浦和レッズが、4月20日に行われた明治安田生命J1リーグ第8節でヴィッセル神戸を埼玉スタジアム2002に迎え、1-0で勝利。今季リーグ戦初のホーム白星を手にした。しかし、5万4599人という大観衆の前での勝ち点3にも、試合後の選手たちの顔は優れない。その言葉や表情から、現状のフットボールでは決して満足しない、“内容を突き詰めた上での勝利”への渇望がうかがえた。
■内容の伴わない勝利を是とするべきか

辛くも逃げ切りに成功した。そういった類の試合だった。前半開始早々の10分に神戸DF大崎玲央が足を滑らせ、FW興梠慎三が相手陣内でボールを奪い、ドリブルでDFダンクレーに勝負を仕掛けてPKを獲得。これを興梠が自ら沈めると、真っ赤に染まった埼玉スタジアムが歓喜に揺れた。
しかし、その後の浦和は防戦一方。[5-4-1]の布陣でDF槙野智章、DFマウリシオ、DF森脇良太を中心に、とりわけ後半に苛烈さを増した神戸の攻撃を跳ね返し続けた。
スタッツは、シュート数が神戸の12本に対して浦和は半分以下の5本。ポゼッションに至ってはわずかに25%となっている。チームの核であるMFアンドレス・イニエスタを欠き、直前の監督交代に揺れていた神戸を相手としながらも、攻撃的なフットボールを信条とした以前の浦和を想起することは、決してできなかった。
とはいえ、そんなことは選手だって分かっている。「ちょっと見苦しい試合だった」と連勝後とは思えないトーンで語るのは、最前線で身体を張って全体を押し上げ、決勝点まで記録した興梠だ。「今は我慢する時間なのかなと」というその口ぶりは重い。
また、「守備に関して、いつも3つの覚悟を想定している」と明かすオズワルド・オリヴェイラ監督は、「ブロックを作った状態での守備」という一点に関しては、「槙野(智章)、マウリシオ、森脇(良太)、そして青木(拓矢)が素晴らしかった」と大いに評価。
しかし、「つながせないようにゴールキックを蹴らせる」、「ビルドアップに対するプレス」という残りの2点について、前者に関しては「試合を通してそれを行うことができなかった」と反省し、後者に関しても「特に前半は出来ていなかった。後半は少し良くなったが、橋岡(大樹)が(負傷により)交代したことでできなかった」と全く満足はしていない。
整理すれば、「受け切る守備」に関してはクリーンシートという結果も表している通り上々。だが、「攻撃の芽をつぶす守備」ひいては「攻撃回数を増やすための守備」に関しては、決して評価はされていない。
したがって、“内容の伴わない勝利を是とするべきか”という小見出しに対するアンサーは、将来的に“非”だ。間違いなくチーム内で問題として認識されており、乗り越えるべき課題とされている。
■“優勝”という目標からの逆算
(C)J.LEAGUEもちろん、興梠が「内容が悪くても勝つというのは強いチームだと思う」と語るように、ギアが上がり切っていない現状で手にした勝ち点3は、大きな価値を持つものだ。軽くない守備のタスクを十二分にこなしたFW武藤雄樹も、「勝てたことは凄く嬉しい。チームとしての1つの成果」と一定の評価を下す。その上で、武藤は「プラン通りと言えばプラン通りだが、それで満足はできない。監督も満足はしていないと思う。攻撃の部分でもっともっと上積みしていかなければ」と青写真を描く。
それは他の選手も同様であり、日本代表DF西大伍を封じたDF山中亮輔も「そこ(西)のケアは最低限できた」としつつ、「スピードであったり迫力の部分はもう少しやらないといけない。そこで違いが作れるようにならなければ」と攻撃の課題に目を向ける。
浦和の現状をよく表しているのが、「内容よりも結果を積み上げていく中で、その後でしっかりと戦術や自分たちの形を見出していかなければいけない」というDF槙野智章のコメントだ。「理想の形として、もっとこうしたい、というのはある」と内心を漏らすディフェンスリーダーは、「過去にも結果が出ない中で内容を求めて優勝争いに食い込めなかった時期があった」と、結果重視になっている戦い方の根拠を口にする。
つまり、“優勝”という目標を念頭に置き、逆算して現在のスタイルを採用しているということだ。そして、勝ち点を積み重ねていった先で、内容を伴った形にシフトしていく必要性があることも多くの選手が感じている。
開幕からの8試合を終えて、浦和は4勝2分け2敗の6位で勝ち点は「14」。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)圏内の3位名古屋グランパス(勝ち点16)までは勝ち点差2であり、首位のFC東京(勝ち点20)までの差は「6」だ。ここから下地を完成させ、爆発力を示していくことはできるのだろうか。魔法使いオズの下で始まった浦和レッズの冒険譚は、未だ序章に過ぎない。
取材・文=上村迪助(Goal編集部)
▶Jリーグ観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう
【関連記事】
● DAZNを使うなら必ず知っておきたい9つのポイント
● DAZNが「テレビで見れない」は嘘!6つの視聴方法とは?
● DAZNの2019年用・最新取扱説明書→こちらへ ┃料金体系→こちらへ ※
● 【簡単!】DAZNの解約・退会・再加入(一時停止)の方法を解説 ※
● 【最新】Jリーグの試合日程・放送予定一覧/2019シーズン
● Jリーグの無料視聴方法|知っておくと得する4つのこと
「※」は提携サイト『 Sporting News』の記事です






