コラム:T・モッタはインテルとアッズーリを復活させる

ドルトムントでの一戦で、ブラジル生まれのMFは先発するか
サン・シーロで5-3でローマを下した前節のインテルの試合は、文句なくエンターテインメント性にあふれていた。この勝利でインテルは、首位に立つ同じ街の“従兄弟”であるミランに勝ち点5差に詰め寄った。

こんなシナリオは、ラファエル・ベニテス前監督が解任され、レオナルド監督が後任となった2010年末には、想像もできなかった。イタリア、ヨーロッパ、そして世界の頂点に立ったチームは、1994年にワールドカップを制した指揮官の下で生まれ変わった。しかし、この転機を支えたブラジル生まれの個人は、レオだけではない。

8月にひざの手術を受けた後、チアゴ・モッタはクリスマスまでのシーズンほとんどで、存在感を発揮することはできなかった。しかし彼が2011年に万全の状態に戻ると、インテルは最大獲得可能な勝ち点21のうち18ポイントを獲得している。たった7試合しか先発していないにもかかわらず、MFのモッタは4ゴールを記録することに成功している。その中には、前節のローマ戦で決めた1得点も含まれている。

セリエAには、多くの過小評価されている選手、そしてあまり知られていないスターがいる。ナポリのワルテル・ガルガノはその一人で、筆者は現状でセリエAで最高の守備的MFではないかと考えている。ラツィオの岩のようなCBであるアンドレ・ディアスのことも挙げられる。そして間違いなく、T・モッタもこのカテゴリーに入る。

何か一つ傑出した武器があるわけではないが、この28歳には欠点が見当たらない。戦術的に優れ、左足からのパスは申し分ない。フィジカルもしっかりしており、繰り出すタックルは、タイミングを外さない。さらには抜け目なくゴールエリアに忍び込み、ゴールまで決めてしまう。現代のサッカーではセットプレーで試合が決まることもしばしばだが、モッタはピッチ両端、CK、FKと攻守において保険となる存在だ。彼の身長188センチという高さは、空中戦で威力を発揮する。

カンプ・ノウでは負傷に悩まされたものの、インテルではひざのケガも乗り越え、中盤に安心感と落ち着きをもたらしている。これは彼を欠いたベニテス体制下には、なかったものである。

イタリア代表のチェーサレ・プランデッリ監督が関心を示し、ドルトムントで行われるドイツ代表との親善試合に向けて彼を招集招集したのは、何ら驚きではない。2003年にゴールドカップへ向けてU-23ブラジル代表として招集されたが、今回のイタリア代表選出にはFIFAからのお墨付きが出たようだ。それよりもイタリア半島で注目を集めているのは、モッタが先発するか否かという問題である。

その他の選手の招集に関しては、ほかのコラムに譲るとして、モッタをチームに加えたことにはポジティブな側面しかないことは疑いない。イタリア人の祖父を持つサンパウロ生まれのMFは、リッカルド・モントリーヴォやクラウディオ・マルキージオといった選手以上に、中盤への保証をもたらすだろう。モッタは勝者のメンタリティーを持ち込み、プランデッリ監督はダニエレ・デ・ロッシとのコンビが、インテルでのエステバン・カンビアッソとの連係同様の結果をもたらすことを期待している。

アルベルト・アクイラーニ、それにアンドレア・ピルロが戻った暁には、中盤中央にクリエイティブな役割を担う3人が並ぶというオプションも生まれる。イタリア代表は今や、相手に脅威を与える、さらなるトップ級の質を備えた代役を擁しているのだ。前線の2トップとのつなぎ役となり、スピードやドリブルでボールを運ぶことができる攻撃的なMFの不在は、EURO2012の前に解決しなければならない問題として横たわってはいる。だがモッタは、イタリアの背骨を強化するポテンシャルを秘めている。

イタリアの背骨が弱体化する前に行われた、最後の試合を思い出す。2006年7月4日、ドルトムントで行われたドイツ戦である。

文/カルロ・ガルガネーゼ