コラム:インテルに未来はあるのか?

苦難のシーズンに将来への光明は?
ラツィオ戦でのリッキー・アルバレスの残念なPKは、インテルのアンドレア・ストラマッチョーニ監督が「呪われたシーズン」と呼んだものを一種象徴しているかのようだった。現在9位に位置するインテルは、来季の欧州の大会に出場する望みを完全に失ってしまっている。出場に伴って得られたはずの収入を失うことをも意味している。

イタリアサッカーの評論家たちは、この失敗の理由としていくつかの理論を打ち出している。ストラマッチョーニを責める意見もあるが、ほんの数カ月前には多くの者が彼は監督として妥当な選択だと見なしていたのだ。ローマ生まれのストラマッチョーニはもともとインテルのチーム内に所属し、十分にリーズナブルな報酬での監督就任に喜んで応じる準備があったし、36歳(現在は37歳)の彼はチームを若返らせてファンの心をまとめ上げるのに完璧な人選だと思われた。

インテルの移籍市場でのミスを低迷の要因に挙げる者もいる。しかし、1月にコウチーニョを捨てることは少々奇妙な決断だったとしても、夏に獲得したロドリゴ・パラシオとサミル・ハンダノビッチが今季のセリエAの中でも際立って効果的な働きをした選手たちであることもまた確かだ。アントニオ・カッサーノも、ケガをする前はコンスタントにゴールとアシストを提供していた。

インテルの苦悩の原因として何よりも明白なものは、主力選手に負傷が相次いだことだ。ディエゴ・ミリートとパラシオの離脱は特に致命的だった。2人のアルゼンチン人はまさに調子がピークの時に負傷に見舞われたし、その時点ではまだインテルは3位以内でのフィニッシュが可能だと思える状況だったのだから。

2年前と3年前、同じように大量の負傷者を出したユヴェントスは、どちらの年も7位でシーズンを終えた。今季も、たとえばミランがインテルと同程度の不運に見舞われたとすれば、チャンピオンズリーグ出場権を確保できていた可能性はきわめて低いだろう。

現在抱えているトラブルを解決した上で、インテルの未来はどうなるのだろうか? まず、オーナーのマッシモ・モラッティは、予算規模を拡大するために外国人投資家の協力を取り付けることを必死で模索している。

中国やロシア(モラッティ保有の石油会社サラスの一部も彼らに買収された)、最近ではインドネシアからもパートナー候補が現れたという話が出てきた。だがこれらの投資家の多くは、インテルの置かれている経済的状況を詳しく理解した時点で手を引いてしまうのが常だ。

2012年から13年にかけて、インテルは合計1億5千万ユーロ近い赤字を計上した。2010年のジョゼ・モウリーニョ退任以降はチームの強化もままならず、毎年のように競争力を低下させ続けているように見える。

資金がなければ、インテルはこの夏にクラブを替えようとするビッグネームの選手たちに手を伸ばすこともできない。その点では、クラブがこれまでに下部組織から輩出した優秀な選手たちをトップチームに定着させられなかった点が痛かったことも指摘しておかなければならない。マリオ・バロテッリ、ダヴィデ・サントン、ロベルト・アックアフレスカ、マッティア・デストロ、さらにはレオナルド・ボヌッチもインテルのアカデミーシステムで育ち、今は成功した選手たちとなっている。その活躍の場所はインテルではないが。

イタリアのサッカー・エコノミストのマルコ・ベッリナッツォ氏は最近、インテルに強い情熱を注ぐマッシモ・モラッティは2010年の「3冠」で大きな喜びを得た一方で、総額15億ユーロの出費を強いられてきたことも指摘していた。ミラノの石油王は身を引く準備があるのでないか、あるいはクラブの売却すらあり得るのではないかとの憶測もあるが、モラッティをよく知るものであれば、彼が愛するインテルを惨状に置いたまま見捨てるのは難しいのではないかと疑っている。

未来に向けた希望もないわけではないが、欲張りなサポーターの我慢強さが試されることにはなりそうだ。インテルの新たなゼネラルマネージャーのマルコ・ファッソーネは、2018-19シーズンまでに新スタジアムをオープンさせることを構想している。昨年夏にインテルに加入する以前に、彼がユヴェントス・スタジアム・プロジェクトの成功の中心人物であったことを考えれば、信じていい理由は十分にある。Goal.com米国版のザック・リー・リッグの取材に対し、ファッソーネは次のようにコメントしている。

「(スタジアムは)インテルの未来にとって非常に重要なプロジェクトだ。我々は適切な立地を検討している。ミラノ市内および近郊に3つの候補地がある。ここ数カ月はスタジアムの経済的側面を精査しており、開発業者や建築業者、規制の遵守についても考えているところだ。この段階の手続きを2013年中に終わらせることを目指している」

だが現状では、2010年の栄光を胸に、インテルファンが「我慢」の数年間を送らなければならないことは明白だ。少なくとも10年以上このチームを応援している者にとっては、何も今回が初めてのことではないだろう。「パッツァ(クレイジーな)・インテル」の波瀾万丈の歴史にまた新たな1章が追加されるだけのことだ。


文/チェーザレ・ポレンギ(Goal.comアジア版マネージングエディター @CesarePolenghi)