最大のインパクトは札幌。熾烈な残留争いと大物外国籍選手の影響力も/2018年J1総括

コメント()
©J.LEAGUE
12月1日、明治安田生命J1リーグ全34節が終了した。上位陣では川崎フロンターレの連覇とともに、コンサドーレ札幌の躍進が際立った。そして史上初ともいえる熾烈な残留争い。忘れてはいけない大物外国籍選手の影響力。今季のJ1を総括する。

■新戦力も台頭した川崎Fの強さ

終わってみれば川崎フロンターレの強さが際立ったシーズンだった。

AFCチャンピオンズリーグ(ACL)との並行戦を強いられたシーズン開幕当初は勝ち負けを繰り返し、一時は首位をひた走るサンフレッチェ広島に勝ち点13もの差をつけられた。しかし、ロシア・ワールドカップ中断明けからは本来の力強さを取り戻し、第23節に広島との直接対決をものにすると、完全に勢いに乗った。失速する広島をしり目に着実に勝ち点を積み重ね、第28節にV・ファーレン長崎を下して首位に浮上。そして迎えた第32節、セレッソ大阪に1-2と敗れたものの、広島も黒星を喫したため、2試合を残して連覇を成し遂げた。

昨季の優勝メンバーをベースに、守田英正ら新戦力も台頭。持ち前の攻撃力だけでなく、守備の安定感も際立ち、最終的には2位の広島に勝ち点14もの大差をつけた。しかも最多得点、最少失点を記録する“完全優勝”だった。

なかでも際立ったのは家長昭博だろう。6得点・7アシストの数字だけでなく、シーズンを通して安定したパフォーマンスを続け、大事な試合で結果を出す勝負強さも見せつけた。このレフティの存在が、川崎Fの連覇の要因になったことは間違いない。

一方、最終的には2位となったものの、広島の失速が川崎Fの連覇をお膳立てした点も見逃せない。開幕から9戦無敗と圧倒的な強さを示し、ワールドカップ中断明け後も粘り強く勝点を積み重ねていた。ところが第26節のサガン鳥栖戦に敗れて以降、9戦未勝利(2分7敗)のままシーズンを終えている。

城福浩新監督のもと、堅守を構築し、最前線のパトリックを生かす戦いで、結果を残してきた。しかし、シーズン終盤に守備の強度が低下し、パトリック頼みの攻撃も機能不全に陥った。シーズンを通した安定感が足りず、完成度の点で川崎Fに大きく見劣りしたことは否めないだろう。

3位に滑り込んだのは鹿島アントラーズだった。開幕当初は結果を出せない苦しい戦いが続いたが、シーズン後半に持ち前の勝負強さが蘇った。アジアの頂点への道のりを歩みながら、リーグ戦にもその勢いを持ち込んで、結果を出し続けた。とりわけハードスケジュールを強いられたシーズン終盤はリーグ戦を若手主体で臨んだ試合もあったが、それでも勝利を手にするなど、チームの総合力の高さを示したうえでの3位入賞だった。

最大のインパクトを放ったのは北海道コンサドーレ札幌だろう。広島、浦和レッズでともに一時代を築いたミハイロ・ペトロヴィッチ監督を招聘し、カウンター型からポゼッション型へと大きく舵を切って臨んだシーズンだった。

2018-12-04-J1-sapporo

ペトロヴィッチ監督の求めるサッカーは特殊がゆえ、かつての広島、浦和もそうだったようにスタイルが浸透するには時間がかかるかと思われた。しかし札幌の選手たちは瞬く間に“ミシャスタイル”を習得する。むろん、その精度には改善の余地は残されており、川崎Fに0-7で完敗を喫する屈辱も味わった。それでも、ブレることなく着実にポゼッションの質を高めていき、最後まで上位を争える力を手にした。最終節で広島に勝ちきれずACL出場権は逃したものの、来季への希望を抱かせる大躍進のシーズンとなったことは間違いない。

■降格の危険性があったのは10チーム

優勝争い以上に大混戦となったのは、残留争いだ。シーズン終盤までその行方は予想がつかず、10チーム近くに降格の危険性があった。

初めてJ1を戦ったV・ファーレン長崎は、十分に健闘した。7節から4連勝を達成するなど、前半戦はダークホース的な存在としてリーグに旋風を巻き起こした。もっとも、悔やまれるのは夏場以降の失速だ。終わってみれば最下位となり、1年でJ2に戻ることとなった。

意外だったのは柏レイソルの低迷だ。活きの良い若手が揃うなか、的確な補強も実現し、開幕前は優勝候補にも挙げられるほどだった。しかし、ACLとの両立にうまく対応できず、5月には早くも体制変更を決断。しかし一度狂った歯車が再びかみ合うことはなく、2009年以来となる降格の悲劇を味わった。

J1参入プレーオフに回る16位となったのは、ジュビロ磐田だった。最終節を前に5チームにその可能性が残されていたが、最終節では名古屋グランパスと湘南ベルマーレの直接対決はドローに終わり、サガン鳥栖も鹿島に引き分け勝点1を確保。横浜F・マリノスはセレッソ大阪に敗れ、磐田は終了間際の失点で川崎Fに敗戦。この結果5チームが勝点41で並んだが、得失点差で下回った磐田が最後に悪夢を味わった。8日に行われる東京ヴェルディとの決定戦は、果たしてどのような決着を見るのか。

一方、一時は降格の危険性にさらされていたG大阪は驚異のV字回復を実現し、9位でシーズンを終えた。緊急登板となった宮本恒靖監督が、課題の守備組織を整え、韓国出身のストライカー、ファン・ウィジョも大ブレイク。第25節から破竹の9連勝を達成して、名門復活を大いに印象付けた。

■イニエスタとトーレスの影響力

2018-07-27-iniesta-torres.jpg

個人に目を向けると、今季最大のトピックスとなったのは、アンドレス・イニエスタとフェルナンド・トーレスのJリーグ入りだろう。ともにスペイン代表として世界の頂点に立ったワールドクラスの加入は、大きな驚きをもって受け止められた。

ヴィッセル神戸に加わったイニエスタは、3ゴール・3アシストの結果以上に、基本技術の高さや視野の広さ、あるいは判断の巧みさといった玄人好みのプレーで観る者をうならせた。鳥栖のF・トーレスは残留争いに苦しむチームにおいてその能力を出し切れたとは言い難いが、重要な試合でゴールを奪うなど、チームを救う活躍を見せている。

昨季のルーカス・ポドルスキ、そしてイニエスタとF・トーレス、さらに来季にはダビド・ビジャの神戸入りも決定した。

Jリーグが世界のサッカー界において、重要な就職先として認知されつつある。外国籍枠が増加される来季は、その流れはますます加速していくはずだ。彼らの加入はその意味でも、大きな影響力を持つ出来事だった。

文=原山裕平

▶Jリーグ観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

【DAZN関連記事】
DAZN(ダゾーン)を使うなら必ず知っておきたい9つのポイント
DAZN(ダゾーン)に登録・視聴する方法とは?加入・契約の仕方をまとめてみた
DAZNの番組表は?サッカーの放送予定やスケジュールを紹介
DAZNでJリーグの放送を視聴する5つのメリットとは?
野球、F1、バスケも楽しみたい!DAZN×他スポーツ視聴の“トリセツ”はこちら ※提携サイト:Sporting Newsへ

Goal-live-scores

次の記事:
バルセロナに電撃移籍したボアテングの後釜にバロテッリ?サッスオーロに提案か
次の記事:
J王者・川崎Fが欧州強豪クラブと対戦!『Jリーグワールドチャレンジ』が7月に開催決定
次の記事:
日本vsベトナムの主審はウズベキスタン戦担当のモハメド氏…準々決勝からVARも導入
次の記事:
K・P・ボアテング「大きな夢が実現した」バルサ入りに歓喜…23日国王杯で早くもデビューか
次の記事:
PSGの相次ぐ中盤の離脱に…トゥヘルが補強を望む「この状況はとても、とても深刻」
閉じる