名古屋、夏の大補強。「立て直し」のカギを握る新加入“三銃士”

コメント()
(C)J.LEAGUE
J1リーグ最多失点、13戦未勝利で最下位。風間グランパスにとって前半戦は屈辱以外の何者でもなかった。中断期間は修正ではなく継続を選択。しかし、ただ手をこまねいていたわけではない。反転攻勢を期する後半戦でカギを握る熾烈な競争原理とは?

■ブレない指揮官。中断期間も修正ではなく継続を選択

ロシア・ワールドカップによるJリーグ中断から1カ月が過ぎた6月24日。名古屋はJ2のFC岐阜を招いて練習試合を行っていた。岐阜は前日にリーグ戦があり、控えメンバーが中心。一方で名古屋はほぼベストメンバーを組んだが、ボールを支配され、数多くのピンチを招いてしまい0-1で敗戦。試合後の「相手はポゼッションが上手いチームだから」「今はフィジカル中心(のトレーニング)で体が重いから」という選手の言葉に、正直「言い訳がましいな」という印象を持った。

そもそも開幕前からの編成がいびつだった。前線には大金をはたいて元ブラジル代表の大物ストライカー、ジョーを獲得。しかし、センターバックには地元愛知出身の現役高校生・菅原由勢が抜擢されるほど枚数が足りず。シーズンオフで声を掛けた選手にはことごとくそっぽを向かれた。

前半戦は守備の不安が的中し、15試合で喫した失点は30とリーグ最多。開幕2連勝を飾ったものの、その後は13戦未勝利と、守備の崩壊はそのまま成績に直結した。順位も残留圏となる15位のV・ファーレン長崎とは勝ち点差8が開き、ダントツの最下位という屈辱的な前半戦であった。

では、ここからどう立て直すのか。関心はそこにしかない。

クラブには“三顧の礼”で迎えた風間八宏監督を代える選択肢は皆無。昨季から歩み始めたチーム改革を道半ばで放棄するわけにはいかないからだ。

風間監督も「うちは修正型のチームではない、過去は問題ではなく成長すること」を挙げ、冷静を貫いている。中断期間では課題の解消には時間を割かず、「止める・蹴る」の基礎技術や筋力強化、スピードの向上など、前半戦のサッカーを継続させる方針を貫いた。個人技術の成長がチームの抱える問題を覆い隠すことにつながると考えるからだ。

■センターラインの強化。促される競争原理

一方で、クラブは「チーム作りは一朝一夕にいかないと分かった。みなさんが不安に感じているところを中心に補強したい」と積極的に夏の補強に動いた。

昨季、川崎フロンターレのリーグ初優勝に貢献したエドゥアルド・ネット、FC東京から元日本代表のDF丸山祐市、柏レイソルの22歳DF中谷進之介とセンターラインの強化に白羽の矢を立てた。小学4年からレイソル一筋だった中谷は「オファーが来たときは、熱意もすごかったし金額的にもびっくりした」と、名古屋の夏の補強の本気度を言い表す。

とはいえ、丸山も中谷も「風間監督の下で成長したい」というのが最も大きな移籍の理由であった。「この3週間だけでも違った自分が見えてきた」と言うのは中谷。丸山も「チームみんなが上手くて、(今まで)どうして勝てなかったのか」と舌を巻く。E・ネットも「名古屋に来る前は厳しい成績で、選手のモチベーションが下がっていると思っていたけど、意外に明るくて心配はゼロになったよ」と後半戦に向けて一抹の不安も感じていない。

チームの核となり得る3選手の加入で、チーム内の競争がより激化の一途を辿っている。センターバックは言うまでもなく、他のポジションへも確実に波及している。風間監督は固定概念にとらわれず、選手を本来のポジションではない位置で試すことが多い。一人が動けば玉突き的に配置が変わる。「競争社会を作らなければ伸びていかない。今はすごく良い競争をしていると思うし、それが相乗効果となってチーム全体に動きが出ている。選手の変化もすごく見えてきたので、そういう意味ではこの中断期間はとても有意義だった」と風間監督は手応えを口にする。

2018-07-18-nagoya

▲後半戦予想フォーメーション。22日の第17節・広島戦に限れば、右SB宮原は期限付き移籍元の広島所属のため契約上出場できない。41菅原由勢が入る見込み。

■新加入選手のデビューは登録即、7月22日か

既存の選手たちも「競争は望むところ。自分がどれだけ成長できるかが大事だし、ポジティブに捉えている」(DF新井一耀)。「常に危機感は持っていたのでこれまでと変わりはない。試合に出ることしか考えていない」(櫛引一紀)と、こちらも前向きにとらえている。

公式戦が近づいたこともあるだろうが、練習ではより球際の寄せが激しくなった。長谷川アーリアジャスールも「ピリピリした良い雰囲気になって来た。あとは試合でやるだけ」と3選手の加入に刺激を受けている。

闘う姿勢のほかにも練習では風間サッカーの特徴であるパス回しに効果が見て取れる。丸山、中谷が共に得意だと言う「攻撃の第一歩となる縦パス」が安定し、リズムをもたらすE・ネットのワンタッチパスで、ジョーやガブリエル・シャビエルが良い形でボールを受けるシーンが増えた。ここまでリーグ6発でチームトップスコアラーのジョーも「まだ試合は始まっていないけど、良い練習ができているし、みんな自信を持って臨めるのではないか」と手応えを感じている。カテゴリー下のチームにも勝ち切れなかった頃と、雰囲気は大きく変貌を見せている。

2018-07-18-joe-Xavier-nagoya

▲ジョー(左)とシャビエル。シャビエルは昨季、夏の補強で加入し即戦力となった

新しい選手をすぐに試す風間監督だけに、新加入選手3人の名古屋デビュー戦は、登録された直後のサンフレッチェ広島戦(7月22日)が濃厚だ。昨季もちょうどこの時期にガブリエル・シャビエルを補強し、劣勢から一転、1年でのJ1復帰を果たす原動力となった。

新戦力の“三銃士”はその再現を果たしてくれるのか。攻撃にこだわる名古屋のサッカーが劇的に変わることはあり得ないが、チーム内の競争でどんな化学変化が起こり、後半戦の反転攻勢に繋がっていくのかを注目したい。

取材・文=斎藤孝一

▶Jリーグ観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

【DAZN関連記事】
DAZN(ダゾーン)を使うなら必ず知っておきたい9つのポイント
DAZN(ダゾーン)に登録・視聴する方法とは?加入・契約の仕方をまとめてみた
DAZNの番組表は?サッカーの放送予定やスケジュールを紹介
DAZNでJリーグの放送を視聴する5つのメリットとは?
野球、F1、バスケも楽しみたい!DAZN×他スポーツ視聴の“トリセツ”はこちら ※提携サイト:Sporting Newsへ

Goal Live Scores

閉じる