Goal.com50:ルカ・モドリッチ(27位)

スパーズを欧州の舞台でもけん引
Goal.com50にようこそ! 今回は27位の発表です。

選手によっては、簡単に名前を知られる状況にある人間もいる。快適な環境で、表現の自由を得て、常に応援されている、というような状況だ。だが、ルカ・モドリッチにそんな環境は用意されていなかった。才能あふれるアタッカーは、岩だらけの道を乗り越えて、今日いる場所へとたどり着いたのだ。

クロアチアの独立紛争の中で育ち、若きモドリッチは政情不安定の中でサッカーへの愛情を深めていった。しかし、我慢強さと情熱による懸命の努力の末、クロアチアで最も成功を収めてきたクラブである、ディナモ・ザグレブ入りを決めたのだ。

「自分のチームには良い選手がそろっていると思うのは、彼と対戦するまでのことだろう。彼が違うレベルにあることは、一目瞭然なはずだ」

― ハリー・レドナップ

ボスニアリーグへのレンタル移籍も経験しつつ、左サイドの攻撃的MFとして技術を磨いたモドリッチは、さらなる飛翔の時を迎えた。トッテナムへの1900マンユーロでの移籍が叶ったのだ。

シーズン最高の瞬間

CLグループステージ:
トッテナム 3-1 インテル
ムンタリをあっさり抜き去り、ファン・デル・ファールトにラストパス。欧州の他のライバルにも存在を知らしめる一撃を導き出した
負傷もあって当初は苦しむこともあった。当時チームを率いていたフアンデ・ラモス監督が、中盤の深い位置で起用するプランを実行したことも、プレミアリーグでの早期のブレイクを妨げた。

このスペイン人監督はモドリッチのパスレンジと視野の広さを生かそうと考え、引いた位置に配置した。だがこれはうまくいかずに、多くのファンがその夏の補強第1弾は失敗だったと考えたものだった。

だがラモス監督がチームを離れるや否や、新監督のハリー・レドナップはモドリッチに新たなチャンスを与えた。今回のミッションは、お気に入りの前方でのプレーだった。「ボスニアでプレーしたなら、世界のどこでもプレーできる」との自らの信念を証明するように、プレミアリーグの当たりの激しさに慣れたこともあって、モドリッチはスパーズが驚きのトップ4でシーズンを終える原動力となった。さらに重要なことに、この順位はチャンピオンズリーグ(CL)への道を指し示していた。

トッテナムがCL本大会出場を決めると、多くの人がトッテナムに目を奪われた。インテル戦でのガレス・ベイルの信じられないパフォーマンスは、多くの人の記憶に残ることだろう。だがトッテナムを欧州の大舞台で輝かせたのは、この創造的なマエストロである。最高の瞬間は、インテル戦で訪れた。鮮やかなフェイントでサリー・ムンタリを無力化すると、ラファエル・ファン・デル・ファールトへと見事なパスを通した。これの先制点が、ホワイト・ハート・レーンのファンには忘れられない試合の幕開けとなった。

こうしたパフォーマンスが、モドリッチをかように独特で特別な選手たらしめている。両足で自在にボールを操り、生産性も高く、ボールがない場面での動きも滑らかだ。そして、あのあっぱれな技術。2010-11シーズンのプレミアリーグでパス成功数とインターセプト数でトップ3に入り、その献身的なプレーにレドナップ監督は「模範的選手」との評価を与えた。

だからこそ、彼がトッテナムのファンが選ぶ年間最優秀選手に選ばれたのも当然だ。そして、ロマン・アブラモビッチの関心を引き寄せたことも、だ。

"両足で自在にボールを操り、生産性も高く、ボールがない場面での動きも滑らかだ"

チェルシーの最高権力者は、モドリッチ獲得の意欲を隠しはしない。アプローチはすでに数度に及ぶと考えられている。スパーズがチームの心臓を手放したくないのは明らかだ。その思いとは裏腹に、モドリッチはブルーズとともにCLを戦うことを望んでいる。

ルカに今、何が起こっているのか? 彼の将来については、この移籍市場で散々議論を巻き起こすことだろう。だが、一つ言えることがある。2011-12シーズンの結果そのものよりも、モドリッチを獲得する方が価値は高い。