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ユナイテッド“必然”のケガ人続出――。責任を問うべきはモウリーニョだ

20:00 JST 2019/02/27
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「私のチームは負傷者が非常に少ない」。2016年7月、マンチェスター・ユナイテッドの監督に就任した日、ジョゼ・モウリーニョは自慢げに語った。「私は必要にかられて選手を代えたことはない。自信と決意をもって選手交代をしてきた」

若い選手にチャンスを与えないことへの批判に反論しつつ、自身が解任されてからわずか数ヶ月後にユナイテッドで起きている問題に頷いている。

彼の後を継いだオーレ・グンナー・スールシャールは、27日のクリスタル・パレス戦を前にトップチームから10名もの負傷者が続出して苦悩している。就任以降最悪の危機は、モウリーニョが指揮する前のシーズンにもあったことだ。当時のルイ・ファン・ハール元監督は、同時期にトップチームのスター選手を14名もケガで欠いていた。

だが、モウリーニョの言い分とは反対に、現在の危機は2年半にわたる破綻した前監督の戦術によるところが大きいように思われる。

■妥協を許さないスールシャールがもたらした変化

モウリーニョのもと、ユナイテッドはプレミアリーグでの走行距離に関してあきれるほど低い結果しか出せなかった。2016-17シーズンは4023.4キロでリーグ最下位、昨シーズンは4099.8kmで20チーム中19位だったのだ。

前監督の解任後、世話好きな指揮官スールシャールは、ピッチ上で誰よりもエネルギッシュなプレーを求めていくと選手たちに警告した。

「今日話したことの1つは、マンチェスター・ユナイテッドというチームは、これまで決して熱心さを求められてこなかったということだ」と、監督就任後の最初の試合である第18節カーディフ戦を5-1で勝った後、スールシャールは語った。「どんなチームであろうと、相手よりも多く走らなければならない。そうすれば、自分のスキルが勝つチャンスを与えてくれる」

「モルデに戻るときも私は同じことを選手たちに言った。『とにかく相手よりもハードワークしなさい。楽しんでプレーしなさい。パスを後ろではなく前に出しなさい。たとえボールを奪われてもかまわない、取り返そうとすればいい』とね」

ノルウェー出身のスールシャールは“レッド・デビルズ”暫定指揮官就任後、公式戦14試合で11勝2分1敗という見事な結果を出している。敗れたのはチャンピオンズリーグ・ラウンド16のパリ・サンジェルマン戦だけだ。彼がもたらした変化を正当化する以上の好成績である。だが、このところのネマニャ・マティッチ、アントニー・マルシャル、ジェシー・リンガード、アントニオ・バレンシア、アンデル・エレーラ、フアン・マタが筋肉系のケガで離脱したことで、スールシャール監督は選手たちに過度な負担を強いているのではないかと考える人々も出てきている。

今季のリーグ戦で、モウリーニョ政権下の17試合では1試合平均のスプリント数は「98」だった。だが、スールシャールの下での10試合では1試合平均「108.6」に上がっている。それでもスールシャールは、勝利のために一切の妥協を許さない。

「そう、たぶん関係あるだろう。その変化がいつ起こったかを考えればね」と、彼はより高い基準を定めていることについて尋ねられると、熟考の末こう言った。「プレシーズンまで待って、それから選手に走れと言わなかっただけで結果がどう変わるかを考えるのかい? それよりも今すぐ始めて、激しさを要求するとはどういうことなのか、どういうプレーがしたいのかを示すべきだと思わないか?」

「私が何を選択したかわかるだろう。私はユナイテッドがチームとしてプレーする必要があると考えた。このチームの一員になりたかったら、ふさわしい競争があるべきだ。そうだろう?」

■責任は前任者に…

ここ10週間、オールド・トラッフォードで前体制よりスリリングなサッカーを楽しんだ代償は、確かに小さなものではない。だが、これまでユナイテッドの選手たちがプレミアリーグでは当たり前のフィジカル的に激しい試合に対する準備ができていなかったことは、スールシャールの名前に傷をつけるものではない。これは前任者モウリーニョ前に責任を問うべきだ。

スールシャールに他にどんな選択肢があっただろうか? 彼が言うとおり、もっとフィジカル的な激しさをチームに植えつけることができるようになるまで、モウリーニョと同じ無意味な戦術を与え、選手をピッチに送りだすこともできた。しかし、そんなことをすれば、同じようにファンを失望させる結果しか残らず、キャリントン周辺に不満が蔓延したに違いない。

スールシャールが選手たちへの要求を増やしたことはまったくもって正しい決断であったし、水曜夜のセルハースト・パークで将来性のあるタヒス・チョンやジミー・ガーナー、アンヘル・ゴメスら希望の星を招聘して、結果にコミットする準備ができているように見受けられる。

“必然”の結果であるケガを広げることなく、選手たちを再び昔のように敵を震えあがらせる攻撃の鬼とするには、プレシーズンいっぱいかかることだろう。しかし注目されるそうした変化が、こんなにも速く筋肉系の故障の蔓延をもたらしているというその事実は、モウリーニョを美化するものでは決してない。

むしろモウリーニョ政権下でのユナイテッドのやり方とどれほど違うかを示すものであり、忘れてしまいたい30カ月の間に行われていたことと比べて、まったく異なる基準がマンチェスター・ユナイテッドに求められていることを強調するものなのである。

散々言われてきたモウリーニョだが、正しかったことが1つある。負傷者の数は、確かに非常に少なかった。だがそれはおそらく、彼のデフォルトの設定がとにかく安全にプレーすることだったからだろう。

スールシャールのよりリスクをとり、スリルを求めるサッカーをユナイテッドサポータはみな歓迎している。たとえ短期間にケガ人が続出したとしても――。

文=クリス・ヴォークス/Kris Voakes

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