Goal.com 50:ディエゴ・ミリート(5位)

Goal.com選出のトップ50で、5位にランク
ディエゴ・ミリートは、ワインのような選手だ。年齢とともに、味わいを深くする。

野心はあるが成功を収めていないクラブから、ビッグクラブへと移るのは、簡単なことではない。昨夏にミリートがジェノアからインテルに移籍したとき、30歳の誕生日を目前にしたFWについて、懐疑的な目は少なくなかった。確かに、スペインとイタリアでゴールを重ねてきた。確かに、ゴールランキングでもズラタン・イブラヒモビッチに次ぐ2位につけた。しかし、初めてのビッグクラブで、同じことができるのだろうか、と。

答えは「イエス」だった。全大会を通じての30ゴールという数字は、2009-10シーズンの欧州で、ベストのストライカーの一人と呼ぶに十分だった。ダビド・ビジャが世界で最も生粋のストライカーであるが、ミリートは彼に最も近い存在だ。昨シーズンに見せたように、小さなクラブだけではなく、ビッグクラブからも得点を奪うことができるのだ。

インテルの4-2-1-3、または4-2-3-1のフォーメーションで、ジョゼ・モウリーニョ監督がメインストライカーに指名したのがミリートだった。ゴラン・パンデフ、サミュエル・エトーと並び立ち、背後はヴェスレイ・スナイデルに支えられた。「プリンチペ」(イタリア語で王子の意)は、セリエAで先発した33試合で、左右さらに中央からと、22のゴールを重ねた。

ハットトリックこそなかったものの、重要なゴールを挙げてきた。8月のミランとのダービーでは、1得点するとともに2アシストで4-0の快勝に貢献。1月の再戦でも、2-0の勝利へ導いた。シーズン終盤、5月中旬のシエナ戦でも、試合で唯一の得点をマークして、他との違いを際立たせた。
ディエゴ・ミリート
最高の瞬間

バイエルンとのCL決勝で2得点。チームを頂点へ導いた
チャンピオンズリーグ(CL)でも、ミリートの爆発は止まらなかった。この欧州最高に出場したのは初めてだったが、彼は慣れ親しんだ場であるかのように、6ゴールを重ねた。さらに言えば、イングランド(チェルシー)、スペイン(バルセロナ)、ドイツ(バイエルン・ミュンヘン)と、各国リーグの王者相手に、得点を挙げているのだ。

格別だったのは、決勝でのバイエルン戦だ。サンチャゴ・ベルナベウでのファイナルで、チームの全2得点を叩き出し、2-0の勝利でビッグイヤーを掲げたのだ。インテルにとって、実に45年ぶりの欧州制覇だった。5月初旬には、ローマ相手のコッパ・イタリア決勝で、決勝点をマーク。こうしてネラッズーリで必要不可欠な存在としてプレーし、歴史的な3冠という偉業を達成した。

その類まれなる決定力にもかかわらず、ワールドカップ(W杯)では、ディエゴ・マラドーナ監督に出場機会を与えられることはなかった。だが、そこには理由がある。ゴンサロ・イグアインは22歳で、よりユーティリティー性があってワイドでも中央でもプレーでき、この2年間で大きな成長を遂げていたからだ。しかし欧州で示してきたものは、ミリートも負けてはいなかった。ドイツ相手の準々決勝でミリートが先発していたら、と思う人は少なくないはずだ。

南アフリカでの戦いでチャンスを得られていたら、バロンドールを受賞する可能性も高まったのではないかと考えている人もいることだろう。もうW杯優勝のチャンスはないかもしれない。しかし、ミリートの偉業が色あせることはない。