中国サッカーレポート:深まるアフリカとの関係

ネーションズカップにも中国クラブから5人が出場
このコラムの読者の皆さんなら、次の質問の答えを当てるのは簡単だろう。2013年アフリカ・ネーションズカップに、最も多くの選手を送り込んでいるアジアのリーグはどこだろうか? 答えはもちろん中国だ。出場選手のうち5人が中国スーパーリーグ(CSL)でプレーしている。マリのケイタ、ザンビアのカトンゴ、チャンサ、チャマンガ、そして(今週までは上海申花に所属していた)コートジボワールのドログバの5人が、南アフリカの地で栄冠を目指して戦っている。

アフリカと中国との密接な関係は、両者の間に経済面での一大ブームを巻き起こしているが、その関係は経済だけにはとどまらない。サッカーにおいても関係が強化されつつあり、近い将来にも予想以上の大きな果実を生み出すことになるかもしれない。

中国サッカーとアフリカ大陸とのつながりは、ネーションズカップの出場選手だけではない。広州富力のヤクブや北京国安のフレディー・カヌーテも含めて、現在10人のアフリカ人選手がこのリーグに登録されている。降格した河南建業には『BBC』選出によるアフリカ年間最優秀選手を受賞したクリストファー・カトンゴが在籍するなど、ガーナ、コートジボワール、マリ、モザンビーク、ナイジェリア、セネガル、ザンビアの選手が中国のトップリーグに所属している。

2012年8月15日まで少し時間を巻き戻してみれば、中国代表とガーナ代表の親善試合が開催された。1-1の引き分けに終わった試合は決してビッグゲームではなかったが、試合翌日の『BBC』は両国の間に「相互発展契約」が結ばれたことを伝えている。ガーナサッカー協会は中国における若手選手の育成を支援することで合意し、中国の側からはかつて女子ワールドカップの決勝進出を果たしたメンバーがガーナの女子サッカーの発展に協力するとのことだ。国内リーグにおいては、ガーナのアクラ・ハーツ・オブ・オークと中国の北京国安が姉妹チームとしての協力を開始し、両国におけるサッカーの発展に協力し合うことを約束している。

CSLでは何人かのアフリカ人選手が大きな活躍を見せている。ヤクブは広州富力で昨シーズン14試合に出場して9ゴールを記録。だが、知名度では劣るとはいえ、中国サッカーへの貢献という点ではジェームズ・チャマンガなどの選手たちの方が大きいと言うべきだろう。CSLで100試合以上に出場しているチャマンガは、クラブの状態が不安定な大連実徳から、最近遼寧宏運に引き抜かれた。

「お金だけで幸せになることはできない。僕が中国の人々から受け取ったのは、愛情や幸福や誠実さや温かさだった」とヤクブは広州への移籍後に『BBC』に対して語った。

中国でプレーするアフリカ人選手の数は常に変動している。記事執筆の時点で、杭州緑城はモルデFK(ノルウェー)からコートジボワール人FWダヴィ・アンガンの獲得を発表したし、遼寧宏運では元ハル・シティのギニア人カミル・ザヤッテがトライアルを受けている。大連阿爾濱のピーター・ウタカの弟のジョン・ウタカは北京国安入りが噂されている。逆にモザンビーク代表のシモンはまもなく山東魯能を離れることになるかもしれないし、中国でのプレー歴の長いナイジェリア人ガブリエル・メルカムは降格した青島中能からの移籍先を探している。

そして2013年に入ると、アフリカで最も有名なスター選手の一人が中国に別れを告げた。加入が決定して地元サポーターの熱狂を呼んだ時と同じくらいの突然さで、ディディエ・ドログバは上海申花からガラタサライへ去っていった。河南のアイザック・チャンサに関しても、チームの降格により去就は不透明だ。「クラブと話をしたし、彼らは皆僕の残留を望んでくれている。いずれにしても(ネーションズカップが)終わってからのことだ」と彼は『kickoff.com』に対して語った。

もう一つ、アフリカと中国の関係に関して興味深い例は、ガーナ生まれの香港代表選手FWゴッドフレッド・カリカリだ。彼はカトンゴ、チャンサとともに河南でプレーしている。香港で10年間を過ごした彼は、2011年に香港のIDカードを取得し、その1年後に正式に国籍を変更した。外国人選手枠に縛られなくなったこともチームにとっては大きい。

「ガーナ政府に手紙を書き、できるだけ早く書類を出してもらえるよう頼んだ。香港代表でプレーするのは僕の夢だった」と、27歳のカリカリは『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』に対して話している。

ヤクブやケイタが中国のパスポートを申請することは期待できないとしても、中国とアフリカの関係の深まりが、サッカーの分野でもさらなる関係強化につながる可能性は高い。現在のアフリカからの輸入選手たちが、中国サッカー界への注目を高めるために一役買ったことにも疑いの余地はない。未来に目を向ければ、アフリカ大陸最大の舞台であるネーションズカップでは、今後も数多くの中国のクラブ所属の選手たちの活躍を目にすることができそうだ。

文/ピーター・デイビス