手選考には選手のパフォーマンスだけでなく、自身の好みが反映されているとみられることがしばしばあった。

クリンスマン監督が解任されたニュースが発表されたばかりだが、すでに後任となる人選について様々な憶測が飛び交っている。しかし、誰が監督になろうとも、アメリカ代表としてプレーする権利を持つ選手たちは、代表に選出されるために再び一からのアピールが求められることとなる。当然クリンスマン監督に「気に入られていた」選手たちは代表での座が危うくなるかもしれない。一方でそうでなかった選手たちは息を荒くしてアピールの機会を待ちわびているかもしれない。ここではクリンスマン監督の解任で代表の座が危うくなる選手と、代表でのチャンスを得る選手を予想し、まとめてみた。

■代表の座が危うくなる選手

MF:ジャーメイン・ジョーンズ(コロラド・ラピッズ)

ジョーンズはクリンスマン監督が就任以来重宝してきた選手である。35歳になったこのドイツとアメリカのハーフのセントラルMFは、まだ代表で活躍できる実力を持つものの、その自由奔放なプレースタイルはとても扱いやすいとはいえず、新しく就任する監督は、ほかの若い選手を彼のポジションで試すこととなるだろう。

DF:ティモシー・チャンドラー(フランクフルト)

チャンドラーは常に代表チームでのパフォーマンスを批判されてきた。サポーターにとって、所属クラブで見せるパフォーマンスからは程遠い代表チームでのプレーはしばしば怒りの種となってきた。もしかしたら新しい監督は、クリンスマン監督よりも彼が能力を発揮できる役割を彼に与えられるかもしれない。しかし新しく就任する監督が、彼の代表チームでのこれまでのパフォーマンスを少しでも知る監督ならば、彼ではなく他の選手を試すだろう。

FW:クリス・ウォンドロウスキ(サンノゼ・アースクエイク)

怪我さえなければ11月の連敗したワールドカップ予選にも彼は招集されていただろう。MLSでは依然としてトップクラスのストライカーであるし、たしかにロッカールームでの存在感も評価できる。しかしこのポジションには優秀な選手がほかにも多数いて、今まで国際大会でインパクトを残す活躍を見せることができていないもうすぐ34歳になるこのストライカーにいつまでも枠を用意するのは、無駄なことだろう。

FW:ユリアン・グリーン(バイエルン・ミュンヘン)

バイエルン・ミュンヘンに所属するこの若手ストライカーはここ数年で技術も体格も随分と大人びた。しかし彼は依然としてトップチームで十分な出場機会を得るに至っておらず、新しい監督は代わりに、よりトップチームでの出場機会を得ているストライカーを招集するだろう。クリンスマン監督は、FWボビー・ウッドの例をはじめ、伸び悩む若手選手を使い続けて成長させてきた自負があったのかもしれないが、新監督に求められるのは結果で、若手選手の育成はひとまず後回しになるだろう。

■代表でのチャンスを得る選手

MF:マイケル・ブラッドリー(トロントFC)

クリンスマン監督とブラッドリーはお互い、代表チームでキャプテンを務めるブラッドリーの実力をいかに引き出すことができるか真剣に考えたことがない様子で、きっとそれが近年代表チームでブラッドリーがパフォーマンスを低下させていた主たる要因だろう。クリンスマン監督はブラッドリーの代役を考え始めていただろうが、新しく就任する監督はただ単にこの選手の能力を引き出せる戦術を採用するかもしれない。

DF:デアンドレ・イェドリン(ニューカッスル・ユナイテッド)

一時は若手の有望株としてクリンスマン監督から期待され、チャンスをもらっていたが、最近はニューカッスルでの高パフォーマンスには目もくれず、右サイドバックのポジションを安心して任せられる存在として見られていないようであった。クリンスマン監督は英2部への移籍を気に入らなかったようだが、新しい監督は所属チームにこだわらず、彼をスタメンのファーストチョイスに戻すだろう。

DF:マット・ヘッジズ(ダラスFC)

今年のMLSでリーグ最優秀ディフェンダーに輝いたヘッジズだが、クリンスマン監督はこの長身CBを去年の1月の代表選考キャンプで一目見ただけで、リーグ戦の活躍を無視して声をかけてこなかった。新しい代表監督として噂されるLAギャラクシーのブルース・アリーナ監督は、対戦相手として間近で見てきたヘッジズをまず代表で試してみるだろう。

DF:エリック・リーハイ(ノッティンガム・フォレスト)

クリンスマン監督がチャンピオンシップ(英2部)をいかに軽視しているかを象徴する実例が彼であり、イェドリンがニューカッスル移籍によってスタメンの座を追われたことで実証された。リーハイはここ数年にわたってノッティンガム・フォレストのスタメンに名を連ね続けてきている選手で、それと同時にクリンスマン監督に見落とされ続けてきた選手である。新しい監督はこの左右両サイドをそつなくこなす万能なサイドバックを招集せざるを得ないだろう。

MF:ダニー・ウィリアムス(レディング)

カイル・ベッカーマンが負傷により11月のワールドカップ予選を欠場することが決まったでもなお、ウィリアムスが代表チームに呼ばれることはなかった。ウィリアムスはレディングに移籍して以来、好パフォーマンスを見せ続けているが、代表チームに呼ばれる機会はむしろ減った。彼は間違いなく守備的な中盤のポジションで代表チームに食い込む実力を持った選手であり、長期的に代表の中軸を担っていく可能性を秘めている。