逆境を跳ね返す「思考力」。岡崎慎司が挑むプレミア集大成の戦い【サムライたちの現在地】

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いよいよ開幕を迎える欧州各国リーグ。今シーズンも、日本人選手が世界最高峰の選手たちとしのぎを削る事になる。ロシア・ワールドカップが終わった今、日本のサムライたちはどのような成長を遂げ、どのような戦いを見せてくれるのだろうか。今回『Goal』は、そんなサムライ達を特集する。第4弾は岡崎慎司だ。
●立ち位置
主力組。しかし、新戦力の突き上げあり。
●個人への期待、目標
レギュラー保持。年間10ゴール
●ポジション争いのライバル
ジェームズ・マディソン(2部ノリッジから加入した新戦力MF)

■出場機会の減少、強力なライバルの加入

昨シーズンのレスターは、10月に就任したクロード・ピュエル監督のカラーが試合を重ねるごとに浸透していった。

就任当初は、レスターの十八番であるプレッシングサッカーをうまく踏襲してチーム作りを進めた。高い位置でボールを奪い、最前線に陣取るジェイミー・ヴァーディのスピードを活かしてショートカウンターからゴールをねらう形だった。

しかし、試合と練習を重ねるごとにポゼッション志向の強いピュエル監督の色が強まっていく。従来のレスターなら相手にボールを持たせてカウンターの機会をうかがったが、ボール保持の意識を強めたことで、シーズン後半戦からボール支配率で相手を上回る試合が増え始めた。同時にプレスの重要度も低まり、自陣にリトリート(帰陣)して守備ブロックを固める傾向が強まっていった。

これに伴い、プレッシングのキーマンだった岡崎の序列は低下した。クラブが世代交代を進めたこともあり、シーズン後半戦に入ると32歳の岡崎は先発とベンチスタートを交互に繰り返すようになり、最後の5試合はケガのためにベンチ外となった。

出場機会が減少していく中、レスターは今夏にイングランドU-21代表MFジェームズ・マディソンを獲得。サウサンプトンとの争奪戦の末に、レスターが商談をまとめあげた。

このマディソンは、速さと巧さを兼備する技巧派MF。パンチの効いたシュート力と確かなパスセンスを有し、ドリブルの突破力も秀逸である。前所属のノリッジではトップ下として躍動し、2部リーグながらチーム最多の14ゴール8アシストを記録した。レスターがマディソンに寄せる期待の大きさは、2200万ポンド(約32億円)という移籍金の大きさからもうかがえるだろう。

実際、地元紙『レスター・マーキュリー』も「マディソンは、まさにピュエル監督が欲していた理想の10番だ。味方のためにチャンスをつくり、ドリブルでボールも運べる。さらに、スペースを見つけて自ら前線にも侵入できる」と、監督の理想であるとし、高い評価を与えている。4-2-3-1のトップ下でプレーする岡崎のライバルは、日本代表とはタイプの異なるこの21歳のマディソンになりそうだ。

■逆境を乗り越えるための「思考力」

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しかし、これまで岡崎は幾多のピンチをくぐり抜けてきた。レスターには毎年のように強烈なライバルが加入してきたが、それでも最終的に岡崎がレギュラーの座を保持してきたのだ。

こうした危機を救ってきたのは、岡崎の「思考力」にある。チームにとってどんなプレーが必要か、自分にとって足りないものはなにか。そして、ストロングポイントはどこにあるのか──。自問自答を繰り返して考え抜き、決して諦めることなくアピールを続けてきたことで、確かな地位を築いてきた。昨シーズンの終盤、岡崎は次のように語っていた。

「もちろん、来季はいま自分がやれていることをレスターでやるだけかなと思う。ただ、新シーズンで選手がバーッと入ってくる可能性もあるし、そういう意味ではまた一からの仕切り直し。毎年一からになるので。ただ、レスターにおける自分のプレーは大きくは変わらない。自分がやれていることを追求しながら、プラスアルファとして、もうちょっとできることを増やしていく」

思えば、レスターの入団1年目はFWの4番手としてスタートしたものの「他に似たようなことをする選手がいなかったから」と、前線からの積極的な守備でアピールし、開幕戦から定位置を掴んだ。

2年目には長身FWのイスラム・スリマニがチームに入ってきたが、このときも岡崎は献身的な働きでチームを助け、レギュラーの座を取り戻した。3年目には、マンチェスター・シティからナイジェリア代表の新生ケレチ・イヘアナチョを迎えたが、ヴァーディとの補完性で岡崎に軍配が上がった。何度も何度もレギュラー落ちの危機に見舞われたが、そのたびに“雑草魂”を発揮し、レギュラーの座を取り戻してきたのだ。だからこそ、今シーズンも岡崎に期待せざるを得ない。

得点数にも注目だ。昨季は12月までに6ゴールを挙げ、自身のプレミア得点記録を更新した。後半戦こそケガも重なり得点は奪えなかったが、結果がついてくれば自然とレギュラーの座も保持できるだろう。

迎える在籍4シーズン目は、レスターとの契約最終年でもある。昨季終盤、新シーズンについて「レスターで戦うイメージはあるが、ずっとレスターに残りたいと思っているわけではない」と語っていた岡崎は、現時点で未だクラブとの契約を更新していない。今シーズン限りでチームを去る公算が大きいのかもしれない。

イングランドでのラストシーズンになるかもしれない2018-19シーズン。はたして、岡崎は集大成となる今季、どのような輝きを見せてくれるのだろうか。開幕戦は10日。相手はマンチェスター・ユナイテッドだ。

取材・文=田嶋コウスケ

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