連盟の腐敗と疑念…モドリッチが母国ファンに愛されるまで長い年月がかかった理由

コメント()
Zlatko Dalic Luka Modric Croatia 16072018
Getty
レアル・マドリーのスーパースターは母国最大の英雄となった。だが、母国の人々が彼を完全に応援するようになるまでには、長い年月がかかった。

2018年のワールドカップでスポットライトを一身に浴びたのは、国際的なサッカーの歴史が比較的短いクロアチアだった。FIFAに加盟してから30年足らずで、バルカン半島の小国は、W杯決勝にたどり着いたのである。

しかしながら、クロアチアはほんの2年前まで大混乱に陥っていた。EURO2016では、サポーターがピッチに火炎瓶を投げ込み、自分たちのサッカー協会に対する強い抗議を示した。誇り高く愛国心の強いクロアチア人は、母国の代表チームと協会に幻滅し、当時のズドラヴコ・マミッチ副会長を中心とするサッカー連盟の腐敗を告発していた。マミッチは、代表チームのことよりも、自分の懐を温めるために動いていたと考えられている。

サポーターが連盟に不信感を抱いていることは明らかだ。EURO2016予選では、イタリア戦前夜、ピッチに“かぎ十字”を描き、勝ち点1の剥奪処分を受けた(この行為で先日のUEFAネーションズリーグ・イングランド戦は無観客試合に)。実力行使でクロアチアを敗退させようと望む者もいた。

Goal 50

『Goal』クロアチア版で毎年行われる人気投票では必ず1位に輝くなど、長くファンのお気に入りであるイヴァン・ペリシッチは、「僕たちがプレーしないことがベストなのかもしれない」と、EURO2016でリポーターに語った。「僕らがプレーするたびにこうしたことが起こるのなら、プレーしないほうが現実的にベターなのかもしれない」

サポーターの強烈な抗議にもかかわらず、こうした腐敗はクロアチア連盟で日常であり続けた。マミッチは副会長の地位から離れたが、ディナモ・ザグレブの元役員ダミール・ブラバノヴィッチが理事の座についたため、腐敗は相変わらずはびこっていた。

マミッチは建国以来クロアチアのサッカーに深く関係してきたが、母国でW杯での成功を祝うことはなかった。現在、彼は国際手配されており、逃亡中なのである。W杯がロシアで開催される前日、マミッチに対し、ルカ・モドリッチとデヤン・ロヴレンの移籍に関する詐欺と、理事の地位にいた際、ディナモ・ザグレブから1500万ユーロ(約19億円)以上を横領したことして、懲役6年半の判決が下っている。

ブラバノヴィッチは懲役3年の判決を受けたが、クロアチアサッカー連盟は判決が下るまでマミッチが事実上その地位に居続けたことについてのコメントを拒否した。裁判所の決定はクロアチアのワールドカップ出場に影を落とした。モドリッチは最初の試合前会見で、裁判中マミッチのために証言することを決意したことについて、質問を受けることとなった。

この判決で、クロアチアのサポーターの中には、モドリッチの名前に拒否反応を示す者もあらわれた。実際、温かく受け入れられることはなく、国際舞台で活躍できるレベルのプレーはできないだろうと信じられていた。Luka Modric Croatia 19062008

■掴んだ最後のチャンス。母国の英雄に

モドリッチは2008年、バルセロナやアーセナルも関心を示す中、ディナモからトッテナムへ移籍。さらに同年のEUROで活躍を見せ、クロアチアを準々決勝へと導いた。そのプレーぶりはチームの中で群を抜いており、クロアチアのファンは、ワールドクラスの22歳MFの将来を期待して、今後何年にもわたってヒーローになってくれるだろうと興奮した。

クロアチアは2010年W杯には出場できず、続くEURO2012と2014年W杯ではグループリーグ敗退に終わった。モドリッチの国際舞台でのプレーは優れたものとは言いがたかったが、所属クラブでは成長を続けていき、3000万ユーロ(約39億円)でレアル・マドリーに移籍した。驚くべき才能の持ち主でありながら、代表のキャプテンになったのは2015年、29歳の時であり、ニコ・コヴァチとダリヨ・スルナが引退した後のことだった。

2018年、33歳になったモドリッチは母国のヒーローとなるために最後のチャンスに挑んだ。マミッチとの騒動に巻き込まれる中、最終的にキャリア最高のパフォーマンスを見せた。

グループリーグ最初の2試合でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれ(そのうち1試合はアルゼンチンに衝撃的な屈辱を与えるものだった)、クロアチアを決勝トーナメント進出に導いた。そこでもスターでありつづけ、中盤でのすべてのプレーにおいて、ドリブル、パス、走行距離に関して、大会随一の数字を見せつけた。決勝でフランスに勝つことはできなかったが、モドリッチは大会の最優秀選手に選ばれ、ゴールデンボールを獲得した。

母国を史上初の決勝の舞台へと導いた後、クロアチアの首都ザグレブと、その後のザダルへの凱旋は盛大に迎えられ、数千人のサポーターがモドリッチを称えた。

数々の疑惑やピッチ外の混乱により、懐疑的な目を向けられ、多くの反発を買ったこともあったモドリッチ。長い年月がかかったが、ピッチ上での献身性や圧倒的なパフォーマンス、そしてその強い意志を持って、ついに英雄となったのだ。

▶サッカー観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

【DAZN関連記事】
DAZN(ダゾーン)を使うなら必ず知っておきたい9つのポイント
DAZN(ダゾーン)に登録・視聴する方法とは?加入・契約の仕方をまとめてみた
DAZNの番組表は?サッカーの放送予定やスケジュールを紹介
DAZNでJリーグの放送を視聴する5つのメリットとは?
野球、F1、バスケも楽しみたい!DAZN×他スポーツ視聴の“トリセツ”はこちら ※提携サイト:Sporting Newsへ

Goal-live-scores

閉じる