元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏が、1日付のイタリアメディア『ANSA』のインタビューの中で、日本への思いなどを明かした。
ミランやユヴェントスなどセリエAのビッグクラブの指揮官を歴任した後、2010年から4年間にわたって日本代表の指揮を執ったザッケローニ氏。2011年のアジアカップ制覇や2014年ブラジル・ワールドカップ(W杯)出場へと導くなど、日本サッカー界に貢献した。
そんなザック氏は先月29日、日本サッカー協会(JFA)の第20回日本サッカー殿堂掲額式典に出席して殿堂入りを果たしたが、イタリアメディアも、その動向に注目した。式典のために来日したザック氏について「日本において、アルベルト・ザッケローニに対する尊敬とリスペクトは果てしない。あまりにも大きく、サッカー殿堂入りするほどだ」、「この褒賞には監督本人も驚いている」などと綴り、71歳のイタリア人指揮官の言葉を伝えた。
「日本の人たちは、常に私に対してこのような表現をしてくれた。(日本へやって来た)初日からこれが当たり前のようになっていた。なぜ私が彼らを尊敬しているのか、自分自身で分かっているが、私がこの国においてどれほどのレベルに到達したのか、理解できないでいる。私は、何か特別なことをしたつもりはないと思っている」
ザック氏は、日本で過ごした夢のような4年間を振り返り、現実であったことが信じられない時があることを明かした。
「私のチームは最高で、常に私と波長が合った。幹部らとも同様だった。私はすぐさま、お返しをしなければならないと感じたものだ。時々、目が覚めるたびに、『私は本当に日本にいたのだろうか。それとも夢見ていたのだろうか?』と自問自答することがある」
■2014年W杯GS敗退の要因
続いて元日本代表指揮官は、2014年ブラジルW杯を回想。1分2敗の成績でグループステージ敗退となった要因を語った。
「W杯では、より良い成績を収めるべきだった。自信を持ちすぎて臨んでしまい、後悔がある。全ての責任は私にある。われわれはW杯の前、当時FIFAランキング1位だったベルギーを相手に、ブリュッセルで3得点を挙げた。それからパリでもフランスに勝利し、(ルイ)ファン・ハール率いるオランダに敵地で2-2と引き分けた」
「この結果だったので、W杯では、勝ち進めるはずだと過剰な自信を抱いてしまった。選手たちが常にメンタル面において、私についてきてくれたことも、自信を持ちすぎてしまった背景にある。私は選手たちに、大きすぎるほどの努力を求めていたが、選手たちはまだ、メンタル面において主役を演じる準備ができていなかったんだ」