C大阪 茂庭照幸選手 独占インタビュー

湘南、F東京を経て、加入した2010年にJ1でC大阪史上最高順位となる3位入りを先導したのをはじめ、11年のACLベスト8や天皇杯ベスト4、13年のJ1で4位と、近年のC大阪上位躍進に大きく貢献してきた、元日本代表DF茂庭照幸。スピードを活かした絶妙なカバーリング、対人守備の強さ、そして、最終ラインからの大きなコーチングで、チームを鼓舞し続ける貴重な存在が、タイ・プレミアリーグ、バンコク・グラスFCでの1年間のプレーを経て、今季、C大阪に復帰。2月7日に行われた新加入選手のお披露目の場、『C大阪サポーターズコンベンション』にて姿を現したとき、満場の拍手と、ひときわ大きな歓声に包まれた。「シンプルにうれしかったですね。『ああ、帰ってきたな。受け入れられているな』と感じた」という新33番が、J2から出直しを図る桜色のチームとともに、1年でのJ1復帰というノルマに向かって、歩みを進める。

バンコク・グラスでも守備の要として活躍し、クラブ初となるビッグタイトル、タイFAカップ優勝にも貢献した、茂庭。ただ、「日本で頑張っているブラジル人など外国籍選手の苦労というか、そういうのもよく分かるようになった。『相当な覚悟で、ここで成功してやろうという強い気持ちを持って、日本に来ているんだな』というのは、昔に比べたら、今は理解できるようになった」と、自身がタイで求められた『助っ人』の役割の大きさを痛感。そして、「日本のよさとか、自分が今までどれだけ恵まれていたのかとか、改めて感じることができた。それってたぶん忘れられない貴重な経験なので、これを今後日本でどう活かしていこうかなと、今は考えていますね」と、わずか1年ながら、タイでのプレーで様々な収穫を得たようだ。「だから、これからは、できるだけ長く日本でやって、なおかつ、その気持ちも忘れずに、後輩にもそういったもの(経験)を伝えていきたい」。

そこで選んだ、C大阪への復帰は、自ら志願したものだった。「大熊さん(大熊清 強化部長)に個人的に会って直談判したんですよ。『何でもいいから、お金もいくらでもいいから入れてくれ』と。それで大熊さんが男気を見せてくれた。うれしかったですね」。昨年もタイのリーグ戦中断期間にC大阪の練習場に現れ、イレブンを激励するなど、愛するチームを常に気にしてきた。今季、山下達也、藤本康太、染谷悠太、中澤聡太といった経験豊富なセンターバック陣との激しいポジション争いにも、あえて身を置き、自身も新たなチャレンジを追求。これまでの経験を伝えながら、チームの再興に寄与する。「C大阪には非常にクオリティの高い選手ばかりいますし、まだまだ俺も成長したいなと思っているなかで、毎日いい刺激をもらいながらトレーニングしています」。

長丁場のJ2リーグ戦に臨むにあたって、「なんでもいいからJ1に昇格すること」という茂庭。「それは選手だけの力ではどうにもならない。まずはサポーターの方も、『12番目の選手』と言われる自覚をしっかり持ってほしいなと感じます」と、桜色のサポーターへも熱く呼びかける。「ひとりでも多く駆けつけてくれることが力になるし、実際にいろんなところで満員になったら、確かに雰囲気がいいし、いろんな面でプラスになっていく。そして、サポーターの応援というのは、90分のなかでのちょっとした不安定なときでも、耳から入ってくるコールとかが、本当に背中を押してくれるんですよ。だから、サポーターも1つになってほしいし、チーム一丸となって、サポーターも含めて、すべての人間が1つになって、(J1復帰は)やっと成し遂げられるもの。それくらい厳しい戦いに今年はなると思うので。ぜひ応援してほしい」。タイでも熱い応援に力を得てきた。日本で、大阪で、再び鳴り響く「も・に・わ」コールを背に、ピッチ上で強烈なリーダーシップを示す熱きセンターバックが、サポーターとともに、C大阪を再び高みに押し上げる。

インタビュー収録日:2月19日