ガイジン’s アイ:香川真司、ドルトムントで2度目のブンデスリーガ優勝

在籍2年目で2度目のブンデスリーガ制覇。香川は怪我もなくチームに大きく貢献
2年間で2度のリーグ優勝。香川真司はボルシア・ドルトムントで驚異的な成果を残してきた。ドルトムントが2年前にわずか35万ユーロで獲得した彼は、中足骨の骨折でシーズンの半分を欠場した昨季とは異なり、今季はほとんど怪我に悩まされることもなかった。結果として、継続的に好パフォーマンスを発揮した香川は今季の優勝に大きく貢献。ここまでの時点で13ゴール10アシストを記録している。

ハンブルク戦で好発進

今季のブンデスリーガ開幕戦に臨むにあたっては、昨シーズンを制した勢いをそのまま持ち込みたいというのがドルトムントの狙いだったようだ。ハンブルクに3-1で快勝した試合は、昨季に続いて素晴らしいシーズンを過ごすための出発点となりそうだった。香川はゴールやアシストこそなかったものの、チームの他の選手たちと並んで極上のパフォーマンスを見せた。


現実に引き戻された数週間

ハンブルク戦以後の数週間は、今季のドルトムントが唯一不調に陥った時期だった。5試合でわずか1勝しか挙げることができず、黒星は3つ。香川自身も調子が上がらず、この時期にはゴールもアシストもないままだった。ドルトムントの攻撃陣の中で存在感を示すことはできなかった。


バイエルン・ミュンヘンが快走

香川はハノーファー戦で今季初ゴールを記録したが、チームは2-1で敗戦。この時点でブンデスリーガ首位を快走するバイエルン・ミュンヘンはドルトムントに8ポイントの差をつけていた。タイトル防衛は厳しくなり始めたかに見えた。だが、このハノーファー戦が現在までのドルトムントにとって最後の黒星になるとは誰も予想していなかったことだろう。


香川の不調は続く


ドルトムントは第7節のマインツ戦に勝利し、現在まで続く26戦無敗の第一歩を踏み出した。だが、香川のパフォーマンスは依然として満足には程遠いもの。ユルゲン・クロップ監督もそのことを理解し、香川に2試合の休養を与えることになった。


好不調の波はありながらも明るい兆し


この休養はプラスに働いたようだ。第10節から12節にかけて香川の出来にはある程度の改善が見られ、昨シーズンの好調時とほぼ同じようなプレーを取り戻すことができていた。特に第12節は香川にとって前半戦のベストゲーム。ヴォルフスブルクを相手に2アシストを記録し、今季の3点目となるゴールも奪った。その後はウインターブレイクまで少しずつ調子を上げながらも、安定感には欠けるパフォーマンスが続く。この頃に終焉を迎えたチャンピオンズリーグでの戦いぶりは、香川個人にとってもドルトムントにとっても、「期待外れ」の一言に尽きるものだった。


香川の急加速、それを止めた同胞の細貝


シーズン後半の香川は、前半戦をはるかに上回るパフォーマンスを、より安定した形で発揮していく。リーグ再開から第24節までに4ゴール3アシスト。相手守備陣を翻弄し、チームのチャンスに数え切れないほどの頻度で絡んでいた。「彼を止められる選手がいるのか?」と誰もが思ったほどだ。そこへ答えを出したのが第25節で対戦したアウクスブルク。同じ日本人である守備的MFの細貝萌が香川を試合から完全に消し去り、結局香川は失意のまま70分に途中交代を余儀なくされた。


調子を落とす気配は見られず


それでも香川はアウクスブルク戦の悔しさをすぐに払拭することに成功した。そのわずか2試合後のケルン戦では、おそらく今シーズン最高と言えるパフォーマンスを披露してみせた。ドルトムントが6-1の勝利を収めたこの試合で、香川は2ゴール1アシストを記録。その後の試合でも調子は上がる一方で、常にボールに絡んではゴールを狙い続けてきた。


順調だった後半戦の最高の瞬間


ボルシア・メンヒェングラッドバッハを2-0で下した先週末の試合で、香川はチームの2点目を記録して優勝に花を添えた。香川は今季13得点。これでリーグタイトルの防衛は達成された。ユルゲン・クロップの喜び方を見れば、香川の追加点がどれほどの安心感をもたらすものだったのかよく分かる。クロップは香川に走り寄り、彼を固く抱擁して高々と抱き上げた。香川の記録したシーズン13得点は、欧州1部リーグでの日本人選手の最多記録。また、ブンデスリーガでは所属チームで連覇を成し遂げた初めての日本人選手となった。


典型的日本人ではない香川


日本人は慎み深いとよく言われるが、香川は派手に優勝を喜び、チームメイトたちと一緒になって羽目を外していた。「すごく興奮している。本当に何かを成し遂げたという感覚だ」と香川は優勝決定後に記者に向けて語った。その気持ちも当然だろう。今シーズンは昨季後半のようにチームメイトの活躍をただ見ているだけではなく、ドルトムントのブンデスリーガ制覇に大きく貢献し、自らの手で栄冠を手に入れることができたのだから。


文/アレクサンダー・ブリンクマン