W杯デイリーコラム:日本とイタリアの敗退、それぞれの「その後」

別れを告げたザックとプランデッリ
今週火曜日には、応援していた2つのチームが数時間のうちに今回のワールドカップから消えてしまった。母国のイタリアと、1994年から住んでいる日本の2チームだ。

敗退を味わった2つの国の反応を比べてみると興味深い。2つの国の異なるサッカー文化を見通すことができるし、それぞれの国のサッカーが置かれた現在の状況を実例を通して検証することができるからだ。

まず、選手たちの反応もまったく異なっていた。イタリアの選手たちはすでにロッカールームの中からケンカを始め、デ・ロッシがバロテッリに食って掛かろうとしたところで、ボヌッチがバロテッリを部屋から追い出さなければならなかったと伝えられている。

敗退が決定した後には、ブッフォンもデ・ロッシもチームの若手選手たちに批判の矛先を向け、チームへの献身的な姿勢が不十分だと責めていた。

日本の選手たちの言葉はこれとは大きく異なっている。本田の口からまず飛び出したのは当然ながらサポーターと、おそらくは監督に対しての謝罪の言葉だった。

一方で、メディアは両国ともに同様に辛らつだ。イタリアでは数多くの批判が飛び交っているが、中でも手厳しいのはローマの『テンポ』紙だ。一面に代表チームの写真を掲載した上で、その下に「なんてヘタクソ」と単純な言葉を添えていた。

日本のスポーツ新聞も負けてはいない。サムライブルーは「負け犬」と呼ばれ、「口ばっかり」と叩かれている。

敗退の結果として、両監督ともにその座を去ることになった。おそらくザッケローニにとっては、ワールドカップのずっと前からすでに決断していたことだろう。対照的にプランデッリの方は、2年間の契約延長が準備されていたこともあり、辞任はかなりの予想外の事態だった。

ブラジルでのチーム管理は完全な混乱に陥っていたとはいえ、自身の失敗を認識して即座に決断を下した明晰さに関してはプランデッリは称賛されてしかるべきだ。

反対側に目を向けてみれば、ザックはきわめて平和的な形で日本代表に別れを告げた。ブラジルで低調なパフォーマンスに終わったとはいえ、彼の任期中には多くのポジティブな面もあったことを思い出させる別れだった。選手たちとイタリア人指揮官との強い結びつきが示された場面もいくつかあった。戦いを終えた後のTVインタビューで長友が涙を流していたのもその一つだ。

今になって振り返れば、ザッケローニは最後まで日本語を習得しなかったとしても、彼が外国人監督としては珍しいほどに日本を理解し、日本の良さを知るようになっていたのは明らかだと思う。

2011年の震災の後、彼がすぐに日本に戻ってきてくれたことも忘れられない。国全体が非常に困難な日々を過ごす中で、復興への力の一つとしての日本サッカー界の動きを先導するのに貢献してくれていた。

ザックと選手たちの基本的にポジティブな姿勢は、未来に向けて希望を残してくれるものだ。遠藤と長谷部と、おそらくは大久保を別とすれば、ブラジルへ行ったほぼ全員が次回のワールドカップを戦う候補にもなり得る選手たちだ。厳しいものとなったこの2014年大会の経験も、願わくば有効に生かしてくれることを期待したい。

4年後には39歳になるピルロや、デ・ロッシ、バルザーリといった選手たちはそうもいかないだろう。この「時代の終焉」と、イタリアサッカー界の未来を包む不安定さこそが、今回の敗退が非常に重苦しいものに感じられる理由だろう。


文/チェーザレ・ポレンギ
GOAL JAPAN編集長。ツイッターアカウントは@CesarePolenghi