【独占】新境地を開いたドラクスラー…CL制覇へ燃やす“闘志”とトゥヘルの裏の顔/インタビュー

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パリ・サンジェルマン(PSG)加入から約2年。ユリアン・ドラクスラーは、クラブの激しい変化に巻き込まれながらも、今季は加入以来最高のシーズンとなっている。トーマス・トゥヘル新監督の元で、中盤の底としての才能が開花。新境地を開拓して、ネイマール、キリアン・ムバッペ、エディソン・カバーニの3トップを支える重要な役割を担い、ここまで公式戦18試合3ゴール4アシストを記録している。

チームに欠かせない存在となりつつあるドイツ出身の25歳は、好調の理由を何だと捉えているのだろうか。悲願のチャンピオンズリーグ(CL)制覇やチームメイト、指揮官との関係、そしてリーグ・アンについてなど多岐にわたってその思いを『Goal』だけに明かしてくれた。

インタビュー=サブリナ・ベラルミ(Sabrina Belalmi)
編集=Goal編集部

■「トゥヘルはロッカールームだと人が変わる」

Thomas Tuchel PSG Paris Saint-Germain 2018-19

――PSGで新たな役割を与えられて、加入して以来最高のシーズンになっていると思いますが?

そうでもないよ。特別な1年なんて僕にはないし、毎シーズンが正念場だ。素晴らしい選手がそろい、ポジション争いも激しいからね。今シーズンの初めはワールドカップでの惨状(※編注:最下位でグループ敗退)もあってひどい出だしだったし、新監督と新加入の選手もいて、チームに馴染むのに時間がかかった。でも、今は感覚も良いし、多くの試合に出られている。幸せだね。

――戦術的、技術的な部分で、どのポジションが一番フィットしますか?

僕の特徴はあらゆるポジションに対応できることだ。でも、強いて言うなら8番(セントラルMF)の位置がベストだと思う。わかると思うけど……僕らには最高の3トップがいるからね! そこに割って入るのは難しいだろう? でも、8番の位置はプレーしやすい。前の試合では時々6番(アンカー)の位置でプレーしたけど、問題ない。ボールに触ってプレーするのが得意だからね。僕は戦術的理解度があると思っている。だからこそ、そのポジションで自分の場所を見つけられたんだと思うよ。

――シーズンの初めはあまり試合には出場してなかったですが、試合を重ねるごとにトゥヘル監督の期待に応えています。信頼をつかめたと感じていますか?

始めはお互い知らなかったからこそ、うまくいかなかった。でもお互いドイツ出身だから会話をする機会が多かったね。今は監督が要求することは理解しているし、ピッチ上でそれを体現する準備はできている。でも、W杯直後は負傷もあって簡単なことではなかった。試合に出てもパッとしなかったことは事実だ。それでも、今は監督からの信頼もあって、たくさん試合に出られている。

――世間的には、トゥヘル監督は保守的で頑固なイメージもあると思います。彼はどうチームをコントロールしていて、監督としての強みは何だと思いますか?

監督が僕らをメディアの目から守ってくれるのは本当に嬉しく思う。試合での出来が悪かった時、「そこまでは悪くなかったし、もっとやれたはずだ」と、監督はポジティブな側面をいつも見ている。でも、ロッカールームでは人が変わるね。選手に要求することは多いし、もしそれをこなせなかったら正直に気持ちをぶつけてくる。全員やるべきことは理解しているけど、もし身勝手に指示を聞き入れなかったら怒りを隠さない人だ。

■「CLは全試合“闘う”必要がある」

Juan Bernat Neymar PSG Paris Saint-Germain 2018-19

――CLグループリーグ第5節リヴァプール戦(2-1で勝利)では、マルチロールな役割を果たし、チームの欠点を補う活躍でした。新たなレベルに達したと思いますか?

リヴァプールとの2試合目では、僕らが確かな競争力を持っているということを証明できたね。でも、CLは僕たちのように洗練されたチームの争いだ。特に、リヴァプール戦のような試合はただプレイするだけでは勝てない。闘志を剥き出しにして“闘う”んだ。あの試合ではそれができたけど、優勝をねらうなら毎試合そうしないとね。

――グループステージ最終節は敵地でのツルヴェナ・ズヴェズダ戦ですが、セルビアで勝ったチームはありません(※編注:ナポリ 0-0、リヴァプール 0-2)。トゥヘル監督は、リヴァプール戦とは違う対処法を考えているでしょうか?

リヴァプール戦のような準備が必要だ。あなたが言ったように、決勝戦のようなものだからね。最低でも勝ち点1は持ち帰らないと。リヴァプールとナポリの試合を見たけど、とても厳しい試合になっていたし、僕らも同じだと思う。だけど、ホームでリヴァプールを破ったんだ。そして、頼もしいチームメイトもいる。ツルヴェナ戦で勝利し、次のラウンドに進めると確信している。

――ツルヴェナとの1戦目では勝利しましたが(6-1)、相手の印象も掴んでいるし、リヴァプール戦よりは難しくないと感じていますか?

そうとは考えてないよ。一戦目とはまったく違う戦いになるはずだ。僕らはパルク・デ・プランスで強いことは理解している。でも……、わかると思うけど、リーグ・アンの最後の試合(1-1 ストラスブール)でいくつか問題があった。だからこそまったく気を抜いてないし、CLの頂点を目指したいなら何としても勝利を掴まないといけない。

――世間では2つの意見に割れています。PSGが支配するリーグ・アンの競争力のなさを嘆く声と、リーガやブンデスリーガのように特定のチームが国内リーグを支配しつつ、さらにヨーロッパの舞台でも輝いているという声。PSGについてはどう思いますか?

答えるには難しい質問だね。フランス国内の情勢を変えることは、僕らにはできない。でも、リーグ・アンにも手強い相手や良いチームがあるよ。個人的な意見では、もちろん僕らが質・量ともにチームとして抜けているとは思う。事実としてね。でも、自分たちのことに集中し、常に最高の位置にいなければならない。ビッグゲームに向けて、メンタル的にもフィジカル的にも準備する必要がある。そうすれば、未来が見えてくる。僕たちはただのプロのフットボーラーで、リーグや他チームを変えることはできないけれど、自分たちに集中することがすべきことだとわかっている。以前よりもうまく歯車が回っているはずだ。

――それが今シーズンの大きな変化では?以前は対戦相手に目を向けがちだったと思います。

そうだね。リーグ戦で2位と勝ち点差13で首位だから、自分たちに目を向けるのは当然だ。2位のリールと大きな差がある。でも、だからと言って気を抜いたらCL出場権を失うことだってあるし、全力で試合に臨めない。だからこそ、リーグ・カップでもフレンチ・カップでもリーグ・アンだろうと関係なく、すべてに全力を注ぐ。それが偉大なチームがすることだし、僕たちが今年やるべきことだ。

■「ネイマールとムバッペ、どちらがバロンドールを先に取るかは…」

Mbappe Neymar PSG

――10番(トップ下)としてネイマールがプレーしていますが、どうやって共存していきますか?

ネイマールが素晴らしい技術を持っているのは理解しているし、偉大な選手だからこそピッチ上でみんなに頼りにされている。左サイドにいれば全員が左を意識するし、10番の位置でプレイしていれば、中央を見る。彼はポジション関係なく、ピッチ上あらゆる場所に顔を出す。大きな違いはないけど、彼のような選手がいたらボールを渡すべきだ。それがある意味、今の僕の役割だ。(アドリアン)ラビオやマルキーニョス、(マルコ)ヴェラッティと共に守備を形成する。問題はないよ。ネイマールや(キリアン)ムバッペがボールを持つほうがよっぽど脅威だし、彼らならどこからでも点を奪える。だから、僕たちは3トップから目を離さないし、ネイマールがどのポジションにいようと関係ない。

――ムバッペはバロンドール投票で4位でした。彼がを勝ち取るためには何が足りていないと思いますか?

既にワールドクラスの選手だから、答えるのは難しいね。まだ19歳だし、バロンドールを獲りたいなら多くの経験が必要だけど、彼はまだ若い。でも、今のままでいけば将来受賞すると思う。確信しているよ。あの年齢であれほど完成された選手は見たことがない。もうW杯も制覇しているし……もしCLも勝ち取れば文句ないと思う。今季CLを制覇すれば、来年のバロンドールは彼のものになっているかもしれない。

――個人的な意見として、ネイマールとムバッペのどちらが先にバロンドールを受賞すると思いますか?

わからない、わからないよ。彼らのパフォーマンス次第だし、シーズン通しての戦いぶりや運もある。僕から言えることは、2人とも驚異的な選手であり、いつか受賞するにふさわしい選手だということ。その時が来るまで誰も分からないよ! 今年はルカ・モドリッチで、W杯前までは誰もそれを予想できなかった……こういう質問は面白いね

■「新聞の批判は関係ない。ピッチで全力を尽くすだけ」

Julian Draxler PSG

――話をあなた自身に戻しましょう。今季は公式戦18試合中14試合に出場していますが、ドイツ国内ではPSGで主力として活躍していないという批判があります。そういった批判にはどう思いますか?

代表に合流したときはいつも、僕がクラブでプレーできず、ベンチに座っていると考えているとみんなが思っているね。でも、気にすることじゃない。ピッチ上ですべきことは分かっているし、監督からの信頼を感じている。それが一番重要だ。新聞に書かれていることは大したことではない。もちろん、ドイツ国内では新聞通りの印象がもっぱらだと思う。パリに来て2年半経ったけど、出場時間が限られているとはちらほら耳にする。けど、まったくそうだとは思わない。同じことを言ったけど、僕個人で変えられることではない。ただ受け入れてピッチ上で全力を出すだけだ。

――出場機会が少ない、それはメディアからの見解でしょうか?それとも代表、クラブのチームメイトの意見でしょうか?

メディアからの意見だ。僕の仲間は、PSGでの役割をよく理解している。だから本当に気にも留めていないし、チーム、そして自分自身に集中してベストを尽くすだけだ。戦術的な観点から話せば……18試合中14試合にも出ているのに出場時間が限られているというのは少しおかしな話だね。

――セントラルMFとしてプレイするときは、誰が一番のお手本ですか?

総合的にはヴェラッティだと思う。素晴らしい選手で、ボールを失わなうことがない。彼の隣だとプレイしやすい。でも、対戦相手によるときもあるね。強豪と戦うときはマルキーニョスのほうがいい時もあるし、正直に言えば僕をベンチに置いたほうが良い時もある。ラビオと組むときあるね。本当に試合によるし、対戦相手次第だ。もちろん、2,3試合続けてひどいパフォーマンスを続けたらベンチに座らされるけどね! プロの世界では当然だ。いつだって楽しんでプレイしているし、誰と組もうとも、僕が出ていなくても関係ない。でも、一番はヴェラッティだと思っている。

―ラビオの代わりに出場するときは、素晴らしいパフォーマンスを披露していますね。何か関係あるのですか?

チャンスを伺っていただけだ。(第11節)マルセイユ戦で監督は僕を選び、ベストを尽くして得点を挙げた。もちろん、監督はメンバー選考に悩んでいたと思う。でも、それがチームというものだ。誰もがポジションを確保するために戦っている。それが超一流の選手でもだ。各々ポジション別に世界最高と呼ばれる選手との競争だけど、自信はある。自分の能力は把握しているし、チャンスを得られれば、サポーター、クラブ、すべての人に僕は出場に値することを証明したい。でも、最終的に判断を下すのは監督だ。

――トゥヘル監督はほぼ毎試合フォーメーションを変えることで有名です。それに適応するのは難しいと思われますが…

昨今では、シーズン60試合戦うのは普通だ。少なくとも、チームに15,6人以上のトッププレイヤーは必要になってくる。ビッグクラブなら普通のことだし、僕たちにとっても同じだ。だからこそ、あらゆるポジションを試されている。選手の隠された才能を見出すのが監督の仕事だし、ポジションを変えられるのはよくあることだ。だけど、毎試合先発で出れないこともある。疲労が溜まった、負傷した、調子が良くない、色々ある。それが僕のいるチームだ。もちろん、そういったチームにも2,3人替えが利かない選手もいる。僕らで言うと、ネイマールとムバッペだ。そういった選手が絶好調なら、必ず先発する。彼らは違いを作れる選手だからだ。監督からの信頼に疑いを持ったことはない。実際それを感じているし、満足している。

――PSGの弱点として、試合中の流動性に欠けることが挙げられています。トゥヘル監督がフォーメーションを頻繁に変えることが原因だと思いますか?

もし戦術が変更されれば、自分自身もそれに適応しなければならない。4バックや3バック、5バックでプレイするときもある。それが現代サッカーの一部だ。データだけで見れば、CLでのリヴァプール戦で敗北した以外(第1節 2-3)、僕たちはまだ公式戦で無敗だ。良いシーズンを過ごしていると思う。だからこそ、あらゆるフォーメーションで戦うことに問題はない。勝つことこそが一番重要だ。フォーメーションが違うからと言ってピッチ上でナーバスになっていたら、本当のチームではない。僕たちは自信を持ち合わせている。このままシーズン最後まで駆け抜けたい。

――試合ごとに異なる選手と共にプレイするのは難しいと思います

いや、そうでもないよ。確かに、ネイマールやムバッペ、(アンヘル)ディ・マリアとそれぞれ左サイドで組むのは違うことだ。でも頭を働かせれば、チームメイトとの連携が取れる。ネイマールがいたらボールを渡すし、そしたら彼がドリブルで3,4人抜いていく……アンヘルのときは、彼の左足にパスすることを意識している。あまり右足は得意じゃないからね。ちゃんと頭を働かせれば、どのフォーメーションでプレイするかは関係ない。
――ドイツ代表にとって2018年は苦痛の年でした。この苦難をどう捉えますか?新世代にチャンスを与えるべきだと思いますか?

今年の代表チームでの戦いは、本当にひどかった。何試合も敗れ、最悪のW杯だった。多くの問題を抱えており、難しかったね。大会前にはメスト・エジルのようなトルコ系移民選手とドイツサッカー協会との問題もあった。なにもかもうまくいってなかったよ。新設されたUEFAネーションズリーグ(UNL)でもグループ最下位に終わったけど、EUROの予選では良いスタートを切りたいと思う。今はチームを立て直している最中だけど、今まで代表に貢献してきた選手にリスペクトを抱くことが大切だ。彼らも、もう30か31歳になる。尊敬するのは前提として、若い世代がどんどん押し上げて彼らを脅かすのも重要だ。僕たちは今まさにその段階だ。(ヨアヒム)レーブ監督を信じているし、彼ならきっとやってくれる。

――マルセイユ戦でのゴールセレブレーション(耳に手を当てるジェスチャー)で、パリサポーターのハートを掴んだと思います

その次の試合で、ファンが一体となってスタンドに僕のセレブレーションを大きな写真を作ってくれたね。本当に誇らしかった。でも、あれはパリサポーターのためにやったわけではなかったんだ。マルセイユ戦でネイマールに対するマルセイユファンの野次が酷くて、僕は試合後も少し怒っていた。だから、2-0の決勝点を決めた時、あのセレブレーションをしたんだ。

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