Goal Live Scores

『逆襲』掲げる王者・川崎Fに立ちはだかる2つの試練と連覇への道筋

『逆襲』。後半戦に向けてチームが用意したスケジュールポスターには、この2文字が大きく掲げられている。首位・サンフレッチェ広島との勝ち点差は『10』。この差を追い抜き、再び頂点に立つために――。川崎フロンターレの逆襲が始まる。

チャンピオンチームとして迎えた2018年の序盤は、なかなかエンジンがかからない日々が続いた。「すべてのタイトルを獲得する」という意気込みでシーズンに入ったものの、最初の公式戦となったFUJI XEROX SUPER CUP 2018(ゼロックス杯)で敗れると、厳しい連戦の中でAFCチャンピオンズリーグも未勝利のまま敗退。リーグ戦こそ第15節を終えた時点で3位につけているが、鬼木達監督就任後、初のリーグ戦連敗を喫するなど、満足のいく前半戦とはならなかった。

■『逆襲』への道筋 その1
→メリハリのある攻守で夏場の戦いを乗り越えよ!

前半戦からの巻き返しを図る川崎Fにとって2つの試練を乗り越えなければならない。

以下に続く

中断期間中に行われた函館合宿では、主に守備面に目を向けていた。これまでに出てきた課題に向き合い、細部にまでこだわって改善を施してきたのである。もちろん攻撃が大前提にあるチームとはいえ、昨季も我慢強い守備が無ければ優勝に届かなかったのは明白。攻守の練度を共に上げることで、今後の戦いを乗り切ろうとしている。

また、夏場での戦いのポイントを、守備の要である谷口彰悟はこう表現している。

「夏場の戦いで一つ考えているのは、試合のすべてで高いインテンシティーを出せるわけではないということ。相手にボールを持たれる時間帯も絶対あるので、そこでの判断をしっかりしないといけない。そういう意味でコミュニケーションがポイントになるし、メリハリを持って攻守にコンパクトにしていくことが夏場は大事になる」

猛暑が予想される7、8月は、どうしても運動量の面で厳しい時間帯が出てくる。ボールを保持しながら相手の攻撃回数を少なくするという考えは理解できるが、試合を90分間支配することは、長くポゼッションサッカーを標榜するバルセロナを除き、世界中のどのクラブでも決して容易なことではない。だからこそ、相手の状況を見つつ、時間帯に合わせた戦い方を選択する必要がある。どれだけ攻守にメリハリを持った戦いを遂行できるかが今後のカギとなってくるだろう。

■『逆襲』への道筋 その2
→エドゥアルド・ネットの抜けた穴を埋めよ!

そしてもう一つ、再開後のポイントとなる“ポジション”がある。それが名古屋グランパスへの移籍が発表されたエドゥアルド・ネットの抜けた穴だ。

2016年に加入して以降、ボランチを主戦場に川崎Fの中核を担ってきた男は、常にパスワークの中心にいた人物と言っても過言ではない。相方を務めた大島僚太との“相互補完関係”は抜群で、調子の浮き沈みこそ激しかったが、攻守に欠かせない選手だった。そんなE・ネットの移籍は、チームの今後を左右するほどの大きな影響があるといっても何ら不思議ではない。

ただ、大きな不安を解消するだけの確信がチームにはある。それが今季、流通経済大学から加入したばかりの守田英正の存在だ。大学4年時に全日本大学サッカー選手権大会の最優秀選手に輝き、鳴り物入りで加入した大学No.1ボランチ。新シーズンの開幕を告げるゼロックス杯でいきなりプロデビューを飾ると、その後はACLのグループリーグで経験を積みながら徐々にリーグ戦で出場機会を増やし、リーグではここまで12試合で出番を得ている。

2017-08-kawasaki-morita

もともと持っていたボール奪取能力に加え、前線に飛び出す機会が増えたことで守備面だけでなく、攻撃面でも違いを作ることができるようになった。ダブルボランチを組む大島との相性も良い。大島との役割において、攻守で分けるのではなく、互いに攻守両方を担うことで、さらなる好守における強度の向上につながることを期待されている。

成長著しい守田だが、プロ初年度ということもあり、まだまだ荒削りな面もある。例えば、PK戦の末に勝ち進んだ7月11日の天皇杯サッカー選手権大会・3回戦の水戸ホーリーホック戦で先発出場した23歳のMFは、ボールロストを頻発し、好守のタクトを振るうボランチから効果的なボールを供給できず、決して内容は褒められるものではなかった。

攻撃へのスイッチを切り替える役割がボランチにあるという点を考慮すれば、展開をどうしていくのかを表現できなければ、チームは機能不全を起こしてしまう。そんな試合を経験した守田は、自身の不出来を認めた上で、これを糧に後半戦に向けて精進していきたいと闘志を燃やしている。

「(水戸戦から)立て直すという意味でも結果を残したいし、チームの勝利に貢献したい。ただ、それは何か違うことをするのではなく、チームのリズムを失わないように合わせることや出来てきたところをやり直したいということ。良い時の自分を取り戻すという感じでいきたいし、変なことを考えずにできることをシンプルにやっていきたい」

相手の状況を見て柔軟に戦い方を変えて夏場の厳しい戦いを乗り越えること、E・ネットの抜けた穴をしっかりと補完する。突きつけられたこの二つの難題を攻略するために、ディフェンディング・チャンピオン。もう一度自分たちの戦い方について向き合うこと、守田らニューカマーの台頭が、逆転での連覇奪取へ続く苦難な道を切り開く重要なファクターになる。

取材・文=林遼平

▶Jリーグ観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

【DAZN関連記事】
DAZN(ダゾーン)を使うなら必ず知っておきたい9つのポイント
DAZN(ダゾーン)に登録・視聴する方法とは?加入・契約の仕方をまとめてみた
DAZNの番組表は?サッカーの放送予定やスケジュールを紹介
DAZNでJリーグの放送を視聴する5つのメリットとは?
野球、F1、バスケも楽しみたい!DAZN×他スポーツ視聴の“トリセツ”はこちら ※提携サイト:Sporting Newsへ

Goal Live Scores
広告