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松井大輔独占インタビュー(1):「サッカーには、その国の文化が表れる」

「ル・マンの太陽」と呼ばれるなど8年にわたり欧州リーグで活躍し、日本代表として南アフリカ・ワールドカップ(W杯)でのベスト16入りにも貢献した松井大輔選手に、今回『GOAL』が独占インタビューを行いました。まずは、10年ぶりとなる日本での1年間から話を聞きました。

―この1年を、どう振り返りますか。
「悩んだというか、J2は難しいものだなと感じました。思い通りにいかないのが人生というか、サッカーもそうで、自分の思い描くような感じではありませんでした」

―より内容以上に結果にこだわるJ2に戸惑いもあったのでしょうか。
「相手によっては守るサッカーをしてきたり、縦に速いサッカーもありましたね。僕たちが、もう少し自分たちのサッカーを突き詰めていければ良かったのかなと思います」

―10年前からJリーグは変わったと感じられましたか。
「変わりましたね。そんなに審判が、それほど笛を吹かなくなりましたし。国際的というか、ヨーロッパに近いというか、よりフィジカル面を重視するようになってきているのかなと思っています」
―レベルの変化は感じましたか。
「昔に比べるとJ2でもパスをつなぐチームが増えてきましたね。昔はとりあえずルーズボールを拾おうというような感じでしたが、今はすごくボールをつないだり、3バックを応用して数的優位をつくるなど、より戦略的になったかもしれません」

―W杯でも話題になった「日本らしさ」を感じますか。
「『日本は日本』という感じはありますね。ヨーロッパでは全体的にあまりシステムも変わらないというイメージですが、日本はグローバルにいろいろな国のサッカーを取り入れますよね。それに、“流行り”があるのも日本の傾向かもしれません。そういう流れも少しはあってはいいとは思うのですが、流行り過ぎるというのはどうかなと感じます。バイエルンが強かったらバイエルンのサッカーを…というのもいいとは思いますが、もう少し自分たちの個性を出してもいいんじゃないかなと感じますね」

―欧州は各国リーグの個性がはっきりしていると感じますか。
「フランスの場合は4-3-3のフォーメーションをベースとして、個人の能力で打開していきます。戦術がどうこうというのは、全然ありませんでした。お国柄というか、文化が出るのがサッカーだと思います。ポーランドはFKやCKから、本当に多くゴールが入ります。大柄な選手が多いので、セットプレーの重要性が高いんです。それがポーランド代表でも変わりません。前半でも後半でも、アディショナルタイムにも狙ってきますからね」

―欧州でプレーしてみて、面白かったリーグはどこですか。
「最後に行ったポーランドは面白かったですね。楽しくやれました。王様になりながらやれましたから(笑)。周りの選手たちが若く、自分の意見も通せたのでやりやすかったです」

―ところで、かつてグルノーブルでともに仕事をされたメフメト・バズダレビッチさんがボスニア代表監督に集にされました。
「メシャですね。あの人、本当にめちゃめちゃうまいんですよ。監督としては、(元日本代表監督イビチャ・)オシムさんに少し似た感じで、彼のチームはすごくパスをつなぐようになります。それほど技術があるというわけではないグルノーブルの選手たちが、どんどんうまくなったのを覚えています。最後のシュートまでいけないなど課題もあるんですが、とりあえずボールキープ率は変わりましたね。ボスニア人の監督は2人しか知らないんですが、確かにボールはとてもつなげるようになります」


<プロフィール>
まつい・だいすけ
1981年5月11日、京都府生まれ。鹿児島実業高校時代からテクニシャンとして知られ、卒業後に京都パープルサンガへ入団。2004年には当時リーグドゥのル・マンに入団、即リーグアン昇格に貢献した。08年からはサンテティエンヌ、グルノーブルとリーグアンで戦い、その後はロシア、ブルガリア、ポーランドと各国1部リーグで奮闘。年代別代表に名を連ね、アテネ五輪でも世界を経験。A代表として10年には南アフリカW杯16強進出に大きく貢献した。今年、ジュビロ磐田と契約し、10年ぶりにJリーグに復帰。