フランクフルトの「最年長選手」長谷部誠、築き上げたのは決して揺らがない地位【サムライたちの現在地】

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(C)Getty Images
いよいよ開幕を迎える欧州各国リーグ。今シーズンも、日本人選手が世界最高峰の選手たちとしのぎを削る事になる。ロシア・ワールドカップが終わった今、日本のサムライたちはどのような成長を遂げ、どのような戦いを見せてくれるのだろうか。今回『Goal』は、そんなサムライたちを特集する。(文=遠藤孝輔)

●立ち位置

リベロもしくはボランチのレギュラー​

●個人目標

チームリーダーとして躍進に貢献​

●ポジション争いのライバル

事実上不在

■昨シーズンはドイツメディアを唸らせるプレーを連発

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フランクフルトでのリーグ戦100試合出場を達成した昨シーズンの長谷部誠は、改めてチームに欠かせない戦力と印象付けた。すっかり板についたリベロでハイレベルなパフォーマンスを披露すれば、ニコ・コバチ監督(現バイエルン)の求めに応じてボランチもこなし、戦術上のキーマンとして機能。抜群の安定感もさることながら、ブンデスリーガ第9節のドルトムント戦で見せたゴールライン上でのクリアや、DFBポカール決勝のバイエルン戦でコランタン・トリッソのシュートを防いだブロックなど、ドイツメディアを唸らせるプレーも光り、フランクフルトの8位フィニッシュとポカール制覇に大きな貢献を果たした。

もちろん、全てがパーフェクトだったわけではない。シーズン前半は左ひざの負傷やインフルエンザに苦しみ、17試合中10試合の出場に留まった。第31節のヘルタ・ベルリン戦では珍しく冷静さを欠き、相手選手へのエルボーで一発退場。ラスト3試合を出場停止で棒に振った。対峙したセンターフォワードのケビン・フォラントにハットトリックを許した第30節のレヴァークーゼン戦での出来も悔やまれるところだ。

ただ、前述したポカール決勝で大活躍するなど、ポジティブな形でシーズンを締めくくったのは流石で、クラブ首脳陣からの信頼はまったく揺らいでいない。昨シーズン末で切れる予定だった契約を1年間延長した際には、フレディ・ボビッチ取締役が「来シーズンもチームの模範である彼と共に歩んでいけることをうれしく思う」と手放しで称賛し、スポーツディレクターのブルーノ・ヒュブナーも「コンディションが整っている時の長谷部誠は、どのチームにとってもプラスでしかない」と太鼓判を押したほどだ。来年1月で35歳になるベテランにとって、そのコンディション調整は新シーズンの重要なキーワードになりそうだ。

■攻撃サッカーを志向する新チームでの立場は?

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年間を通して健康体を保つうえで、日本代表からの引退はプラスに働くだろう。今後、長期のフライトや時差ボケに苦しむ機会は減る。また、代表選手たちがごっそり抜ける国際Aマッチウィークに、「フランクフルトの最も経験豊富なプレーヤーであり、守備の中心選手としてチームが必要とするサポートをもたらす存在」(フランクフルター・ノイ・プレッセ)である長谷部がチームに残るのはフランクフルトにとってもメリットだ。その期間にトップチームの練習に加わる下部組織の選手たちへの助言などに期待できる。若手にとっては長谷部のプロフェッショナルな姿勢に触れるだけでも財産となるに違いない。

フランクフルトでアンタッチャブルな存在になりつつある長谷部に、コバチからバトンを引き継いだアディ・ヒュッター新監督もさっそく信頼を置いているようだ。気になる起用法は前任者と同様になる見込み。基本システムの3-4-2-1(3-4-3)採用時はリベロ、戦術オプションの4-4-2を用いる際はボランチのレギュラーに据えるとの見方が強い。ちなみに、本人は地元紙『フランクフルター・ルフトシャウ』のインタビューに応じた8月上旬に「どちらのポジションでもプレーする準備はできている」と宣言済みだ。

これといったライバルも見当たらない。リベロの2番手は右CBのレギュラーであるダビド・アブラアムで、長谷部欠場時はこのチームキャプテンが中央にスライドするのが有力。ボランチに目を向けても、新戦力のスペイン人MFルーカス・トロや加入2年目のジェルソン・フェルナンデスはボール奪取に優れるが、司令塔としてゲームをコントロールするほどの影響力を持っていない。オフェンシブなサッカーの構築を目指しているヒュッター監督にとって、ボールをしっかり捌ける長谷部はボランチとしても貴重な駒になるだろう。

■9シーズンぶりにヨーロッパリーグへ挑む

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元キャプテンのアレクサンダー・マイアーが今夏に退団し、チーム最年長選手となった長谷部には引き続きリーダーの一人としての振る舞いも求められる。昨シーズン同様、アブラアムの欠場時にはキャプテンマークをつけることにもなるだろう。衰えの色を見せるどころか、年を追うごとに熟成されるワインのように味わい深いプレーを見せている長谷部に対する期待は膨らむばかりだ。まずはDFLスーパーカップでバイエルンに0-5と大敗し、DFBポカール1回戦で4部のウルムに敗れるなど、のっけから大苦戦しているヒュッター新体制を軌道に乗せるような活躍が求められる。

そして、ヴォルフスブルクで出場した2009-10シーズン以来の参戦となるヨーロッパリーグでのパフォーマンスにも要注目だ。現時点でグループステージの対戦相手は未定(モナコで催される抽選会は現地時間8月31日)だが、今シーズンのELにはチェルシーやアーセナル、ミランも出場する。円熟のサムライはヨーロッパの舞台でどんなプレーを見せてくれるか。興味は尽きない。

文=遠藤孝輔(サッカージャーナリスト)

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