自身もチームメイトも「みんな英語を喋れますし、そこまで困ることはないですね」と話すチェイス・アンリ。現在20歳、ドイツの地で挑戦を続けている。
加入当初はシュトゥットガルトのU-23チーム(ドイツ4部)で経験を積んできた。今季はトップチームでの出場機会をつかみ、ブンデスリーガはじめ欧州CLの場で“バチバチ”の試合を経験している。
尚志高を卒業し、18歳で渡ったドイツでの生活にも「もう慣れました」と言う。チームメートとのコミュニケーションも問題なく、ドイツ代表などトップレベルの選手と練習から対峙し、コーチに指導を受けることで、技術面の向上も図っている。連続インタビュー第3回では、ドイツ生活の実際と欧州で切磋琢磨する同年代の選手たち、そして話題になっている代表の選択について聞いた。
(聞き手:林遼平 構成:吉村美千代/GOAL編集部)
▶第1回:高校から欧州へ。ドイツ4部での経験編
▶第2回:ブンデス、CLトップでの経験編
■食事は自分で。焼くだけです

▲チームでの練習が成長につながっている
——私生活で大変だったことはありますか?
最初は料理があまりできなかったので難しかったです。最近は自分で作っていますし、あとはもう友達の家で食べたりしているので問題ないです。
——得意料理は?
僕がやっている料理は焼いてるだけですよ。肉や野菜を焼いたり、牛丼作ったり、チキンとかサーモン焼いたり。まだまだ適当です(笑)。
——休日は何をしているんですか?
特にないですけど、ゲームしたり家でゴロゴロしたりしている感じですね。あまり外に出ることはないです。ゲームはよく弟と電話しながらやっています。弟とはだいぶ仲良しです。ゲームも一緒にできる。それが1番楽しいのでずっと一緒にやっていますね。
——髪型が特徴だと思いますが、髪のケアはどうしているんですか?
大してやってないんですよ。朝起きてシャワー浴びてクリームとか入れて、という感じです。そこまでしっかりやってないです。こちらでは一人で切ったりします。でも、そんなに(ケアは)やらなくて、日本で切っていることが多いですね。
——ドイツの生活にはだいぶ慣れてきましたか?
もう大丈夫ですね。最初は親に会えないとか(寂しさは)ありましたけど、もう慣れました。遠くだとも感じないので。
——チームメイトとご飯に行ったりするんですか?
そんなに行かないです。外はあまり出たくない派です。家で寝たほうがいいと思っちゃいます。
——チームメイトとはどんな話をするんですか?
よく話はしています。練習が終わった後に「1対1やろうぜ」みたいなのもあります。ウンダブ選手は結構アドバイスをくれますね。でも、みんな結構、アドバイスをくれますけど、やはり自分で考えたほうがいいというのもあって。言われたことを吸収して、あとは自分で考えるというか。やはり急に言われても分からないこともあるので、どんどんプレーして、映像などを見返しながらやるしかない。もちろんみんな上手いので、トレーニングからすごく練習になります。
——チームでは誰が一番上手いですか?
一番上手いのはアンジェロ・スティラーですかね。あとはウンダブやエンゾ(・ミロ)とか、その辺かなと。その3人は上手いと思います。(練習で対峙するウンダブは)落ちてくるところが上手いですし、常に考えてやっているから嫌です。
——今日も練習終わりにコーチと個人トレーニングしている姿が印象的でした。
やはり練習が1番大事。練習が終わった後にちょっとしたボールタッチとかテクニカルな練習を毎日やらないといけないと思っています。そういう練習を続けていくしかないですね。やめたら終わりなので。
——個人トレーニングはどういった経緯でやることになったんですか?
自分からやりたいと言っています。どんどん慣れていきたいし、そういったタッチが大事なので。試合に出て課題だなと思ったことをコーチに言って練習している感じです。(そこに関しては)最初からやっていました。とりあえずボールを触ることが大事なので。
■ワールドカップは出たいし優勝もしたい
▲ボルシアMGの福田も同じく高校を卒業してドイツに渡った
——仲の良い日本人選手を教えてください。
そこまで時間がないのと微妙に遠いのでなかなか会えはしないですけど、松木玖生(ギョズテペSK)や(福田)師王(ボルシアMG)、松田隼風(ハノーファーⅡ)は仲良いです。(松木が点を取った時には)連絡しました。
——同世代の選手の活躍に刺激や焦りは感じますか?
いつもみんな頑張ってほしいなと思っています。ただ、焦りにはならないですね。活躍してくれれば嬉しい。みんなポジションも違うし、みんな出てくるタイミングもあると思うので大して焦りはないです。
——福田選手とはリーグ戦で直接対決になる可能性もありますが?
いや、師王とはやりたくない(笑)。一番やりづらい、一番やりたくないです。なんか嫌な感じがする、逆にリスペクトしちゃいそうで。絶対にやられる気がします(笑)。
——最後に少し代表の話を聞かせてください。今、日本代表なのかアメリカ代表なのかといった話が報道で出ています。ご自身の中ではどんな思いを持っていますか?
代表は自然に任せるという感じです。どちらかを選ぶことになったらその時はその時ですし、とりあえず今はクラブで頑張るしかないと思っています。 何が正解か分からないですし、あとは自然に任せるという感じです。どちらかというのは考えていないです。今は何よりクラブが大事だと思っています。
——今後に向けた目標を教えてください。
もちろんワールドカップは出たいです。(W杯で)優勝もしたいですし、そこが目標です。そして、今の目標は「上手くなる」、(クラブで)「試合に出て上手くなる」それだけです。
——最後に日本のファンに向けてメッセージをください。
毎日頑張りますし、もっと上手くなるので、応援してください!
▶第1回:高校から欧州へ。ドイツ4部での経験編
▶第2回:ブンデス、CLトップでの経験編
▶尚志高でのシュトゥットガルト加入会見時コラム:「何回もやらかして、何回も怒られた」。欧州の名スカウトも評価する成長の源泉