開幕4連敗の最下位と苦しむ鹿島。横浜FM戦は “世界基準”への試金石となるか?

最終更新
🄫DAZN

■形から入ればより時間はかかる

 鹿島アントラーズは今季、これまでのスタイルを壊し、大きく方向展開を図るべくアントニオ・カルロス・ザーゴ監督を招へいした。しかし現在、クラブワースト記録の開幕4連敗の最下位と大不振に陥っている。

 この苦境に際し、三竿健斗は言う。「こういう結果になったのは自分自身のせい。そう言える選手が多いほど、チームとして強くなると思う」。内田篤人は「新しいことにチャレンジしようというスタートだった。みんな思っていると思うんですが、もっとできるはず」と、かみ合わない現状に忸怩たる思いを抱いている。

「形から入ればより時間はかかります。この数年の流れの中での大改革だと思います」

 クラブOBでリーグ優勝を3度経験した岩政大樹氏はこの現状についてこう語る。鹿島はここ3年、優勝争いをしながらもタイトル獲得に失敗し、大改革に乗り出している。欧州やブラジルで経験を積んだザーゴ監督の招へいはその象徴ともいえるもの。掲げるのは、ハイプレスとポゼッションを融合させた世界基準のサッカーだ。「ハイプレス、切り替えの速さ。守備時も自分たちからボールを狩りに行って、取ったら相手を動かし、意図的に攻撃していく。この融合が今の世界のサッカーなんです」(岩政氏)。

 ではなぜ鹿島は伝統の堅守速攻スタイルから大きな方向転換を行ったのか? 岩政氏はクラブの決断の理由をこう推測する。

「時代の流れの中で少し取り残されてきている。鹿島らしいサッカーという漠然としたものはある。でも、漠然としたまま20数年を過ごしてきていた。その中で近年勝ってきたのは川崎フロンターレ、そして横浜F・マリノスといった明確に自分たちの形を持っているチームでした。より主体性を持ったサッカーが、世界はもちろん日本でも主流になってきていると」

■“形をやろう”と頭を回している

 新たな決断を下した鹿島。しかし…。

「最後の部分、仕上げの部分がうまくいかないなあと」(遠藤康)。

「いつ動きだすのか、いつどこの部分にといったところはもっともっと合わせていかねくてはいけない」(和泉竜司)。

「判断力といったところはもっと必要で。監督のサッカーに応えられていないのかな…と」(土居聖真)

 選手たちも違和感を隠せない。ここまで公式戦6戦全敗。今何が起きているのか? 岩政氏の分析はこうだ。

「これまでは勝つことから逆算して頭を回してサッカーをしていたところに、“形”が入ってきた。今は“形をやろう”というところで頭を回している。目的が変わってしまっているところはあるので。それが結果に出ているのかなという印象です」

 形を重視するあまり、試合中に時々感じられるのが選手たちの“迷い”。

「一番の傾向は、立ち上がりのガチャガチャした時間帯ではチャンスを作れる。それからしばらく時間がたつとペースが落ちる、というかペースをコントロールしていきますよね。そういったコントロールする時間帯のサッカー、攻撃に迷いが見える」

 練習風景が流れる。最終ラインからのビルドアップの局面。

「おそらくグラウンダーのボールで崩していきたいと思うのですが、前線が張り付いて、後ろは人数が少ない。そこからビルドアップしようする際に、グラウンダーを選択しようとなるとかなり迷いが見える。実際にチャンスになるのは、高いボールだったり、あるいは背後へのボールだったりしますから。グラウンダーで崩していきたい、細かいパス回しで相手をおびき出してスペースを作っていきたい。そういったサッカーのことをビルドアップと言っているのであれば、これは少し考え直さなければいけないかなというふうには思います」

 ザーゴ監督が描くサッカーを体現するには、まだまだ時間がかかりそうだ。しかし、徐々に目指す形に近づいてきていることも確かだ。

 第3節・北海道コンサドーレ札幌戦18分のシーン。和泉からファン・アラーノに展開し、中央・三竿が左サイドスペースへの縦パス、これにサイド深い位置で反応するエヴェラウド。エヴェラウドが中央にクロスを挙げ、味方が走り込んだ惜しいシーン。

「ザーゴ監督がやろうとしていることに、少しずつ体が反応するようになってきたと思います。札幌戦でも取って取られて取り返してというシーンでビッグチャンスを迎えていました。札幌が攻撃に出ているところで良い取り方をしてカウンターを狙うシーンもありました。(この狙いは)ある意味再現性が高く見えました。狙い自体はチームとして共有したものが出てきていると思います」

■横浜FM攻略のポイントは…

 では、迎える横浜FM戦。注目のポイントを岩政氏は指摘する。

「F・マリノスのサッカーは昨年から変わらずです。ハイプレス、ハイライン。試合のポイントとしてはまず、横浜FMがボールを持ったときの鹿島の振る舞いですね」

 まずは守備時。横浜FMの攻撃をどう受けるのか?

「いつもどおり、横浜FMは人数をかけて中盤の中央に集まってボールをぐるぐる回してくると思います。ここに対して鹿島はどうするか。(横浜FMの)ビルドアップ、後方でGKを含めてつないでいる時にハイプレスに行くのか。行くのであればある程度リスクを負って出て行くしかありません」

「ネックはやはり横浜FMの3トップに対する鹿島のディフェンスライン。質的なところで横浜FMに分があります。そこをどう隠していくか。そのために(中盤で)誘導をかけながら(ボール保持者にプレスに)行くんだと思いますが、中盤の中央で数的不利な状況が生まれる。ボランチが食いつけばトップ下の天野選手やマルコス・ジュニオール選手がふっと顔を出して受けて、(3トップのサイドが)前に抜けてボールを出すという形を狙っています。中盤のかみ合わせですね。プレスの掛け方に注目しています」

 一方攻撃面は?

「横浜FMのハイラインの背後の突き方です」と岩政氏。単純に裏への長いボールだと、GKやCBが対処できる。そこで「今年多くのチームがやっているのがナナメのボールを多くすること」

「ハイラインの裏、あるいは同サイドに固まってきているところにナナメのボールを入れて(ペナルティーエリア角あたりで)一気に裏返していく。これを鹿島もおそらく準備してくると思います」

 横浜FMのディフェンスの裏を突くナナメのパス。ではカギを握るのは?

「遠藤選手ですね。中央での中継点になるんです。ここ(センターサークル付近)で時間を止めるキープができるとサイドバックが出ていくような形ができます。できないと逆にカウンターの餌食になってしまう。局面を大きく変える場所だと思います。自信を持ってキープできる遠藤選手の存在は大きい。逆にF・マリノスはここをつぶしてしまえばいい」

 キーマンの遠藤は「練習では最後の3分の1ではみんな落ち着いてやれている」と発言する。「(試合でも)相手の嫌がるところを突けていたので。そこで落ち着けばチャンスは作れるのではないかなと思います」。

 クラブ史上最悪のスタートとなっているが、岩政氏は決して悲観する必要はないと話す。

「3連覇の時、2005年は5連敗していますから。2007年の優勝の時も開幕5戦勝ちなしでした。意外と免疫は持っているクラブだと思います。1勝してしまえば次の段階に進めるんですけれども。そこが横浜FM戦であれば願ってもないチャンスになると思います」

 鹿島は王者相手に常勝軍団の威信を取り戻す戦いを見せられるか? 横浜FMを迎え撃つ一戦は18日土曜日18時キックオフ。

J1|最新ニュース、順位表、試合日程

▶Jリーグ観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

【関連記事】
DAZNを使うなら必ず知っておきたい9つのポイント
DAZN(ダゾーン)をテレビで見る方法7つを厳選!超簡単な視聴方法を紹介
DAZNの2020年用・最新取扱説明書→こちらへ  ┃ 料金体系→こちらへ  ※
【簡単!】DAZNの解約・退会・再加入(一時停止)の方法を解説  ※
DAZN番組表|直近のJリーグ放送・配信予定  ☆
DAZN番組表|直近の海外サッカー放送・配信予定  ☆
Jリーグの無料視聴方法|知っておくと得する4つのこと
「※」は提携サイト『 Sporting News 』の提供記事です
「☆」は提携サイト『 DAZN News 』の提供記事です