2017-09-20-TAGHeuerBanner

サッカー専門誌の編集長・編集者たちが語るYOUNG GUNS ~『ストライカーDX』 粂田孝明 ~ /AWARD SUPPORTERSインタビュー

タグ・ホイヤーがJリーグ・クラブに所属する23歳以下の若手を表彰する『TAG Heuer YOUNG GUNS AWARD』。日頃から精力的に取材を重ね、分析を続けているサッカー専門誌の編集長・編集者たちは、23歳以下の若手たちのプレーをどのように見ているのだろうか。足ワザに特化し、あらゆる技術を誌面上で分析、解説している『ストライカーDX』編集部の粂田孝明氏は、「技術はまだまだだけどすごく速いとか、フェイントのタイミングが他の選手とは違うとか、そういった個性を持った選手が大勢いる」と、若い選手たちの潜在能力を高く評価。各選手の個性に着目しつつ、5人の選手をピックアップしてくれた。

――『TAG Heuer YOUNG GUNS AWARD』についてどう思われますか?

『ストライカーDX』的な視点で言うと、僕らは足ワザやテクニック、フィジカルの強さなどを備えた、個性的な選手が大好きなんですよ。U-17やU-20の日本代表にはトータルの能力が優れた選手が多く選ばれ、そこから漏れてしまって「なんで彼が選ばれないんだろう」と思う選手が大勢います。そういう選手を『TAG Heuer YOUNG GUNS AWARD』でピックアップしてくれるのは、素晴らしいことだと思います。広い受け皿の中、いろいろな視点で選んでもらえるのがいいですよね。

――5人の若手注目選手を選考していただきましたが、選んだ際の基準を教えてください。

個性的な選手を選んでいますし、もちろん僕の好みも反映しています。全員がJ1の選手で、やはり井手口陽介や中村航輔など、技術的に優れた選手は外せないかな、と思いました。

――各選手それぞれの選考理由を教えて下さい。

1位  井手口陽介(ガンバ大阪)

上の世代の遠藤保仁や今野泰幸、明神智和(現AC長野パルセイロ)をずっと見て育ってきて、いいところをうまく吸収しています。ボール奪取能力は今野に近いものがありますし、ゲームメークはまだまだ遠藤には及ばないですが、展開力やゲームを読む力は少しずつ発揮できています。シュート力やスタミナも自分の個性として出せている選手だと思います。

2位  中村航輔(柏レイソル)

僕は『ストライカーDX』ではGK担当で、彼のプレーを参考にする部分が多いんですけど、セレッソ大阪戦(J1第10節/1-0で柏勝利)の終盤に、清武弘嗣のシュートがDFに当たってコースが変わったシーンがあったんですけど、ものすごい反射神経を見せて片手で弾いたんです。その反射神経は日本人GKにはなかなかないので、将来性は大きいかなと。経験が大事なポジションなので、周囲とコミュニケーションを取って馴染んでいけば、代表の正GKにもなれると思います。

3位  田川亨介(サガン鳥栖)

最初に衝撃を受けたのは、アルビレックス新潟戦(J1第6節/3-0で鳥栖勝利)でドリブルシュートを決めた場面です。トップスピードで、マークに来たDFをハンドオフで制したのもすごいと思ったんですけど、普通の選手なら切り返してしまうところ、そのままトップスピードで、しかもユニフォームを引っ張られながらも左足でシュートを決めてしまった。その突破力や芯の強さは、なかなか今の若い選手にはないですね。シュート技術もあるし、裏に抜け出すスピードもあるし、感覚も優れているので。今後、期待できる選手ですね。

4位  三竿健斗(鹿島アントラーズ)

大岩剛監督になってからポジションをつかんだ選手です。彼のプレーを見ると、それほど動き回っている感じではなく、ゆったり動いているんですけど、自分のエリアに相手が入ってきた時の寄せは鋭いですよね。いいポジションを取っているので、相手がなかなか隙を見つけられないですし、ボールを奪取する時も、激しく寄せるのではなく、少しタメを作って、相手がターンした瞬間に奪うなど読みが鋭い。センターバックもできるユーティリティーも踏まえると、今後、鹿島で磨いていけば井手口のレベルに達するかな、と思います。

5位  岩波拓也(ヴィッセル神戸)

若い頃から注目している選手で、将来的に岩波と植田直通(鹿島アントラーズ)が日本代表でセンターバック組んでほしいと期待しています。抜群の強さがありますし、今年に入ってからは読みの鋭さも成長しているので、そのあたりも期待しています。

――TAG Heuerのモットーは「#DontCrackUnderPressure(プレッシャーに負けるな)」です。選手への取材経験から、プレッシャーに打ち勝てる選手に共通していることはありますか?

プレッシャーや緊張に対して、その原因がどこにあるのか自分で分析できる能力が必要だと思います。どのシチュエーションで最もプレッシャーを感じ、最も緊張するのがどこかを分析できると、対策も立てられます。それから、プレッシャーを乗り越えるためには行動目標をしっかり立てないといけません。例えばドリブルが速い相手に対処する時には、振り向かせないための対策をまず立てて、振り向かれた時にどうするかも、具体的な行動として落とし込まないと、プレッシャーは消えていきません。そこを分析し、対策を立てられる人でなければプレッシャーには打ち勝てないですし、ステップアップしていくのは難しいと思います。プレッシャーを感じている自分を客観的に見ることが大事だと思います。

――若手時代から取材してきた選手のエピソードを教えてください。

5位に入れた岩波はヴィッセル神戸U-15時代にキャプテンを務めていたんですが、ずば抜けて背が高くて、目立つ選手だったんです。Jヴィレッジで行われた大会でチームが優勝した時に初めてインタビューさせてもらい、「どうしてヘディングが強いの?」と聞いたら「毎日、家で父と練習をしています」と答えてくれて。そこから順調にステップアップしてトップチームに昇格し、年代別代表にも選ばれているので、今後も期待しています。彼もプレッシャーには強いと思います。年代のトップレベルで活躍し、キャプテンも務めた選手なので責任感がありますし、若いながらも「チームの中で守備の中軸を担うのは自分だ」という意識が強い選手ですね。

――日本サッカーの若手選手に対して、どのようなことを期待していますか?

23歳以下は、世界的に見れば普通に活躍できる年代です。Jリーグの同年代の選手は、伸びしろはあるんでしょうけど、もっと努力しなければいけないと思います。素晴らしい素質は持っていますが、努力が足りないです。普段の生活を大切にし、サッカーのためにできることを考えていくことが大事だと思います。自分の個性を生かすのか、弱点を克服しながら進むのか、いろいろな人の意見を聞きながら、自分の考えで答えを見つけてほしいですね。

文=池田敏明
写真=浦正弘

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【Profile】
粂田孝明
1972年生まれ。
静岡県出身。ラジオ局にて音楽番組とサッカー番組の制作に携わり、その後、広告代理店にてJリーグスポンサー企業の営業、サッカー映像のディレクション、サッカーのライティングの業務を行う。2008年より学研のサッカー専門誌「ストライカーDX」に所属。世界、日本の最新テクニックを紹介しつつ、プレーヤーの技術向上を目指す小誌では、DF、GKも担当。食育、睡眠、メンタル面など、オフザピッチでの有益な情報も手掛ける。

【まもなく終了!アワード投票実施中!】
投票期間:2017年11月6日(月)18:00 ~ 2017年11月26日(日)23:59
ノミネート選手への詳しい投票方法については こちら から

【TAG Heuer YOUNG GUNS AWARD】
Jリーグの次世代を担う若い選手層の育成・Jリーグの発展を目的に、各メディア・著名人など、本企画に賛同するアワード サポーターが、J1、J2、J3のクラブに登録されているU-23選手の中から候補者30名を選出。その後、一般投票を含む最終選考にて11名を選抜、2017年12月に表彰する。
詳しくは こちら から

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