「10番」を背負う原口元気。ハノーファーで飛躍が期待できる理由とは【サムライたちの現在地】

コメント()
(C)Getty Images
いよいよ開幕を迎える欧州各国リーグ。今シーズンも、日本人選手が世界最高峰の選手たちとしのぎを削る事になる。ロシア・ワールドカップが終わった今、日本のサムライたちはどのような成長を遂げ、どのような戦いを見せてくれるのだろうか。今回『Goal』は、そんなサムライたちを特集する。文=遠藤孝輔

●立ち位置

サイドハーフのレギュラー候補

●個人目標

4ゴール・6アシストの前任者クラウスを上回る活躍

●ポジション争いのライバル

リントン・マイナ、ノア・サレンレン・バゼー

■2部での復活。「10番」を用意してくれたハノーファーへ

2018-02-09 Haraguchi Fortuna Duesseldorf

2017-18シーズン前半の原口元気は厳しい日々を過ごすことになった。プレミアリーグへの移籍を希望したことから、ヘルタ・ベルリンのパル・ダルダイ監督からの信頼が薄まり、バックアッパーとしてシーズンイン。チームメイトの出場停止もあり、初スタメンとなった第7節のバイエルン戦で華麗なドリブル突破からのアシストを決めたものの、翌8節のシャルケ戦で痛恨の一発レッドを食らい、以降はウインターブレイクまでわずか1試合しか国内リーグで出番を得られなかった。指揮官の構想からほぼ外れてしまったのだ。

ロシアワールドカップに向け、首都クラブで燻ぶっているわけにはいかない。そう考えた原口は「とにかく試合に出ることが一番」と心に決め、ヘルタとの契約延長後に2部フォルトゥナ・デュッセルドルフへ半年間のレンタル移籍。その新天地で「素晴らしいスピードとドリブルで、我々の攻撃力を高めてくれるはず」(フリートヘルム・フンケル監督)という期待に応え、ラスト10試合でスタメン出場するなど重要な戦力としてチームの2部優勝、1部昇格に貢献した。主にチャンスメーカーとして機能し、13試合出場で4アシスト(1ゴール)を記録。バイエルン守備陣を切り裂いた自慢のドリブルが、2部の舞台で冴え渡った。

デュッセルドルフは当然ながら、完全移籍での獲得を目指した。すでに3月の時点でロベルト・シェーファーCEOが「そのために全力を尽くす」と断言していたほど熱望していた。しかし、6シーズンぶりにトップリーグへ臨むクラブに資金的な余裕はなく、その計画は頓挫。ロシア・ワールドカップ開幕の直前に、400万ユーロ(約5億円)の移籍金と背番号10を用意してくれたハノーファーに完全移籍することが決まった。

■「コミュニケーションについてはノープロブレム」

10番を託した事実からも窺えるとおり、ハノーファー首脳陣の原口に対する期待値は高い。クラブが求めているのは、今夏に退団したフェリックス・クラウスの穴を埋める活躍だ。ヴォルフスブルクへ去ったこのサイドハーフは、昨シーズン切れ味鋭いドリブルや正確なプレースキックを武器に、4ゴール・6アシストをマークした。守備時のハードワークを含め、原口は数字に表われない貢献が光る選手だが、アタッカーはやはりゴールに絡んでなんぼ。クラウスのように、10得点以上に関与するパフォーマンスが期待される。

そのためには、いち早く新天地の水に馴染む必要がある。4-4-2システムにおけるサイドハーフのレギュラー候補として迎えられた以上、チームメイトとの相互理解を深めることがポイントだ。デュッセルドルフでも宇佐美貴史という頼れる同胞の存在が早期フィットの力になったのは間違いない。原口はクラブ公式サイトを通じて、チームに合流した当初の印象をこう語っている。

「とても温かく迎えてもらいました。ナイスガイが多くて、本当によく話しかけてくれるんです。僕は本気でドイツ語をマスターしたいと思っている。だから、たくさん話したいんです」

アンドレ・ブライテンライター監督もそうした前向きな姿勢を歓迎。「ゲンキはドイツ語をよく理解しているし、話すのも上手だよ。コミュニケーションについてはまったくノープロブレムだ。ピッチ上に指示を出すときも通訳の必要はないと感じている」とポジティブな評価を口にしている。

大腿部の肉離れにより、今シーズン初の公式戦となったDFBポカール1回戦(対カールスルーエ。6-0で勝利)の欠場を余儀なくされたものの、まもなく戦列に復帰できる見込み。左右どちらのサイドで起用されるかははっきりしないが、不動のレギュラーであるイラス・ベブとともに両翼を形成し、チームの攻撃を活性化させるだろう。スピードと技術を兼備したリントン・マイナと圧巻の脚力を誇るノア・サレンレン・バゼーが虎視眈々とレギュラーの座を狙っているが、経験、ドリブルでの局面打開力、守備時の献身性などで上を行く原口が、彼らの後塵を拝するとは考えにくい。

■飛躍が期待できる理由

Genki Haraguchi

原口の飛躍を期待させるさらなる要素は、ブライテンライター監督のサッカーへの適合性が高そうなことだ。昨シーズンのハノーファーはとにかくよく走り、誰もがフォア・ザ・チームの精神に基づくハードワークで攻守を支えていた。その手の仕事は原口が最も得意とするところ。素早いトランジションを含め、チーム戦術の文脈に沿った形で自分の能力を最大限に発揮することができるのではないだろうか。

それは同期入団となった浅野拓磨にも言えること。前線からの守備をサボらずにこなしつつ、なにより得点が期待されるスピードスターは、プレシーズンから好調を保ち、DFBポカールでは早速1ゴールを決めている。持ち味の飛び出しでペナルティエリア内まで侵入すると、最後は対峙した敵をかわして、右足シュートをニアサイドに突き刺す見事な一発だった。この勢いを国内リーグに持ち込めるだろうか。

クラウスに加え、セネガル代表CBサリフ・サネが引き抜かれ、降格候補の一角にも挙がるハノーファー。躍進を果たすには、原口と浅野を含む新戦力たちの活躍が不可欠だろう。

文=遠藤孝輔(サッカージャーナリスト)

▶サッカー観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

【DAZN関連記事】
DAZN(ダゾーン)を使うなら必ず知っておきたい9つのポイント
DAZN(ダゾーン)に登録・視聴する方法とは?加入・契約の仕方をまとめてみた
DAZNの番組表は?サッカーの放送予定やスケジュールを紹介
DAZNでJリーグの放送を視聴する5つのメリットとは?
野球、F1、バスケも楽しみたい!DAZN×他スポーツ視聴の“トリセツ”はこちら ※提携サイト:Sporting Newsへ

Goal-live-scores

次の記事:
ユヴェントス、ダルミアン獲得は断念か…カギとなる25歳MFが退団を拒否
次の記事:
搭乗飛行機行方不明のサラに元ナント指揮官ラニエリが祈り「サッカー界が団結するとき」
次の記事:
柴崎岳、準々決勝で対戦するベトナムを警戒「ここまで上がってくるだけの力がある」
次の記事:
「チャレンジャー精神で臨む」森保監督、ベトナム代表を高評価。「明日も厳しい試合になる」
次の記事:
バルセロナ、デ・ヨング獲得へ個人条件で対抗…年俸20億円オファーを準備か
閉じる