みなさん、こんにちは。中村憲剛です。CL展望シリーズの最終回はグループFからHを取り上げていきます。それぞれのグループに優勝候補と目される名門、強豪が組み込まれていますから、とても楽しみですね。果たして、額面どおりの実力をもって、すんなりと勝ち上がるのかどうか。僕なりの見立てを明かしていきましょう。
■グループF:いますね。優勝候補が
(C)Getty Images【グループF】
・マンチェスター・シティ(イングランド)
・シャフタル(ウクライナ)
・リヨン(フランス)
・ホッフェンハイム(ドイツ)
いますね、優勝候補が。マンチェスター・シティです。ペップ政権の3年目。初のCL制覇に向けて、機が熟す頃だと思います。いや、昨シーズンに優勝しても不思議はなかったですから。キーパーソンのデブライネがケガで離脱したのは確かに痛手ですが、グループステージに限って言えば、致命傷にはならないでしょう。ベルナウド・シウバ、ギュンドアン、さらにペップが逸材と評するフォデンなどは控えており、駒のやりくりは可能ですからね。
昨シーズンに抜群の働きを見せたサネがやや出遅れている感じはありますが、マフレズが新たに加わるなど、攻撃スタッフも充実しています。最終ラインもストーンズとラポルテを中央に並べれば、肝心のビルドアップも安定しますからね。左サイドバックのメンディも長期のケガから復帰し、ペップもほぼ納得の陣容が整ったかなと。スタイルは確立済みですから、やはり「鉄板」でしょう。
最大の焦点は2位争いですね。個人的にはシャフタルが食い込むかどうか。CLの常連という以上に、何だかんだ勝ち上がっている印象があるので。アタック陣に良質のブラジル人がいるのも強み。顔ぶれが変わっても、不思議と質が落ちない。目利きがいるんでしょうね。オフに獲得したFWジュニオール・モラエスがどのくらい暴れるのか。トップ下のタイソンを含め、ブラジル仕様の新しいホットラインが楽しみです。CLの戦いに専念できる環境も明らかにプラス要素でしょう。
リヨンもCLの常連ですが、タレント力でシャフタルに及ばないかな。興味があるのはむしろ、ホッフェンハイムのほうです。国内で評価の高い指導者(ナーゲルスマン)がCLの舞台で、どんな戦いを試みるのか。何しろ初出場ですから、勝ち抜きは別にして楽しみです。とくに当代随一の名将ペップにどう挑むのか、注目したいなと。
■グループG:西村選手が出場すれば…。夢がある
(C)Getty Images【グループG】
・レアル・マドリー(スペイン)
・ローマ(イタリア)
・CSKAモスクワ(ロシア)
・ビクトリア・プルゼニ(チェコ)
夢がありますね。この夏、仙台からCSKAモスクワへ電撃移籍した西村(拓真)君のことです。つい最近までJ1でプレーしていた選手が、いきなりCLですからね。しかもグループ内に4連覇を狙うマドリーとイタリア屈指の強豪ローマがいる。出場機会があれば、凄いですよ。そこで活躍するようなことがあれば、Jのマーケットも広がる可能性がありますからね。タレントの輸出、輸入の両面で。その意味でも本当に楽しみです。
勝ち抜きの行方を占えば、本命はもちろん、マドリーですね。ロペテギを新監督に迎えて、C・ロナウドありきの「人で勝つ」スタイルから「チームで勝つ」方向へシフトしつつある。チーム全体でしっかりポゼッションしながら攻める意図が見て取れますから。強度はともかく、全員守備も実装されそうですね。特定の選手が「免除」されることなく。攻守のバランスやチーム力はかえって上がるかもしれません。アセンシオに本格化の兆しもあり、C・ロナウドの退団に伴う決め手の問題も目処が立つのかなと思います。ただ勝てなければやはりC・ロナウドがいなくなったからだと言われるのは明白なので、プライドの見せどころでもあると思います。
2番手はやはりローマですね。指揮官のディフランチェスコには奇才のイメージがあります。ホームとアウェーで戦い方をガラリと変えることもある。バルサを敗退に追い込んだ昨シーズンの準々決勝の2試合はその好例でしょう。マドリー相手にどう戦うのか興味深いですね。いずれにしても、グループの構図は2強2弱。CSKAモスクワとビクトリア・プルゼニは3番手争いと言わざるを得ないかと。
■グループH:総合力では一枚上手のユヴェントス。難しいのは『赤い悪魔』
(C)Getty Images【グループH】
・ユベントス(イタリア)
・マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)
・バレンシア(スペイン)
・ヤングボーイズ(スイス)
3強1弱に見えて、実はユベントスの1強という可能性がありますね。総合力では一枚上手。C・ロナウドに関してはまだ「お客さん」の域を出ない感じですが、最終ラインにボヌッチが復帰し、前も後ろも上積み十分。不透明なのは重鎮ブッフォンの退団に伴う、ロッカールームの秩序でしょう。精神的支柱は誰なのか。C・ロナウドがいきなり大役を引き継げるような類の話ではないので。イタリア随一の名門というクラブ事情を考えても、チームの結束、まとまりが問われそうです。
さらに、C・ロナウドをパズルに組み込む作業が想像以上に長引くと、アレグリにとって手に余る存在となりかねません。ピッチ上におけるディバラとの関係性を含め、火種を抱えているのは確かですから、丸く収まる答えを見いだせるかどうか。そこは仕上げ上手のアレグリですから、抜かりはないでしょう。仮にC・ロナウドをベンチへ回すことになっても、勝ち切る手はずを整えるような気がします。
難しいのはマンチェスター・ユナイテッドですね。就任2年目に栄冠を手にするモウリーニョの神話が崩れ、失敗を繰り返してきた「3年目のジンクス」を乗り越えられるのかどうか。プレミアリーグでは波乱含みのすべり出しで、ポグバとの確執が漏れ伝わる状況ですからね。CL一本に絞る手もありますが、求心力を維持できなければ、絵空事に終わるでしょう。ここから、うまく立て直せるのかどうか。本来なら、ユベントスと勝ち抜くはずですが、現状を見る限り、雲行きは怪しいかと思います。
悩める『赤い悪魔』を出し抜くなら、やはりバレンシアでしょう。前線にロドリゴという決め手を持ち、オフの補強で懸案の選手層も厚くなりました。就任1年目で好チームへと仕上げたマルセリーノ監督の手腕も興味深いものです。組織力という点ではユナイテッドにひけを取らないでしょう。ただし、純粋なタレント力ではユナイテットが上。そこをどう見るか。フタを開けてみないと分からない、というのが正直なところです。直接対決以上にヤングボーイズとの2試合がカギを握るかもしれませんね。
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