大宮・大山啓輔が語る序盤戦。昇格に向けてここから巻き返す【インタビュー】

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大宮アルディージャは、今季、1年でのJ1復帰を目指して開幕を迎えたものの、いわゆる「J2の戦い」に苦しんできた。この逆境をチームはどう乗り越えていこうとしているのか? 大宮ユースからトップ昇格5年目、生え抜きの大山啓輔に聞いた。

昨季、明治安田生命J1リーグを最下位で降格した大宮アルディージャ。今季の目標は一つしかない。1年でのJ1復帰だ。

大前元紀、マテウスら昨季の主力はほぼ残留。ロビン・シモヴィッチ、中村太亮ら実力者が新加入し、J2を戦うに十分な陣容が揃ったかに見えた。しかし、第12節を終えて10位と低迷。インタビューで大山啓輔も「思うようなシーズン」にはなっていないことを認める。その理由は何なのか? チームで何が起こっていたのか? そして、ここに来てやっと見えてきた改善の兆しとは?(取材日:4月25日)

■一貫性はある。これから結果が出れば…

――今季ここまでの戦いについていかがお考えでしょうか?

結果に出ている通りです。思った通りの成績が出ていないので、厳しいスタートになっています。でも、継続という部分で一貫性はあると思います。(石井正忠)監督の求めているものを選手全員でやる。ここはチームとして一貫して取り組んできています。少しずつこれから結果が出てくればというところです。

――では、ご自身のプレーとしては?

個人としては、サブがちょっと多く、ベンチ外も1回ありました。でも、ここ数試合で、少しずつスタメンで出られるようになってきています。コンディションも良い状態を保てていますし、今はとにかくチームの勝利に貢献していく準備をするだけです。

――大山選手にとってJ2は2015年以来2度目となります。当時13試合に出場していらっしゃいますが、違いを感じますか?

その13試合というのも、途中出場が多かった。自分自身も当時(トップチーム昇格)2年目だったので、直接語るのは難しいです。でも、J2のレベルはどんどん上がってきていると思いますし、それは、プレーしていても本当に感じます。今季ここまで簡単な試合は一つもなかった。勝てても厳しい試合だったし、ちょっと隙を与えるとやられてしまう。その辺をすごく感じています。

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――昨季と今季、チームとしての違いはありますか?

去年はラスト3節で石井監督に代わりました。石井監督は、シンプルに相手の背後を突いて、できるだけ相手のエリアで速い攻撃を目指している部分が強いです。昨季の(渋谷洋樹、伊藤彰)監督は、よりボール保持に重きを置いていました。縦に速いサッカー、推進力のあるサッカーを目指しているという点が大きく違っていると思います。

――昨季は得点が少なく苦しんでいた印象ですが(28得点・リーグワースト2位)、今季は逆に守備で無失点がまだ1試合(第10節終了時点)。10試合で13得点15失点ですが、理由はどこにあると思いますか?

縦に速いサッカーというのは、裏を返せば自分たちでボールをずっと保持しているわけじゃないということです。推進力を持って前に行けば、後ろにスペースを空けることになる。その攻撃が成立しなかったときには、相手に大きなスペースを与えたり、相手にボールを握られる時間が長くなったりする。今季の最初の方はそれがすごく多かった。(ボールを)取って前に行きたいけど、そのボールがつながらずに、カウンターを食らうというような…。これは、守備陣の問題というわけじゃなくて、チーム全体としてボールの保持と前に行くタイミング、その攻撃の仕方という部分に課題があったのだと思います。

――石井監督が推し進めている縦に速いサッカーは、チームとしてどれくらいの水準に達しているのでしょうか?
 
意識付けとしては、みんなキャンプのときからありました。シンプルに相手の背後を取って、という部分。ずっと意識としては選手の頭の中の多くを占めていると思います。ただ、それを実際に相手がいる試合の中でまだまだ実現し切れていません。もっともっとこれからです。改善の余地もありますし、逆にここ数試合でできてきている部分というのもあります。

■先発に戻ってこられた理由

――シーズン序盤は先発を外れていました。三門雄大選手が入ってきた影響もあったと思います。ここ数試合で先発に戻ってこられた要因をどう捉えていらっしゃいますか?

 監督によってボランチの組み合わせは違います。どういうタイプを組み合わせるかいろいろです。(石井)監督の求めるハードワークという部分で、ミカさん(三門)は本当に長けていると思うし、隣にいてもすごく心強いです。そこは本当に自分に足りないところだと思っています。良いお手本が隣にいてくれるので、伸ばさなきゃ、と思ってやっています。

――ここ3試合は先発出場しています(第10節終了時点)。チームに必要とされているプレーはどんな部分だと思いますか?

監督のサッカーは推進力があって、前へ、前へというサッカーです。その部分でのディフェンスラインと前線とのつなぎ目。守備から攻撃に変わる場面で、どうやってそのつなぎをするか。すごく大切な役割だと思います。逆に、攻撃から守備に変わったときに、人にタイトに行けないといけない。プレッシャーを掛ける部分。攻守においてのハードワークが求められている役割だと思います。

――攻守のバランスを取る役目ですね。

 今年最初、コンディションは全然悪くなかったんですけど、そこ(ハードワーク)に目が行きがちだったというか…。「求められているプレーをまずやらなきゃいけない」という思いが強すぎて。自分のストロングポイントを出すことよりも、優先していた部分がありました。

でも、(出られない時期に)いろいろ考えました。苦手分野だけど、強く監督に求められることで、自分のウィークをストロングにしようって割り切って思えたのもその時期です。まずは、練習試合で自分の足りない部分にチャレンジし続けました。同時に、自分のストロングポイントをチームの中でどう生かして、どう出していくかにも取り組みました。とりあえずここ数試合、それが少しずつ成果として出てきていると思います。

■いろんな先輩に助けられてきた

――大山選手は大宮生まれで、ジュニアから下部組織出身。生粋の生え抜き選手です。クラブへの思いはやはり強いですか?

もちろん、自分がサッカー選手としてプレーできているのは、大宮アルディージャがあるからだと思っています。小さいときから見てきた選手たちが残してくれた「J1の舞台」に戻さなきゃいけないという思いも強い。今はちょっと厳しい成績ですが、そこの目標だけは絶対にぶれちゃいけない。最後までしっかりそこを見据えてやらないと。大宮の育成出身選手として、人一倍思っているつもりです。

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――見てこられた選手で、影響を受けた方はいますか?

僕の前に15番を着けていた斉藤雅人さん(現大宮アルディージャ事業本部)かな。僕がユースのときには指導者として育成に携わっておられました。直接監督やコーチとして指導を受けたというわけではなかったんですけど。やっぱり気にかけてくださっています。今、こうやってプロになってからもクラブハウスで会うと、マサさんは僕にプレッシャーを掛けないように、サッカーの話とか戦術云々の話をするわけじゃないけど、言わずと応援してくれているような感じがすごくあります。期待に応えなきゃという思いがありますね。

――同じピッチに立ったチームメートの中では?

ピッチで、味方として心強いなって思ったのは、アキさん(家長昭博:現川崎フロンターレ)です。すごく技術も高いし、体も強いし、多分みんなも思うところだと思いますね。個人的に一番は、渡邉大剛さん。今は(カマタマーレ)讃岐にいるんですけど、すごく良くしていただいていて。自分がメンバーに入れなかったり、試合に出られなかったりする時期にも、「自分のやるべきことだけはやらなきゃいけない。そして誰に不満があって、ストレスを抱えていても、それはしょうがないことだし、選手としてもちろん持っていなきゃいけない感情だけど、自分が成長するためにやるべきことは、常にやめちゃいけないんだよ」と教えてくれたのは、その人でした。

僕、今年は開幕戦メンバー外だったんですけど、そこで腐ることなく、何が出られない理由なのかな、ということにもう一回向き合うときにも、大剛さんの言葉は常に頭の中にありました。選手としても、人としても影響を受けたと思います。

■ハイライン・ハイプレスの千葉相手にも「勝機はある」

――5月6日は、「首都圏バトル5」でジェフユナイテッド千葉と戦います。

 千葉は、去年から外国人監督(フアン・エスナイデル/アルゼンチン人)が就任されて、ハイライン、ハイプレスをやっていますね。今年の試合を見ていても、その両面あるというか、ハマっているときはすごく良いサッカーをしていて、相手もすごく嫌がっているような気がします。

でも逆に、先ほども言いましたけど、ハイラインというのは裏を返せば、裏に大きなスペースを与えているということでもあります。そこを自分たちが目指す「シンプルな背後を取る」というサッカーで攻略していければ、勝機はあるんじゃないでしょうか。

――ゴールデンウィークは過密日程です。

ゴールデンウィークもそうですし、ここから夏場にかけて試合もどんどん多くなってきます。コンディション的にも一番きつい時期です。本当に総力戦です。チーム全員が試合に出るつもりで、勝ちに向かって同じ目標に向かってやるということがすごく大事になると思っています。厳しいJ2の中で、日程的にもコンディション的にも厳しい中で、2015年にJ2で優勝できたのは、やっぱりそこの部分が大きかったと思いますし。

戦術云々、技術云々も大事ですけど、やっぱりみんなで戦って、みんなで同じ目標に向かってやっていくということ。特に連戦は、それがそのまま表れてくるところだと思うので。頑張りたいです。 

――NACK5スタジアム大宮でのサポーターの声援は、J2の今も変わっていません。

J2に落ちて、同じように悔しい思いをしているのがサポーターの皆さんだと思います。(ピッチ上というのは)サポーターの方ではどうすることもできない。どうにかできるのは「ぼくら」だった。J2に落ちても変わらず応援してくださって本当に力になります。NACK5スタジアム大宮は特に応援席とピッチが近いので、声援を間近に感じることができます。ときに優しく、ときに厳しく、声援をくれるサポーターは本当に大切な存在です。

■大切な家族の存在

――昨年12月にご入籍されたそうですね。変化はありましたか?

一人のときも別に悪かったわけではないですけど、生活のリズムや生活習慣かな。やっぱり食べたい時間にご飯があるというのは大きいです。食事面では、一人だと作れないから、どこか出なきゃいけませんでしたから。

あとは精神的にも、応援してくれる人がそばにいるということがすごく力になります。自分が活躍したときの嬉しさも一緒に感じられますし、ダメだったときの悔しさや厳しさというのも一緒に受け取ってくれます。メンタルが強くないので、僕は(笑)。いろいろ考え込んじゃう部分もあるので、「大丈夫だよ」って言ってくれる人が近くにいてくれることはすごく助かります。「また次頑張ろう」って思えますしね。

インタビュー・文=Goal編集部・平松凌

(プロフィール)
MF 15 大山 啓輔/Keisuke OYAMA 
1995年5月7日生まれ。174cm/67kg。埼玉県出身。大宮Jr.ユース-大宮ユースを経て2014年トップチーム昇格。J1通算35試合出場、J2通算22試合出場(2018年第12節終了時)、J3通算13試合出場1得点。

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