「完全」となったアトレティコ・マドリー。歴史を作ることが約束された欧州最高の舞台へ

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ディエゴ・シメオネという男がすべてを変えたアトレティコ・マドリー。政権7年目、「完全」となったロヒブランコがすべてを手にしても不思議ではない。

アトレティコ・マドリーは、クラブ誕生以来115年の歴史の中で最も素晴らしいシーズンを過ごすことになるかもしれない。あらゆる面でチームが成長し、それによって際限のない期待を生み出す――。今シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の決勝の舞台はワンダ・メトロポリターノだが、熱狂的なサポーターの詰めかける本拠地で欧州の頂点に立つことを夢見ても決して罪に問われることはないだろう。

ビッグイヤーはクラブが唯一手にしていないタイトルだ。ディエゴ・シメオネ監督の指揮の下で、過去2回決勝まで進出したことはある。だが、いずれもあと一歩のところで優勝を阻まれた。CLのタイトルはクラブの勲章となる。そのためには、シーズンを幸先よくスタートしてチームに弾みをつけることが重要になる。8月15日に行われた今シーズン公式戦初戦、UEFAスーパーカップで永遠のライバルであるレアル・マドリーを下したことで、最高の状態で2018-19シーズンをスタートできた(延長戦の末4-2で勝利)。

■クラブ史上最高のチーム

ATLETICO

ラ・リーガ、コパ・デル・レイ、CLの3つの大会でタイトル争いに加わることになるアトレティコは、史上最も優れた選手を揃えている。それを証明するのはこれからのプレーに他ならないが、チョロ(シメオネ監督の愛称)が持つ選手の顔ぶれは少なくとも楽観的な思考をもたらしてくれる。

彼らがこうした野望を持つことを可能にしているのは、何を差し置いてもシメオネの継続性と、アントワーヌ・グリーズマンの残留というポジティブなニュースである。グリーズマンがロヒブランコ(赤と白:アトレティコの愛称)でトップに立つためにバルセロナ移籍を拒絶したことは、クラブがライバルに対して放った最初の一撃といえる。

だが、チームが流出を回避できたスター選手はグリーズマンだけではない。疑いなく世界最高のGKの1人であるヤン・オブラクは、頑強なディフェンスを支える最後の砦として今季もライバルたちの前に立ちはだかる。リュカ・エルナンデスがワールドカップ王者として戻ってきたことで、ディエゴ・ゴディンを筆頭にDF陣はこれ以上ない顔ぶれとなった。シメ・ヴルサリコを失いはしたが、新たに加わったサンティアゴ・アリアスは、エールディビジやコロンビア代表としての実績に疑いようはない。

クラブ史に名を残すガビとフェルナンド・トーレスという偉大なシンボルを失い、ヴルサリコがワンダ・メトロポリターノに「アディオス(さようなら)」を告げるという悲しい出来事も起きた。しかし「継承」という点においては何も不安はない。中盤には、ユース時代に背丈が足りずに放出されたものの、現在はスペイン代表の次の10年間を支えることが期待されるロドリが復帰した。また、アトレティコ一筋のコケとサウール・ニゲスのラインに未だ成長を続けるトーマス・パルティが加わり、ロヒブランコのDNAは確固たるものとなっている。

さらに、補強はそれだけにとどまらなかった。モナコから加わったトマ・レマルはあらゆる攻撃に違いを生み出してくれるだろう。鋭いドリブルが武器のジェルソン・マルティンスは、チームの原動力になり得る。ニコラ・カリニッチは、ディエゴ・コスタに休息をもたらす贅沢な代役となる。

そのD・コスタは、もはや誰も止められない選手になりつつある。ブラジルにルーツを持つスペイン代表FWは、レアルとのUEFAスーパーカップでも開始40秒で衝撃的なゴールを奪うなど、2ゴールを挙げてみせた。攻撃陣には今季の活躍を誓うビトーロや、成長の止まらないアンヘル・コレアが控えていることも忘れてはならない。アトレティコのポテンシャルはあらゆる所に存在し、それはアダンの加入によってセカンドGKのポジションまでもが強化されたことにも反映されている。

■「完全」となったアトレティコ

Diego Simeone Atletico Madrid

こういった論点に加え、シメオネが植え付けた毎試合に全力を尽くすフィロソフィー、そしてすべての練習を決勝戦のようにこなす姿勢は、アトレティコをあらゆる大会の優勝候補へと伸し上げる。シーズン終盤の数カ月でスペイン2大クラブと同じレベルを保つことができれば、キニエラ(スペインのサッカーくじ)でも完全に優勝候補の仲間入りし、2013-14シーズンに続くラ・リーガのタイトル獲得も視野に入る。

コパ・デル・レイは、対戦の組み合わせや小さな出来事によって結果が決定的に左右されることが多いため、気まぐれな側面を持つといえる。だが、歴史的に見ればアトレティコが得意としてきた大会である(過去10度優勝)。2012-13シーズンではサンティアゴ・ベルナベウで優勝を果たし、10年以上続いた「マドリーダービー」での負の連鎖を断ち切った(編注:10年以上未勝利の中、宿敵の本拠地で延長戦の末2-1で勝利)。

CLのタイトルは未だ手にしてはいないが、今季は最大のチャンスだ。同じ都市の覇権を争うライバルであるレアル・マドリーは、望まぬ大改革を迫られた。チーム力に疑いはないものの、ジネディーヌ・ジダンとクリスティアーノ・ロナウドという絶対的なカリスマを失ったことで、シーズン最終盤で頼れる男が不在となった。

これに対し、アトレティコにはクラブのアイデンティティを築き上げたシメオネがいる。そして、CL決勝に2度進み、EL制覇を成し遂げた主力選手の大半がいまだチームの要としてプレーしている。偉大な闘将に率いられる中、遅かれ早かれ正当な結果がもたらされるはずだ。それが今シーズンだとしても、何ら不思議ではない。

結局のところ、このチームは「完全」なのだ。

文=イサーク・スアレス(Isaac Suarez)/『マルカ』アトレティコ番記者
協力=江間慎一郎

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