マンチェスター・ユナイテッドのレジェンドOBである元イングランド代表FWのウェイン・ルーニー氏は古巣の現状に限界を感じているのかもしれない。
昨年11月にスポルティングCPを離れ、マンチェスター・Uの指揮官に就任したルベン・アモリム監督。初のフルシーズンとなる今季は国内集中の1年だが、プレミアリーグ開幕から6試合で2勝1分け3敗の14位に落ち込み、カラバオカップでも早々の敗退を強いられ、1つのタイトルを逃している。
アモリム監督の進退を巡っては前々節のチェルシー戦を勝利して風当たりが和らぐかに思われたが、その後のブレントフォード戦で完敗して解任論が再燃。後任として、かつてイングランド代表を率いたガレス・サウスゲイト氏らの名も浮かぶ。
ルーニー氏もイギリス『BBC』のポッドキャストで「何が起きているのか見当がつかない」と首をかしげ、アモリム体制に対する期待感の薄れを認めた。
「私も監督業にトライしてうまくいなかったから、その苦労はわかる。アモリムは私と同い年で、監督としてまだ若く、この先に間違いなく大きな未来が待っているはずだが、マンチェスター・Uで起きていることはもはやマンチェスター・Uではない」
「正直に言えば、彼が立て直してくれるのを願っているし、そうであってほしい。だが、これまで目にしたすべてを考慮すると、正直なところ、期待できない自分がいる」
だが、そんな39歳は「このクラブ全体が理解しかねる」と監督の責任だけにあらずと指摘。選手の姿勢にも問題があると続けている。
「選手からは闘志も、キャラクターも、勝利欲も感じられない。試合を観に行っても、チームが負けるか、よくやって勝ち点1を掴むかを予想しながら見つけているだけだ」
「クラブから魂が失われてしまった。新しいエンジン、新たな息吹が必要だ。このクラブを再起動させる何かをね」
「今起きていることのすべてが監督のせいというわけではない。選手のなかにユニフォームを着る資格がない者もいる。それに胸が痛む」
また、「サッカークラブの文化が失われてしまった」とし、サー・アレックス・ファーガソン政権下の強かった頃を知る者として、こう寂しげに語った。
「私は日々、それを目にしている。スタッフが職を失い、従業員が職場を去っていくのをだ。私の2人の子供はあのクラブのアカデミーに通っているが、この事態が彼らに影響しないのを願うばかりだ」
「私があのクラブで目にする現状はマンチェスター・Uらしいものではない」



