AFC チャンピオンズリーグ

鹿島ACL初制覇。19歳の安部裕葵にとって自身初タイトルがもたらすもの

2018/11/12
AFC チャンピオンズリーグ
ペルセポリス 対 鹿島アントラーズ
ペルセポリス
鹿島アントラーズ
DAZN
イランの古豪・ペルセポリスを倒してのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)制覇。このタイトルは鹿島アントラーズ史上初であり、そしてクラブ通算20冠目でもあった。11日、イランのアザディスタジアムで歓喜を味わった19歳。J1・2年目の安部が、自身初となった鹿島でのタイトルに確認した思いとは。
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■先輩たちは周りに伝染させる力を持っている

普段、感情を露わにすることのない19歳が、声を枯らしている。

11月10日ACL決勝セカンドレグで先発を務めた安部裕葵だ。瀬戸内高校時代は注目を集める選手ではなかった。しかし、インターハイでの活躍で鹿島のスカウトの眼に止まった。「当初オファーをした同じポジションで違う選手に断られて、裕葵に声をかけさせてもらった。非常に失礼な形だと説明し、承諾してもらえた」と鹿島の椎本邦一スカウト部長は振り返る。

しかし、安部は予想以上の成長を遂げて、U-19日本代表としてU-20 W杯出場を決めて帰国。この日に備えた。「(柴崎)岳に似たものを感じた」と椎本部長が語るように、独特な雰囲気、オーラをまとった選手だ。誠実に丁寧に取材にも応じてくれるが、感情的になることはほとんど見たことがない。

そんな安部が、ACL優勝というタイトルを手にし、少し興奮していた。

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「初めてのタイトルで、超盛り上がっています。今抑えていますけど(笑)。今日試合が始まる前にレオ(シルバ)が、『たとえ相手のサポーターが何人いようがピッチに入ってくるわけではないし、コートの中は22人で戦うんだから、何も気にしなくていい』と話していた。そういう声があって、10万人の観客にも負けずに戦えたんじゃないかなと思います。

今日はリスクを負わないサッカーをすることをみんな意識していた。とにかく失点をしないこと、押し込まれる展開もありましたけど、我慢し続けること。俺たち我慢するということに関しては、とっても得意ですし、集中力を継続させるのが得意だと思うので、我々鹿島らしい戦い方だったんじゃないかなと思います。

声はほとんど通ってないんで、選手一人ひとりが試合の雰囲気を読み取り、同じ方向を向いてプレーすることができた。チームメイトが味方に与える力もある。経験ある先輩たちは周りに伝染させる力を持っていて、僕はそれを感じ取りながらプレーしました。先輩たちに感謝しています」

■勝つためのサッカーを躊躇なく選ぶチーム

この日は攻撃陣にとっては見せ場のない試合だった。

ロングボールを蹴る相手に、鹿島が選択したのは、セーフティファースト。ボールロストのリスクを伴う、ビルドアップはもちろん、バックパスもせず、自陣からボールを遠ざけた。そういう勝つためのサッカーを躊躇なく選び、実行するのが、20冠目を獲得した鹿島の真骨頂だろう。そんな強豪クラブで、安部は日々磨かれている。そして、初めてのタイトル。やっと鹿島アントラーズの一員として認められる。

「鹿島はタイトルを求められるクラブ。プレッシャーや責任感もあります。そして、今日のような試合前のピリピリしたムードもあるなか、こういう大舞台に慣れている先輩方が多いので、それは僕にとってはすごく心強かったです。僕自身タイトルを獲った経験がなくて、想像よりも、ずっと気持ちがいい。あの瞬間、笛がなった瞬間は今後も忘れないと思います。そして、ああいう経験をこれから何度も味わいたい。きっと僕らだけでなく、ファンやサポーターも見ていてすごく、気持ちがいいと思うので、そういう喜びを与え続ける選手になれたらいいです」

数々のタイトルを手にする鹿島の選手たちに聞くと、最初のタイトルの印象が強く残るようだ。その試合に挑む、先輩が作る空気やピッチで表現される闘志など、学ぶことは多い。そして、タイトルを獲得した瞬間の喜びこそが、「もっと獲りたい」というモチベーションとなり、勝利者のメンタリティを生むのだ。

鹿島の一員となったとき、安部に埋められた種がこの日、芽吹いたに違いない。勝つことはたやすくはない。しかし、それを目指すのがプロのあるべき姿なのだと。

そして安部の成長こそが、来年のU-20W杯や東京五輪を戦う日本代表にどんな影響を及ぼすのか、今から楽しみだ。

■FW 30 安部裕葵(あべ・ひろき)
1999年1月28日生まれ、19歳。171cm/65kg、東京都出身。城北アスカFC→S.T.FC→瀬戸内高を経て2017年鹿島加入。J1通算33試合出場3得点。

文=寺野典子

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