コラム:インテルがユーヴェに敗れて失うもの

経営面にも大きく影響しかねない敗戦に
土曜日に行われたイタリアダービーでは、メアッツァ・スタジアムでユヴェントスがインテルに2-1の勝利を収めた。この結果は、インテルの未来に対して、一見して考えられる以上に大きな影響を及ぼすことになるかもしれない。ファイナンシャル・フェアプレー規定の導入が迫り来る中、勝ち点を落としてチャンピオンズリーグ(CL)出場権を逃すことは、インテルの近い未来に深刻な結果をもたらす可能性がある。

これでCL出場圏内の3位に10ポイントの差をつけられたアンドレア・ストラマッチョーニのチームは、2011年から12年にかけて計1億6500万ユーロの赤字を計上している。マッシモ・モラッティ会長と経理チームは出費を抑制するべく奮闘しているが、高額な人件費がクラブの帳簿に重くのしかかっている状態に変わりはない。

先週発表された公式データによれば、2012年の会計年度にインテルが支出した給与総額は1億6500万ユーロ。その大部分が選手たちへのものだ。これに対し、ユヴェントスの給与総額は1億3700万ユーロと比較的抑えられている。

現在のイタリアのどのクラブにとっても、被雇用者への報酬は総支出の中で圧倒的に大きな部分を占めている。人件費が総支出の50%を超えるべきではないというのが一般的なルールではあるが、イタリアサッカー界は今でも高騰した給与と重い税負担への対処を強いられている。例えばインテルの場合、総収入の80%が人件費に充てられるという恐ろしい状態にある。

そういった状況の中、すべての「ビッグクラブ」にとって、CL出場権を獲得することは経営の健全性を保つため非常に重要な要素となる。欧州での成功にどれだけ価値があるのかを示すため一つの例を挙げれば、ユヴェントスはCL準決勝進出を果たした場合、実に6000万ユーロもの収益を手にすることになる。ミランがマリオ・バロテッリを獲得するために今後5年間で7000万ユーロを出費するという博打に打って出たことも、このCL出場権獲得の重要性を考慮すれば理解するのはさほど困難ではない。

数年前、イタリアのサッカー界は負のスパイラルに迷い込み、あらゆるレベルで収益が落ち込むことになった。スタジアムには空席が目立ち、セリエAの人気自体が低迷したことで、海外でのTV放映権の収入も減少してしまった。

ユニフォームスポンサー契約の額も、イタリアの各チームの価値下落の一例として挙げることができる。バルセロナ(ナイキ、カタール財団)もレアル・マドリー(アディダス、bwin)もそれぞれ1シーズンあたり6000万ユーロ以上を得ているが、インテル(ナイキ、ピレリ)とユヴェントス(ナイキ、ジープ)の収益はそれぞれ3000万ユーロと2500万ユーロで、スペインの二強の半分でしかない。

だが、悪いニュースばかりではない。ユヴェントスはいまだ赤字が続いているが、現在の傾向が続けばイタリアのビッグクラブの中で最初に黒字を達成することになりそうだ(欧州でも数少ない黒字のビッグクラブの一つとなる)。

国内の他のクラブに目を向ければ、ラツィオは経営的に順調で、自前のスタジアム建設を計画しているところだ。ナポリは6年連続で黒字を記録している。ウディネのポッツォ一家はここ数年でスペインとイングランドにまでビジネスの手を広げ、グラナダとワトフォードを買収した。カターニア、キエーヴォ、カリアリ(スタジアムの問題を抱えながらも)なども、十分に満足できる経営状態にある。

ナポリのオーナーであり有名な映画プロデューサーのアウレリオ・デ・ラウレンティスは先週、イタリアサッカー界が強く必要としている変化をもたらす可能性のある改革を打ち出し始めた。彼の提案の中でも最も革新的なものは、スペインのモデルにならい、セリエAのユースチームをレーガ・プロ(3部)に参加させるというものだ。

これは若い選手たちに早い段階から真剣勝負の公式戦を戦う機会を与え、成長のスピードを速めることにつながるだろう。これはデ・ラウレンティスの打ち出すもう一つの基本方針の実現も助けることになる。たいていのケースで過剰に移籍金が高騰している外国人選手の獲得に大金を投じるよりも、自国のタレントを輩出しようという方針である。

これらのアイディアは激しい論議を呼ぶことになったが、そういった議論こそがイタリアのサッカー界に必要だったものだ。デ・ラウレンティスの提言には少なくともその効果はあった。2012年の会計年度に、この国のサッカー界は16億3千万ユーロという莫大な負債を計上している状況なのだから。

イタリアサッカーの構造と意識は時代遅れとなっている。「ルネッサンス」が到来するとすれば、デ・ラウレンティスやウディネーゼのジャンパオロ・ポッツォ、あるいはユヴェントスのアンドレア・アニエリのような者たちがそれを引き起こすことには意義がある。3人とも、ポジティブな成果を生むビジネスモデルを作り出せる力があると証明してきた企業家たちだ。経営面だけにとどまらず、ピッチ上での成果が伴っている点も共通している。


文/チェーザレ・ポレンギ(Goal.comアジア版マネージングエディター @CesarePolenghi)