「教えて！林さん！」人気解説者・林陵平が読者の質問に回答！最新戦術トレンドは？小ネタはどう集める？

Question:チャンピオンズリーグのフォーマット変更によって、以前と比較してより重要になったことはありますか？（@Osakajin_oboe さん）

旧フォーマットでは、ある程度勝ち抜けが決まりそうになったらメンバーを変えることができましたが、新しいフォーマットはリーグフェーズからビッグクラブ同士の対戦が行われるなど、最後の最後までわからなくなりました。どの試合もフルパワーで一試合一試合を大切に戦わないといけない。またホーム＆アウェイ方式がなくなったので、対戦相手と場所を考慮して8試合を通じてのマネジメントが重要です。

見ている側からすると、第1節から強豪同士の戦いがあるのですごく楽しみです。ただ、逆に重要な試合があり過ぎて「どれを見ればいいのか」という嬉しい悩みもありますが、解説者としてもサッカー好きとしても本当に楽しい大会だと思います。

Question: 優勝するためにより重要度が上がったものは？

勝つことです（笑）。勝つために何が必要かと言うと、スカッドの豊富さや過密日程でのケガ人を含めたやりくり、そして監督です。監督がどういう戦術を志向して、対戦相手にどういうプランを練るかが重要です。

戦術、チームとしてどういう戦い方を持っているか。フットボールはチームスポーツです。戦術がしっかりしていれば、選手1人ひとりの「考えることが少なくなる」。すると「判断が早くなる」。そうなると「体力的に抑えられる」。特に守備の部分で、全体の守り方が設定されて状況に応じて使い分けられれば、走る距離が短くなります。

さらに、戦術面が構築されていれば、選手が入れ替わってもブレが少ない。勝った負けただけじゃなく、もし負けたとしてもその試合で上積みできれば、最終的には結果が出るようになります。そういったチームとしての部分にいつも注目していますね。

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Question:今季のチャンピオンズリーグを席巻しそうな戦術トレンドがあれば教えてください。（@tohken0610さん、 @yuyam0221さん）

始まったばかりで言わないでほしい（笑）。でも戦術トレンドには周期があります。例えば昨季優勝したPSGがやっていた「キックオフで長いボールを相手陣内に蹴り込んで前からプレッシャーをかけるという形」は、今やJリーグにもそのトレンドが来ています。自分が小学生の時にやっていた「キックオフでとりあえず蹴ってワーッと追いかける」みたいなことを世界のトップがやっているわけです。トレンドはぐるぐる入れ替わります。だから攻守4局面（攻撃、攻撃→守備、守備、守備→攻撃）を整理しているチームが勝ち上がっていくと思いますよ。

そういう意味では、セットプレーはさらに注目すべきだと思います。CKもそうだし、ロングスローが増えているのは興味深い。最近セットプレーでのゴールが増えている印象ですが、GKへのファウルは少し曖昧で難しい部分があるので、「GKをブロックして飛び出させず、そこに選手が飛び込んでいく」という形はどのチームもやっていますね。

アーセナルやトッテナムもセットプレーコーチを雇っていますし、コーチの重要性も上がりました。オープンプレーだけじゃなくて、試合が止まった時に「流れの関係ない場所で点を取れる」というのは強いチームの証です。

セットプレーが上手なチームと言えば、アーセナルですね。彼らがセットプレーであれだけゴールを生み出すのには理由があります。

Question:正解を出し続ける監督は誰だと思いますか？（@nytB09A9Me17174さん）

何を持って「正解」かは難しいですね。ですが、僕が好きなのはリヴァプールのアルネ・スロット監督です。あとPSGのルイス・エンリケ監督も。昨季優勝に導いた監督ですしね。あと1人挙げるとすれば、ナポリのアントニオ・コンテ監督かな。正解というか「勝つために何をするか」という意味で素晴らしい指揮官だと思います。

エンリケが素晴らしいのは、攻守4局面すべてを整理できるのもそうですし、何よりウスマン・デンベレをあそこまで走らせるようにしたことが本当にすごい。デンベレを“戦う男”にしたことが一番ですね。

コンテについては、ある程度決まった形にはめ込むイメージを持つ人もいるかもしれませんが、思ったよりも柔軟性が出てきています。以前の3バックのガチガチのイメージからは変わってきました。勝負事に強い監督ですし、ケヴィン・デ・ブライネも早速結果を残している。ただ、ケガをしてしまったロメル・ルカクの穴を埋めるのが課題になりそうです。そこは新加入のラスムス・ホイルンドに期待したいです。

Question:現役選手で「サッカーIQ」が高い選手は誰ですか？（@i_arse_08さん）

ヴィティーニャ（PSG）やペドリ（バルセロナ）、フィルジル・ファン・ダイク（リヴァプール）、ヨズア・キミッヒ（バイエルン・ミュンヘン）、そして守田英正（スポルティングCP）です。守田選手もここに入るべき選手です。

Question: 対戦相手についてオススメの情報収集方法や予習するうえでのポイントを教えてください。（@mariwo_4さん）

まずは「時間をかける」。どんなことでも時間をかけないと自分のものにはならないです。試合を90分しっかり見る、それを何試合もできれば、より相手を知ることができると思います。また、試合を見た時にわからない選手がいれば、自分で調べて特徴を掴んで覚えていく。まずは試合を見て、セットで選手を覚える。戦術的な部分は少し難しいとは思いますが、見ていくとわかっていく部分はたくさんあります。選手をしっかり覚えてから、その後に戦い方の部分にいくと思うので、まず選手・チーム・監督を知ることが大切です。

最近は「選手ハイライト」も多いですが、90分見るのとは大きく違います。もしその選手が好きで、その選手だけが見たいのであればすごく良いと思います。でもチーム全体を追うのであれば、やはりチームスポーツなので、試合全体を見るのが重要だと思いますよ。

Question: 試合中に挟む選手の小ネタはどうやって仕入れていますか？（@kakaoMacchaさん）

簡単じゃないです（笑）。シンプルに僕自身フットボールが大好きなので、ある意味で勝手に情報が入ってくる。“オタク”なんですよ。オタクほど強いものはないですからね（笑）。僕は1日中観ていられる。他の人から見たらおかしいのかもしれませんが、僕にとっては普通なんです。もちろん『X』や『Instagram』も、海外の記事も常に目を通しています。それは解説者になってからではなくて、情報収集は中学生くらいからずっとそうやってきているので、20年以上ですね。それが自分の時間になっちゃっています。

Question: 中学生の時のアイドルは？

ズラタン・イブラヒモヴィッチが大好きで、今回のリーグフェーズ抽選会に出てきた時も1人でテンションが上ってました。選手としても素晴らしいし、人を惹きつける能力があるので大好きです。

でも最初は、レアル・マドリーの“銀河系軍団”が好きになって追い始めました。ジネディーヌ・ジダン、ルイス・フィーゴ、ロベルト・カルロス、ミチェル・サルガド、トーマス・グラヴェセン、クロード・マケレレ、スティーブ・マクマナマン、ラウール・ブラボ、とかね……。

Question: イケメン選手を教えてください。（@14eki_grnさん）

推したいのはルーカス・べリヴァル（トッテナム）。めちゃくちゃカッコいいので、ぜひ見てください。中盤の汗かき役なんですが、本当にイケメンです。選手はみんなカッコいいですけど（笑）。ドミニク・ソボスライ（リヴァプール）もルベン・ディアス（マンチェスター・シティ）もですね。

あと「綺麗なパートナーランキング」もお伝えしようかな。まずはカイ・ハヴァーツ（アーセナル）のパートナーと、フェデリコ・キエーザ（リヴァプール）のパートナー。僕の中では2トップです（笑）。あと、マリオ・ゲッツェ（フランクフルト）のパートナーも素敵です。

今日はいろんな質問に答えられて楽しかったです。いつも解説をお聞きいただきありがとうございます！　今季もたくさん林陵平の声が耳に入ってくると思いますが、ぜひみんなでフットボールを楽しんでいきましょう！

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