ニュース ライブスコア

最もクロスボール対応が上手い日本人GKは?小島伸幸が選ぶマニアックスキルアワード2016/Goal25

国内外の日本人選手の個人スキルにフォーカスし、ランク付けを行う『Goal25マニアックスキルアワード』。「2016年最もクロスボール対応が上手かったGK」について、元日本代表GK小島伸幸氏にセレクトしてもらった。

シュートを止めるのがGKの見せ場だとすると、クロスボールへの対応はGKにとって日課のようなもの。1試合に何度もあることは確実で、そのための練習も積み重ねているが、ミスのリスクも大きいプレーである。しかしセットプレーでも流れの中からでも、「GKの対応能力がそのまま勝敗に直結することも少なくない」(小島氏)。

ただ、小島氏には最近のGK全体の傾向に不満があると言う。「最近はボールが軽くなって軌道を読みづらくなったせいもあるのか、クロスに対してチャレンジしない選手が増えましたよね。それが個人的には残念。守備範囲を広げるには、出るしかないんですが、そのトライが減っているし、そういう指導を受けている気がします」と言う。

理由はやはり「ミスが怖いから。面白いデータを言っていた人がいて、同じGKであっても、試合によってクロスボールに対して前に出られる本数は変わってくるんです。ある試合は4本、ある試合は7本。その違いは何かと言えば、ミスが出るタイミングです。世界的なGKであっても、失敗するまでは積極的に出られるけれど、失敗したあとは消極的になる。そのくらい度胸が求められるプレーですから、クロスボールへの対応は技術と同時にメンタルの強さを求められるんです」(小島氏)

また、クロスには駆け引きの面白さもある。小島氏は「ピクシー(元名古屋FWストイコビッチ氏)にはいつも騙されていました。どこを観ているんだろうと一所懸命に研究して、こっちがニアだと思うとファーに蹴られて、ファーだと思うとニアに合わせられる。だからニアに行くんだけど、心の中で『ファーだ。ファーを待つぞ』と念じてみたら、本当にファーに来て、『これは何だ!?』とかね」と笑う。実際はどうやら小島氏の微妙な立ち位置の違いを見透かしていたようで、それに気付いたことでようやく対策ができたという。トップレベルのセットプレーでは、そのくらいの駆け引きの能力も求められる。

そんな基準で選ばれたのが、以下の3名だ。

3位 楢崎正剛(名古屋)

「『こりゃ無理だな』と『こりゃ行けるぞ』という判断を確実に持っている選手です。のこのこ出て行ってかぶったりすることがほとんどない。触れないことがないのは自分の力を正確に把握しているから。年齢と共に出られる範囲は狭くなっているかもしれません。ただ、そうなってもなお自分と相談しながらプレーできているのが彼の凄いところです」(小島氏)

2位 西川周作(浦和)

「クロスボールへの対応という意味ではサイズ的なハンディキャップを持っている選手ではあります。上背もそうですが、腕も長くない。だが、自分の届く範囲には確実にいけている選手です。『GK!』と周りに言われてから、ふらふら出て行って間に合わないとかは絶対にないですね。自分というものをしっかり理解して、その上で決断を下せています」(小島氏)

1位 東口順昭(G大阪)

「彼の場合、線は細いのだけれど、すごく身体的にバネがありますよね。技術的にもハイボールの処理はかなり上手いですよ。むしろ、そういった部分が生命線になっている選手だと言えるでしょう。世界的にセットプレーからの得点増えている中で、今季のG大阪はすごくセットプレーの失点が少なかった。究極的には、失点しないのが良いGKですから」

小島氏はこの3人の質の高さについて語った上で「クロスボール対応を語る上で、GKチャージのルールが廃止されたことは無視できない」とも言う。

「今は相手FWに当たられるリスクがあるので、技術的にはすごく難しいものを求められるようになった。利き手じゃないパンチングでも遠くに飛ばせないといけないし、小さい振りで飛ばせるパワーと技術がいる。思い切り振っちゃうと、空振るリスクが出ますから。当然、コンタクトに負けない強さも、より求められるようになってきた」(小島氏)

小島氏には現役時代「飛び出したときに(味方DFだった)ホン・ミョンボと衝突して、負傷退場させてしまったことがある」という。しかし、「味方を吹き飛ばしてでも絶対に触るというくらいの覚悟を持って飛び出すのが本当のGK」だという信念の結果でもある。「今のGKには、飛び出すときに『全員なぎ倒す!!』くらいの気迫が求められる。クロスボールを処理したときに、敵も味方も倒れてGKだけが立っている。そのくらいの豪快さを持った選手が出てきてほしい」のだそうだ。

話し手=小島伸幸 / 構成=川端暁彦

■Goal25マニアックスキルアワード2016/話し手(選定者)

最も対峙したら怖かった日本人選手は?/名良橋晃
最もオーバーラップが上手い日本人選手は?/名良橋晃
最もヘディングが上手かった日本人選手は?/秋田豊
最もグリーティングが上手かった日本人選手は?/秋田豊
最もセービングが上手かったGKは?/小島伸幸 
最もクロスボール対応が上手かったGKは?/小島伸幸 
最もドリブルが上手かった日本人選手は?/玉乃淳
最もパスが上手かった日本人選手は?/玉乃淳 

サッカーのライブ&オンデマンドはDAZNで!1ヶ月間無料のトライアルを今すぐ始めよう。