C・ロナウドとメッシ…現代サッカー界をけん引する、両者の驚異的な得点力とは?
Getty/Goal
■サッカー界の最高峰の戦い「エル・クラシコ」とは
2017年12月23日にリーガ・エスパニョーラ第17節レアル・マドリーvsバルセロナが行われる。
この試合はリーガ・エスパニョーラの一戦でありながら、最高レベルのサッカーが繰り広げられる戦いであり、互いのプライドが全力でぶつかり合う。さらには今シーズンのタイトルレースの行方に大きく左右する試合でもあるのだ。
ここでは注目すべき攻撃陣にフォーカスしてみよう。
■稀代の名FW、C・ロナウドとメッシの直接対決
2017年のバロンドールは、レアル・マドリーのクリスティアーノ・ロナウドが獲得した。C・ロナウドは生涯5度目となる受賞により、リオネル・メッシの受賞回数5回に並んでいる。2008年から10年間、バロンドール受賞者リストに名を連ねているのは、C・ロナウドとメッシの2人だけだ。エル・クラシコは、ここ10年間のサッカー界をけん引してきたスーパースターが対峙する、注目度の高い一戦でもある。
この2人はそれぞれのクラブで不動のエースであり、実際にその得点力も突出している。ここでは、C・ロナウドがリーガ・エスパニョーラにやってきた09-10シーズン以降の、両者のシーズン得点数を比較してみよう。
■C・ロナウドとメッシのリーグ戦ゴール数(09-10~16-17シーズン)
シーズン ロナウド メッシ09-10 26 34★
10-11 40★ 31
11-12 46 50★
12-13 34 46★
13-14 31★ 28
14-15 48★ 43
15-16 35 26
16-17 25 37★
8季合計 285 295
※★はピチーチ賞(リーガ得点王)
リーグ得点王のタイトルは、過去8シーズン中、7シーズンにわたりこの2人が分け合う形になっている(15-16シーズンは、40得点でバルセロナのルイス・スアレスが得点王)。
C・ロナウドは16-17シーズンまでのリーガ8シーズンで、通算285ゴールをマークしている。これは265試合で達成したゴール数であり、1試合あたりの得点数は1.075となる。
一方のメッシは過去8シーズン273試合で295ゴールを記録(トップチーム昇格を果たした04-05シーズン以降、16-17シーズンまでの通算記録は382試合349ゴール)。こちらも1試合あたり1.08というハイアベレージとなっており、この両エースの活躍がチームの勝利に直結していることは、まさに“火を見るより明らか”だ。
また、1シーズンあたりの得点数として、この2人がいかにゴールを量産しているかは、過去の得点王を例に挙げるとよく分かる。
09-10シーズンよりも以前に、リーガ・エスパニョーラにおいてシーズン40ゴール以上を記録したゴールハンターは一人もいない。1989-90シーズンに“メキシコの英雄”ウーゴ・サンチェスが記録した38ゴールが最多であり、過去8シーズンのC・ロナウド&メッシの得点数がいかに突出しているか、お分かりいただけるだろう。
今シーズンに限ると、C・ロナウドは第15節まで11試合4ゴール。8月に行われたスペイン・スーパーカップで、主審に対しての行為を理由に公式戦5試合の出場停止処分を受けたこともあり、今季は出遅れる状況となった。
序盤のエース不在が響いたこともあり、レアル・マドリーは一時リーグ8位まで低下。その後持ち直し、現在は4位まで浮上している。
一方でバルセロナのメッシは、今季からネイマールが去ったことで自身の攻撃面のタスクが増えたものの、第16節まで14ゴールを記録している。得点王レースでも首位を独走している状況だ(2位は10ゴールのシモーネ・ザザ)。エースのゴール量産が功を奏し、バルセロナは13勝3分けとここまでリーグ戦無敗を維持している。
それぞれのクラブは勝利を目指すうえで、エースであるC・ロナウド、メッシの得点力を生かすスタイルを確立している。
エル・クラシコで“どちらのエースがチームを勝利に導くのか”は大いに注目すべきポイントと言える。また、それは“世界最高のサッカー選手”と称される、C・ロナウドとメッシによる、プライドの戦いでもあるのだ。
■「BBC」vs「MSN」から「BC」vs「MS」に
C・ロナウドとメッシ。両エースの存在はもちろんのこと、レアル・マドリーとバルセロナの攻撃ユニットが、それぞれ圧倒的な攻撃力を誇っていることは周知のとおりだ。過去2シーズンのチーム得点数を例に挙げると、レアル・マドリーは110点(15-16)、106点(16-17)。
対するバルセロナは112点(15-16)、116点(16-17)と、38試合しかないリーグ戦で、ともに総得点が100点超えという圧倒的な力を見せつけている。
参考までに他国リーグを例に挙げると、プレミアリーグ最多得点は15-16シーズンはマンチェスター・シティの71得点。16-17シーズンはトッテナムの86得点だった。それほどまでに、リーガ・エスパニョーラにおけるレアル・マドリーとバルセロナの得点数は図抜けているのだ。
その圧倒的な得点力を誇っていたのが、両者の攻撃ユニット「BBC」と「MSN」だ。このアルファベット3文字のワードは、両チームの3トップを表す言葉として定着していた。しかし、それは昨季までのもの。
レアル・マドリーの「BBC」は、(カリム)ベンゼマ、(ガレス)ベイル、C・ロナウドの頭文字を取ったものだ。だが、今シーズンはベイルが負傷離脱を繰り返しており、23日のエル・クラシコまで「BBC」の3人による共演は今シーズン一度も実現せず。また、ジネディーヌ・ジダン監督はイスコをトップ下に置いた「BC」による2トップの布陣を試す試合も多く、「BBC」のユニットは機能していない状況となる。
その一方でバルセロナの「MSN」はメッシ、スアレス、ネイマールによるもの。ネイマールは夏の移籍市場で、2億2200万ユーロ(290億円)という巨額の移籍金でパリ・サンジェルマンへと去っていった。
「MSN」が崩れたことで、3トップの一角にはウスマン・デンベレ、ジェラール・デウロフェウが入ることも。だが、バルセロナのエルネスト・バルベルデ監督は今季、「MS」の2トップで試合に臨むことも多い。
現時点でリーグ首位に立っているのはバルセロナ。「BBC」が全員在籍しているレアル・マドリー(15試合30ゴール)よりも、脱「MSN」で新たな攻撃の陣容を模索したバルセロナ(16試合42ゴール)のほうが、攻撃ユニットが機能している状況なのだ。
本領を発揮できていないレアル・マドリーの「BBC」と、脱ネイマールで奏功しつつある「MS」の戦いも、エル・クラシコでは大きな焦点と言えるだろう。
文:千葉正樹(フリーエディター&ジャーナリスト)
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