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明治安田生命J1リーグ

“浦和のハート”山田直輝に起きた変革…湘南の3年間で遂げた進化とは【J1注目選手:浦和レッズ編】

11:52 JST 2018/02/22
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2018明治安田生命J1リーグが2月23日に開幕する。4年ぶりに浦和レッズへ復帰したMF山田直輝は、3年間過ごした湘南ベルマーレでどのように変わったのか。

浦和で日常になりつつある光景がある。

全体練習終了後、すぐにトレーニングを切り上げる者、チームメイトと和気あいあいとパスゲームに興じる者、スロージョギングを行う者など様々な選手がいる中、山田直輝はその日の最後に必ず入念なストレッチを行ってからピッチを後にする。

時には一人で黙々と、時にはスタッフと談笑しながら、それでも必ず、しっかりと筋肉を伸ばしていく。練習後だけではなく、練習前にも丁寧なウォーミングアップに取り組むことを心がけている。それは以前には見られなかったことだ。

「本格的にやり始めたのは去年からですね。練習前にもしっかり準備して終わった後も、疲れた後でもしっかりクールダウンを行っています。前にレッズにいた時はやっていませんでした。体に対する意識はだいぶ変わりましたね」

そう言うと山田は「年の功っていう感じですね」と笑った。

山田はプロキャリアを通して、ずっとケガに泣かされてきた。2009年にユースからトップ昇格を果たすと、当時のフォルカー・フィンケ監督に見出されて瞬く間にレギュラーとなり、この年はリーグ戦20試合に出場。だが、これは昨年に更新されるまでキャリア最多の数字だった。

1年目から度々ケガに見舞われていた山田はその後も筋肉系の負傷、持病の腰椎分離症からくる腰痛、相手の悪質なタックルによる腓骨骨折や左膝前十字靭帯損傷など様々な故障に苦しんできた。だが、度重なるアクシデントに見舞われながらも、体に対する意識がそこまで大きく変わることはなかった。

本人の中で“変革”が起きたのは2017年のことだった。

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■変革のスイッチと変化

これまで何度もケガに苦しむ経験をしてきた中で、なぜ「去年」だったのか?

その理由を尋ねると、山田はしばし熟考した後にこう切り出した。

「初めて自分がいるチームがJ2に降格してしまって」

山田は出場機会を求め、2015年に湘南ベルマーレに期限付き移籍した。しかし、新天地でもなかなか思うようにコンディション、プレーパフォーマンスは上がらず、期待に応えるほどの貢献ができないまま2016年にチームはJ2に降格した。

「どうしても1年でJ1に上げたいという気持ちは、今までもチームを勝たせたいという気持ちはありましたけど、それがより現実的になったというか、やらないといけないという気持ちが増したのかもしれない」

降格の悲劇がスイッチを押した。

山田は体に関する様々なことを見直した。食事面もその一つだ。「湘南にいて、今松本山雅FCにいる岡本知剛っていうU-17ワールドカップの時から一緒にやっている選手に教えてもらって、ちょっと気になっていたので」と食物アレルギーテストを受け、その結果から自身の体に合わないものを摂取しないようにした。

トレーニングでも新たな試みに着手した。「去年、合宿中に2週間、僕一人ケガをしていて、その時に去年湘南に入ったトレーナーの方に、筋肉の弱い部分、バランスを見てもらって、良くないところを鍛えてもらいました」。その時からルーティーンが変わり、今も相談しながらケガをしないための体づくりを継続している。

取り組みの変化は見た目にも顕著に出ている。湘南に期限付き移籍する前の写真と、帰ってきてからの写真を見比べれば一目瞭然だ。童顔は相変わらずだが、頬の肉が落ち、全体的に明らかにシャープになっている。今年1月に行われた新加入会見の際には「ずっと一桁だと思います」と体脂肪率が10%を切っていることを明かした。

さらに注目すべきなのは、変化したのが肉体面だけではないという点だ。

彼が内に秘めるもの……すなわち心の部分にも、確かな変化が見られるようになった。

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■本人が語る「湘南で一番学んだこと」

湘南で戦う中でプロのプットボーラーとしての心境にも変化が訪れていた。

それは最近のコメントの中に繰り返し出てくるワードにも表れている。「チームのため」という言葉が以前にも増して聞かれるようになっているのだ。

「湘南の3年間で一番学んだのは、チームを勝たせるための責任を負わせてもらってプレーさせてもらって、勝ちに対する貪欲さ、チームを引っ張っていくこと。やっとプロのサッカー選手として勝つためにサッカーができるようになりました。90分を通してチームのために走れるようになりましたし、勝つためのプレーを選択できるようになりました。そこが大きく変わったところかなと思います」

湘南が誇る名将・曺貴裁監督には様々なことを教えてもらった。「ミスではないけどチームにとってマイナスのプレー」もその一つだ。新加入会見で語っていたこの言葉の真意を山田はこう説明する。

「分かりやすく言うと、100%パスが成功する選手でも後ろへのパスが50回だったら、50本失敗するけど50本全部、前にパスを出せる選手の方がいいと湘南で学びました。『そのプレーはミスより良くない』と言われたので」

チャレンジを恐れる者はミスを犯す者より必要ない。その考えは、かつて指導を受けたもう一人の名将……元浦和で現北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督からも言われていたことだった。「だいぶ昔の話ですけど、ミシャが言っていた言葉に似ています。『ミスをする選手は仕事をしている選手だ』と。それってやっぱり良い言葉だなと感じました」。

チームのために、チャレンジを恐れずに戦う。言葉にすると至極単純だが、それが辛酸を何度も舐めて辿り着いた真理だった。

「見ても気づかないところかもしれないので、僕が出ている試合でどれだけ勝てているかというのがその部分につながると思います」。

今度こそ愛するクラブの力になれる、その自信があるからこそ浦和に戻ってきた。それを結果で証明する。

写真・文=神谷正明

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