ヴィッセル神戸のFW武藤嘉紀が、ガンバ大阪戦を振り返った。
神戸は23日、天皇杯JFA第104回全日本サッカー選手権大会決勝でG大阪と対戦。71年ぶりの関西勢対決となった中、前半はG大阪に苦しめられ、チャンスをほとんど作れずに試合を折り返した。それでも64分には武藤が大迫勇也からパスを受けてボックス左に侵攻すると、ゴール前にクロスを供給。こぼれ球を宮代がプッシュして先制点を奪った。その後、チームはしっかりと試合をクローズし、1-0で勝利して5大会ぶり2度目の天皇杯制覇を成し遂げた。
試合後、武藤は決勝ゴールのシーンについて、「正直フリーでしたけど、キーパーの飛び出しが良くてコースがあんまりなく、『とにかく誰かいてくれ、こぼれたらいいな』ぐらいの感じで打ったら本当にうまくこぼれて、 (宮代)大聖がいてくれて決まった形」と回想した。
決勝ゴールとなったこのシーン以外、決定機らしい決定機は作れなかった。特に前半はG大阪の堅守にも苦しんだ。これには武藤も「今日は正直みんなのコンディションもそこまで良くなかった」と吐露。それでも「やっぱりこれを勝ち切れるところが今の神戸の強みなのかなと思います」と勝負強さが出てきている様子を見せた。
自身にとってはこれが初のカップ戦決勝の舞台だった。しかし、タイトルがかかった大一番でも普段通り。「何も変わることなく、とにかくどんな形であれ勝つということだけを求めてやったので、 その結果がついてきて本当に嬉しく思います」
そして武藤の視線はすでに明治安田J1リーグ連覇での国内2冠達成に。「リーグタイトルを取る。それに尽きるので、 もちろんとても嬉しかったですけど、みんな見ての通り、あんまり羽目を外さず喜びすぎず、もう次の試合を見据えている」と語り、「そういう危機感もチームとして良くなってきたなと思っています」と常勝軍団への礎が築かれている様子を見せた。