久保をもっと使いたかったエクアドル戦。戸田和幸氏が振り返るコパ・アメリカの課題と収穫

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戸田和幸氏がコパ・アメリカの日本代表戦を徹底解説するDAZNの『The Focus』。26日、『#4』の収録が渋谷にある「DAZN CIRCLE」で行われた。勝てば決勝トーナメント進出だった第3節・エクアドル戦。残念ながら1-1のドローに終わったこの試合の中で、どの局面が試合を左右したのか? 戸田氏の詳細な分析の全容はDAZNと DAZN YouTubeチャンネルで公開中だ。Goalでは収録を終えた戸田氏に、若き代表が経験した3試合を振り返ってもらった。【聞き手=大西徹】

■チャンスは作れていたが1点しか取れず

――コパ・アメリカ3戦目はエクアドルを相手に1-1という結果に終わりました。序盤はエクアドルが前からプレスを掛けてきて、日本が慌てる場面もありましたね。

DAZNの『The Focus』でも紹介しましたが、植田(直通)の縦パスを久保(建英)が受ける時に背後からセンターバックのアルボレダに寄せられロスト、最後はエネル・バレンシアにミドルシュートを打たれた場面が序盤にありましたが、あれは嫌な場面でしたね。

――その後は冷静に対応して、うまくパスをつないでいました。

基本的には右から攻撃に行く形が多かったですね。エクアドルには奪いに行く勢いがありましたが、チリ戦と同じく相手に中間のポジションを取られた際に、誰がマークに付くのかあいまいでした。

そういう意味では日本のほうがお互いの距離を近くしつつ侵入していく場所に対するイメージの共有もできていたので、ゴールに近づけた場面は多かったと思います。ただ、得点を奪えそうな場面が多かったにもかかわらず、「1点しか取れなかった」という試合でもありました。

――『The Focus』では15分のゴールシーンや40分にパスが連続してつながったシーンを取り上げていました。理想的な攻撃の形を作れたと思います。

日本がディフェンスラインでボールを持った時に、エクアドルは1トップのエネル・バレンシアとインサイドハーフが前に出てきますが、前に出るタイミングがあいまいな時が多く、それによってアンカー脇が空く傾向にありました。日本はそれを分かった上で、相手のアンカーの脇に久保を中心とした攻撃的MFがタイミングよく入ってきて、縦パスを入れていましたね。

――残念ながら勝ち越しゴールには結びつきませんでした。

久保をトップ下に使うということは、エクアドルのMFとDFのラインの間でフリーになれる、なったところからゴールへと向かうということです。

縦パスが入るのが一番ですが、相手もそこはできる限り消しに来る。そこで、横から斜めのボールを入れることができると、もっと久保が生きたと思います。

――戸田さんはDAZNの解説でも「(アンカーの)グルエソの脇に角度をつけて入れたい」とおっしゃっていました。

もちろん縦パスでもいいんですけど、そうは何回も簡単には入らない。サイドからの斜めのパスも出せる時はありましたが、ボールが来た時にはワンタッチパスを選択できていないと、久保がプレーできるスペースと時間は消えてしまいます。

アタッキングサードに入ったらシンプルにクロスを上げる、というのはDFとGKの間にスペースがあるのであれば効果的でしょう。あとは点を取れるポジションに味方がいるのかどうかによります。

そしてこの試合ではレビューでも取り上げましたが、クロスを入れる状況としてはやや足りておらず、ライン間に“キラキラ輝く18歳”が「さあボールを渡してくれ」と待っていた。であれば、渡すことを選択してもらいたかったとは思います。

●『The Focus #4』の動画はこちら

■大会を通じての守備の課題と決定機

――『The Focus』では35分の失点シーンを取り上げて、大会を通じて守備面での課題が出たというお話もありました。

あの場面は岩田(智輝)が競り勝とうとしてジャンプして入れ替わってしまいました。あの場面で、エクアドルのミナに競り勝つのは難しいという判断がまず必要だったと思いますし、それができた上で、競り勝つことより自由にボールを扱わせない判断が必要でした。

この大会を通じてどの選手も100パーセント勝とうと思って一生懸命チャレンジすることが非常に多かった。そのチャレンジの結果、ピンチや失点につながる場面が何度もありました。

サッカーには100:0で勝てる競り合いというのはあまりなくて、ギリギリまで競るための駆け引きやせめぎ合いがあって、結果的に60:40で勝つとか、時には80:20になることもある、という状況がほとんどだと思います。100で勝とうと思ってゼロになってしまったのが、あの失点でした。

ウルグアイ戦で植田がスアレスにアタックして、入れ替わってカバーニに出された場面も同様です。もし100で止めに行くのであれば、絶対に前は向かせない対応が求められますし、ファウルになってでも止めなければいけなかったと思います。

――68分に上田綺世選手と久保選手がつないだ場面の「レベルの高さ」の解説も番組ではありました。

あの場面はスペースがない中で、上田がうまく動いて瞬間的にCBの背後を取り、久保は相手が来てもブロックしながらうまく運びスルーボールを出しました。

上田がボールもらった時には左SBのラミレスも戻ってきたので、CBのアルボレダとの1対2の状況、どう打つかを瞬間的に考え決断しなくてはならない難しい場面でした。膨らむ動きでパスコースを作る、CBの死角に入る動きはとても巧みでしたが、ボールを受け取った状況で考えると、シュートを打つのは簡単ではありません。二人で作ったすごくいい攻めだったので、もちろん決められたらすごかったけど、DFの戻りも早かった。

アディショナルタイムに中島(翔哉)がゴール正面でワントラップしてシュートを打ってDFにブロックされた場面がありました。止めてから十分時間があったので、決定機という意味ではあの場面のほうが、得点の可能性は大きかったと思います。

――シュートを打てるところまではできていると。

そうです。まずは打てるところまで持っていけるかいけないかの勝負があって、ほかの人は持っていけないかもしれないけど、上田は持っていける。あとは決めるだけ、そこについてはさらにテクニックレベルを引き上げる努力を続けていってほしいと思います。

――前田大然選手がGKと1対1になる惜しい場面もありましたね。

久保からのパスがトップスピードで走る前田の若干後ろに来たので、まずはきちんとボールが蹴れるところにコントロールしなくてはなりませんでした。その上で、瞬間的に目線が後ろに行ったので、ゴール方向が見えなくなり、「早く打たなければ」という気持ちになった部分もあったかもしれません。本人の走り出すタイミングがやや早過ぎたかもしれませんが、ボールが左足のほうに来ていれば、左足でコントロールしてゴール方向を見ながら、右足でもっと冷静にシュートができていたかもしれません。

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■初戦・チリ戦がもったいなかった

――コパ・アメリカで強豪を相手に3試合戦って、どのような収穫があったと感じていますか?

収穫という意味では、個人がチャレンジしてポジティブな場面もあったということ。そして、3試合戦う中で、試合を“闘う”ごとにチームになっていったという印象も受けました。だからなおさら僕は、1試合目がもったいなかったなと思います。

大会前に今回のメンバーでテストマッチが行えなかったことで、ぶっつけ本番となってしまいました。監督の頭の中にあったチームで初戦(チリ戦)に臨んだものの、結果的には初戦を使って今回のメンバーとチームを精査する形になってしまった。それはもったいなかったと思います。

もしチリ戦の前に1試合でも行うことができていれば、ブラジルと戦えたかもしれません。もしコパ・アメリカのチームでキリンチャレンジカップに臨めていたら、どうだったでしょうか。実際には興行的に難しかったのでしょうが、コパ・アメリカの初戦が練習試合のようになってしまったのは、やはりもったいなかったと思います。

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