Atletico de Madrid v Real Madrid CF - LaLiga EA SportsGetty Images Sport

不調に喘いでいたアトレティコ、今季全勝のレアル・マドリーを初めて負かしたチームに!J・アルバレスの2発などでダービーを5-2で制する

26日のラ・リーガ第7節、リヤド・エア・メトロポリターノを舞台としたアトレティコ・マドリー対レアル・マドリーのダービーは、5-2でアトレティコの勝利に終わっている。

今季、状況がまったく異なる両チームによるマドリーダービーだ。アトレティコは1億6500万ユーロを投じて8選手を獲得する大型補強を敢行も、まだ主力の離脱やプレーシステムの構築が終わっていない影響で、ここまでのラ・リーガを2勝3分け1敗で終えるなど不調。その一方で、シャビ・アロンソ監督が新たに率いるレアル・マドリーは、規律が行き届いた良質なプレーシステムとエンバペの好調ぶりによって、6戦全勝を果たしている。

アトレティコ、マドリーともにスタメンで変化をつけた。シメオネ監督はフリアン・アルバレスの2トップの相棒として、グリーズマンではなくスルロットを選択。全スタメンはGKオブラク、DFマルコス・ジョレンテ、ル・ノルマン、ラングレ、ハンツコ、MFジュリアーノ、バリオス、コケ、ニコ・ゴンサレス、FWスルロット、フリアンとなった。

対してシャビ・アロンソ監督は、ベリンガムを負傷から復帰後初めて先発として、代わりにマスタントゥオノをベンチに置いた。全スタメンはGKクルトワ、DFカルバハル、ミリトン、ハウセン、カレーラス、MFギュレル、バルベルデ、チュアメニ、ヴィニシウス、ベリンガム、FWエンバペで、システムはベリンガムを1トップとする4-2-3-1。

試合は予想通り、レアル・マドリーがボールを保持して、アトレティコがプレスからカウンターを狙う展開。しかしレアル・マドリーが優位かと言えばそうではなく、アトレティコはマドリーの配球役ハウセンらに対して非常に激しくプレスを仕掛け、ボールを奪えば鋭い攻撃を仕掛けていった。

そうして15分、ホームチームが先制点を獲得。セットプレーの流れから右サイドのジュリアーノが珍しく柔らかなクロスを送り、ル・ノルマンが打点の高いヘディングシュートでネットを揺らした。

歓喜に沸くメトロポリターノ。しかしレアル・マドリーも負けてはいない。アトレティコの激しいプレスに苦しむほか、ベリンガムを含めたシステムがうまく機能していない中で、その抜群の個の力を炸裂させた。まず25分、右サイドのギュレルのスルーパスからエンバペが圧倒的スピードでアトレティコのDFラインを突破。そのままペナルティーエリア内右に侵入すると、振りの早い右足のシュートでネットを揺らしている(エンバペは今季ラ・リーガ7試合8得点)。

レアル・マドリーはさらに36分に逆転ゴールを記録。ハウセンの前線へのクリアボールをル・ノルマンがヘディングで処理し切れず、エンバペがこれを拾う。左サイドでエンバペのスルーパスを受けたヴィニシウスがゴールライン際で、鋭い切り返しでアトレティコDF2枚をかわしてボールを折り返すと、ギュレルが左足ワンタッチのシュートを決め切った。

試合は1-2のまま時間が経過。前半終了間際、アトレティコはCKからラングレが決めたゴールが明らかなハンドで取り消しとなり、このまま1点ビハインドで前半を終えるかと思われた。が、ドラマはまだ終わらない。アディショナルタイム3分、左サイドのコケが送ったクロスから、スルロットがヘディングシュートでクルトワを破り、土壇場で同点に追いついて試合を折り返している。

迎えた後半はアトレティコが勢いを継続し、49分に逆転ゴールを決めた。49分、レアル・マドリーのペナルティーエリア内でギュレルの高く上げた左足がニコ・ゴンサレスの顔面に当たり、PK判定に。キッカーのフリアンがしっかりとシュートを決め切った。フリアンはさらに64分に2ゴール目も記録。ペナルティーエリア手前左からのフリーキック、背番号9が右足を振り抜くと、壁を越えたボールが枠内左隅に収まった。昨季アトレティコに加入したフリアンは、同クラブで通算4本目のフリーキックによるゴールだ。

60分にカルバハル、ギュレルをカマヴィンガ、マスタントゥオノに代えていたシャビ・アロンソ監督は、2点ビハインドを負った後にベリンガムも下げてロドリゴを投入。前線にエンバペ、ヴィニシウス、マスタントゥオノ、ロドリゴを4人並べるファイアーフォーメーションで差を縮めるゴールをうかがうが、ギャラガーを入れるなど守備にプライオリティーを置くアトレティコを崩せない。

そして94分、アトレティコがレアル・マドリーにとどめを刺した。バルベルデのパスミスから途中出場のバエナがボールを奪い、同じく途中出場のグリーズマンが右足のシュートでネットを揺らした。ここまで不調に喘いでいたアトレティコが、全勝を貫いていたレアル・マドリーとのダービーを制している。

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